ソードワールドしようぜ!

【ロングチャット】

フランス→フランソワ(ひかるさん)他
イギリス→アーサー(ひかるさん)
日本→キク(おぼろ)
プロイセン→ギルベルト(ひかるさん)
ドイツ→ルートヴィッヒ(おぼろ)

*

【冒険者ギルド『マリアリリィ』食堂内】

「さあ、今日も張り切って働かないとね!…んー(カウンターで気持ちよさそうに腕を挙げて)」
「……ふぁ、おはようございますレディ。いい朝ですね(眠そうに目を擦りながら)」
「おはようキクちゃん。珍しいね、こんな朝早くに起きてくるなんて。ふふ、今日は雪か槍でも降るのかしらね」
「ご挨拶ですね、珍しく早起きしてしまっただけですよ……ふぁ(欠伸を噛み殺しながらカウンターに腰掛け)……簡単に食事をしたいのですが」
「はいはい。…いつものでいいかしら?(朝食の内容について問いかける)」
「ええ、いつも通りで。……(ふと周辺を見回し)朝は人が少ないですねえ」
「お寝坊さんが多いのよ。夜にどんちゃん騒ぎとかしてるからその反動で疲れて寝てる人が多いみたいだし。んもう(困ったように微笑みながらもテキパキと食事の準備に取り掛かっている)」
「ふふ、その中に私も含まれているんでしょうねえ(目を細め)……静かなことはいいことです」
「あら、でも私は賑やかな方が好きだよ。…騒がしすぎるのはどうかとも思うけど、そうやって騒げる気の置ける場所がここなら、店主としてこれ程本望なことはないわね(嬉しそうに微笑み)」
「レディは相変わらずの包容力ですね。幼い頃から変わらない。……私はそういうところ、嫌いではありませんよ(眠そうに目を擦り本を取り出す)」
「あら、褒めても何も出ないわよ。(ことりと、キクの目の前に朝食のワンプレートを置いて)…はい、お待たせ。冷めないうちにどうぞ」
「(本を横にずらして)……いい匂いですね。いただきます」
「はい、どうぞ。(カランカランと音を立てて開いたドアの方を振り向き)……あら、お客様かしら。いらっしゃいませ(カウンターから出て、玄関の扉の方へ近付く)」
「失礼、人を探していまして」
「(振り向くこともなく黙々と朝食を食べている)」
「依頼ですか?でしたらこちらで手続きを…っあ!(突然目の前の人物に腕を強く掴まれ苦痛の声を漏らす)」
「どこだ(ローブを深く被った影からどこか虚ろな目をフランソワに向ける)」
「な、何が、ですか(少し怯えながらも目を合わせて問いかける)」
「……はあ(溜息を零しながら振り向き状況を眺めている)」
「奴の手記は、どこだと聞いている(フランソワの腕をぎりぎりと強く締め付ける)」

「(即座に立ち上がると素早く男の後ろに回り込み)……坊や、女性に対して随分と乱暴ですね(首筋に人差し指を突きつけ)」
「!?(突然背後に現れたキクに驚いた様子)」
「キクちゃんっ(ほっとした様子でキクを見つめる)」
「さて、私に殺されたくないのでしたらその汚い手を離しなさい。……離さないのでしたら、(すっと刀の柄を撫で)貴様の首はここにない」
「……チッ(忌々しげにキクを睨みながらもフランソワの腕を離し)…とある手記を探している。この街に保管されていると聞いた。どこにある」
「(掴まれていた腕を撫でながら)とある、だけではこちらも答えようがないです。どういった手記でしょう?」
「…神を作る方法」
「え(小さな驚きの声を漏らす)」
「……(興味なさげにテーブルに戻って朝食を食べ始める)」
「神を作る方法が書いた手記だ」
「ご、ごめんなさい。私は長年この街に居ますけれどそのようなものは見た事も聞いたこともありません」
「…ふん、本当に知らないならば仕方ない。それならもう一つの探し物について伺いたい。……薔薇の装飾のピアスをつけた男を知らないか?」
「……(耳だけ欹てていつでも動けるよう体勢を整えている)」
「……その男の方が、何か(確かめるように尋ね返す)」
「少し用があってね。…甘やかされて育ったあまりに少々おいたをしたようでな。それを叱らなくてはいけない(くつくつと笑う)」
「……レディ、ご馳走様でした。お代は此方に(わざと大きな声で)」
「え、あ、はいっ(キクの方へ意識を向ける)」
「(豪快に扉のベルの音を鳴らしながら扉を開けて)あーだりぃ……フラン、めしー」
「さて、私は帰りますが。……そこの坊や、私はその男を知っていますよ(気怠い表情で)」
「……本当か(キクを見つめる)」

