ソードワールドしようぜ!

諾:ならルーカスはミノタウロスにも成仏できるように祈っとぐ。
加:マシューはその姿を見て、真似するようにしゃがみ込んで手を合わせるよ
日:そうですね、キクは興味なさげにその辺の大きな石にでも腰掛けていますよ
英:アーサーは喉元を撫でながら戦闘中に呟いた自分の言葉について考えてるな

「俺は…あの時、何を…」

日:何かを呟いているであろうアーサーを一瞥して、そして空を見上げます。おふたりとは違う弔いですね

「あれ、誰か落し物してませんか?……首飾り?」
「ん?…冒険者のものけ?」
「ッ、か、返しなさい!私の持ち物です!」

「……(一瞬見えたその首飾りに目を見開く)」

「相当大事そうなもんだな、それ」
「?あ、キクさんのだったんだね。……大事なものなの?」
「……死んだ友が最後に遺した、宝です。惨めだと、思い出に縛られていると笑えばいい。……その通りですから」
「……(皮肉を言うつもりが声が出ず、襟元をぎゅっと掴む)」
「笑わないよ?だって、宝物だもの。ねえ、ルーカスさん?」
「……(アーサーのほうをじっと見ていたがマシューの呼びかけに気付き)…ん、そだな。大切なもんを笑うやつばいねえ。…っと、そろそろ帰るか」
「俺は先に帰らせてもらう…っつ!?(突然首根っこをつかまれる)」
「わわっ!?」
「おめは教会だ。怪我を治す…それに(耳元で)また、見えたんだろ?」
「……(ぷいっと顔を背ける)」
「何が見えたか知らねえがまた夢遊病患者みてえに彷徨われたら困る。おとなしくしでろ(ひそひそ)」
「…チッ」

「……貴方がたが教会に行くのなら、私はしばらくここで過ごします。坊や、完了報告をお願いしますね」
「え、で、でもここって危険じゃ……」
「私を誰だと思っているのですか。……でもまあ、死んでしまったら私の運もそこまでだったのでしょう」
「フランはおめの飯も作って待ってんでねえが?(キクのほうを見て)」
「夕刻までには戻る、食事はとっておいてほしいとだけ伝えてください。……少し、過去を懐かしみたいのです。優しい、あの人の顔を思い出しているうちに」

「…(自身に戯れるようにくっつく妖精を見つけ)ああ、心配するな。俺は大丈夫だ」

「だとさ、マシュー。俺も夕飯なったらアーサーとお邪魔すると伝言してくれ」
「……そうだ。帰るのならばひとつ、お伽噺をして差し上げましょう」
「ん?」
「あ、はい。……え?キクさん?」

「……あるところに幸せな夫婦がいました。しかし望んだ子供は自分たちの英知を受け継ぎませんでした。幸せな夫婦は嘆きました。こんな子は、自分たちの子でないと。穢れた子は泣き続けました。自分は他の誰とも同じでないことに苦しみました。……そんな時、家が燃えてしまったのです。家族は焼け死に、子供だけが生き残りました。……そんな子供に、手を差し伸べた少年がいました。優しい少年は、穢れを気にすることなく、その子供の友達となったのです。……その先は、望まなかった結末しかないことを、知らぬまま。」

「……その話って、キクさ」
「さあ、お伽噺ですから(しいっと人差し指を唇にあてて)」
「…子供には話せねえ救いのねえ物語だな」
「ふふ、寝物語には最適でしょう?……さあ、お伽噺の結末を知らない子らよ、お帰りなさいな。……私も、夕刻には帰りますので」

「……っ(キクの話を聞いてくうちに身体が震えだしたことが自身でも理解出来ず、自身の喉元をぎゅっと掴む)」
「(石から降りるとアーサーの隣に立ち)……貴方は、思い出さなくていい。その方が、幸せですよ」
「……(喉元をおさえながらキクを見つめる)」
「(今までの挑発的な笑みではなく、慈しむような笑みを浮かべ)……思い出したところで、貴方は苦しいだけだ。なら、早くすべて忘れてください」

「…主よ、カルディアの涙が雨となり、ルミエルのため息が風となるのならば届きたまえ。その子が安らかに、安息の吐息をはいて眠れるよう(瞳を閉じて、祈りを捧げる)」
「……その子供と、お友達が、安らかに眠れますよう(胸の前で十字を切り両手をしっかりと組む)」
「安らかに…眠ることなんて、許されなかったんだよ(風に掻き消されるような声で囁き、自嘲気味な笑みを浮かべて)」
「……そう、ですよね。貴方はやはり……(悲しそうに目を伏せると踵を返して石に座り直し、鞄から分厚い本を取り出す)」

「…(2人を見た後、再びアーサーの首根っこを掴んで)行くぞ」
「お、おい引っ張るなこの暴力神官野郎!(ずるずると引きずられている)」
「あ、僕も帰ろう!じゃあ報告しますから、3人とも夕刻には来てくださいね!(両手を振りながら街へと駆け出す)」

「……ねえ、アーサーさん。貴方は本当に、彼なんですか……?どうしてゆっくり眠ってくださらなかったんですか……(顔を覆い隠して嗚咽を漏らす)」

 




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