「ん?お取り込み中か。……(ローブの人物を訝しげに見つめる)」
「ああ、ギルベルト。ちょっと待っててくれる?」

「ええ。私もその男に色々と恨みを覚えておりますので、貴方が処分してくださるのならばありがたい(恐ろしいほどに綺麗な微笑みを浮かべ)」
「ほう。なら、案内してくれないか?その男の元へ」
「勿論(恭し気にお辞儀をして)」
「キクちゃんっ(不安げに声をかける)」
「……レディ、これから起こることは他言無用でお願いしますね(しぃっと唇に人差し指を当てて)」
「……分かったわ。私は、キクちゃんを信じてるから(真っ直ぐにキクを見つめる)」
「お待たせしました。では坊や、此方です(綺麗な微笑みは絶やさずギルドの裏手へと案内する)」
「では、お言葉に甘えて(キクの後へ続く)」

「…なあ、そいつら何か知らねえけど(フランソワに声をかける)」
「?(ギルベルトの方へ振り向き)」
「なんでここ、こんなに血なまぐさい奴等に囲まれてんだ?(目を細めて店内を見上げる)」
「え……!?(店内にいつの間にか現れた複数のローブの人物に目を見開く)」

*

「あの男は狡猾、このように人気のない場所を好んでいる。……丁度、私がこの場所を好むようにねっ!(振り向きざまに刀の鞘を払って素早く斬りつける)」
「!?(腕で刀身を受け止める)貴様っ、図ったな!?」
「おや、私の一撃を受け止めるとは。……でも、もう遅い(目を細めると同時に角が肥大化していく)」
「貴様っ、ナイトメアか!!(ばさりと頭にかぶっていたローブを外しながら、袖に隠していたデリンジャーをキクに向ける)」
「ご明察。さあ、終わらぬ悪夢を一緒に見ましょう……?(怯む様子もなく勢いを殺さず屈むと足払いを掛け、首筋に刃を当てる)」
「っぐ!?(受身をとりながら咄嗟に横へと転がり、デリンジャーのトリガーをキクに向けて引こうとする)」
「遅い。欠伸が出そうだ(まるで蛮族のような姿にまで堕ち、相手のデリンジャーを持つ手首を突き刺す)」
「ぎぎゃあああああっ!?(手首を突き刺された激痛に断末魔を挙げる)」

*

「ふああ……1人でやるにはこの人数。めんどくせえな(気だるげに)」

「……なんだ、これは(ギルドに入ろうとした数十メートル手前で異変に気付き首を傾げる)」

「……ルッツ、か?(店外からの気配を感じ)」
「……悩んでいても仕方がない、行くか(はあっと溜息を零して武器を構えギルドへと飛び込む)」
「…まあ、1人で楽しむにしちゃあ、ちいとばかし飽きる人数だ。…ケセセセ!!楽しもうぜお前ら!(ローブの人物達の元へ飛び込み、重たい回し蹴りを御見舞する)」
「(がんっと勢いよく扉を開け)フランソワっ、このギルドの状況を説明しろ!」
「ルート!(カウンターの下で縮こまりながら)あ、あのローブの人達が突然店に現れて、そしたらギルベルトが…(ギルベルトを指さし)」
「ギルベルト?兄さん!?(指さした方向を見ると驚愕し、加勢するように走り出す)」
「てめえら殺気ぷんぷん立たせやがって!……死にてえ奴は表に出な!!(爪で引き裂きながら)」

「ようルッツ!てめえもこの朝っぱらからおっぱじまったパーティーにしゃれこめよ!!はは!!(血濡れになりながら楽しそうに)」
「危険に巻き込まれ過ぎだ!……っ、加勢する!(ハルバードを構え直してギルベルトの死角をカバーするように立ち回る)」
「ああもうっ!一体なんなのこれはっ(お鍋で頭を守りながら)」
「フランソワっ、もっと安全なところへ避難しろ!(敵を一閃しながら叫び声をあげる)」
「安全なところって、きゃ!(ギルベルトの倒したローブの人物が目の前に倒れる)ど、どこにあるのよっ(尻餅をついて後ずさりしながら)」
「分からん!取り敢えず血を見ないところまで後退しろっ、お前は一般人だろう!(ギルベルトから離れフランソワを守るように獲物を振り回す)」
「わ、分かったわ。いざとなったらえっと…(横にあったおたまとお鍋を手に取り)こ、これで応戦するわ!」
「おらおらあ!!そんなもんかよっつまんねえなあ!!(複数を相手にまるで子供を相手にする大人のように余裕のある動きで倒していく)」
「ああ、それで……っ!?兄さんっ、横だ!(ギルベルトに襲い掛かった影を見つけてギルベルトをタックルで突き飛ばす)」
「うおっ!?(不意打ちにタックルを食らうがなんとか受身をとり)おお、悪い悪い。どうも日が上ってるとボーッとしちまうなっ(ぺろりと薄い下唇を舐める)」
「大勢相手で余裕ぶってるからそうなるんだ!兄さん、頼む、絶対に死なないでくれ(それだけ呟くとダッシュで敵を薙ぎ払っていく)」
「わあってるって!(にししっと笑いながら)お前を置いて俺様がこんな雑魚相手に負けるわけ、ねえだろっ(相手に渾身のアッパーを放つ)」
「そらっ!(勢いよくハルバードを振りかぶると額の汗を拭い)……こっちはこれで最後だ!そっちはどうだ兄さん!」
「ふああ……(あくびをしながらおそらく最後の一体だった相手の上にどっかりと座り)おー、楽しかったか?ルッツ」
「仕事上がりの労働は勘弁してほしいところだ(肩を竦め)」

*

「……あの男を殺すも殺さないも、私はどうでもいい。でも、魂を奪うことは、(歪んだ微笑みを浮かべ)……許さない」
「ぐぉおおお、おおっ……ふふっ(苦渋な声を出していたかと思えば突然笑い出す)」
「何がおかしい。遂に頭も壊れましたか?(刀を薙げるように構えて)」
「ああ、御主人様……お聞きになりましたか?…奴は、やはりこのタリアーへの街に、い……(ゼンマイが止まったかのように言葉は止まり、目を見開いたまま、そのまま動かない)」
「……っ、そうか、貴様は捨て駒か……(忌々し気に事切れた躯に刀を突き立てると)……っ、あ……!久し振りに異貌を、使いすぎた……(崩れ落ちるように蹲ると自身の体を抱きしめ元に戻ろうと息を吐く)」
「……おい(キクの後ろ姿に声をかける)」
「っ、だ、れだ……!?(真っ青な顔で振り返ると目を見開き)……見るな……見ないで、ください……!」
「見るなって、もう見ちまったもんを忘れられるほど俺は低脳じゃねえんだよ、チビ。……(狼狽えるようなキクの姿に珍しそうに見つめるが、何を思ったのか上着をキクの頭から被せる)」
「……っ、(驚いたように肩を震わせ)なんの、真似ですか……そんなやさしさ、必要な……っ、ぅあ……っ!(久し振りの能力解放で制御が出来ていない)」
「優しさ?ハッ、勘違いすんな。そんなお前の気持ち悪い姿、俺以外見たら卒倒するからな。見ちまった奴がぶっ倒れてたら邪魔にも程がある。俺は面倒毎が嫌いなんだよ(しゃがみながらかぶせた上着を少し捲って、苦しそうに唸るキクの顔を見据えてにやりと笑う)」
「貴様……っ、莫迦にするのも大概に……っ、あ……(暴走が収まったようにうっすらと元の姿を取り戻し)……っ、くそ……(力が入らずいつもの暴言すら吐けない様子)」
「……じっとしてろ(喉元の魔法陣が淡く光り)水面と戯れ、泡と踊る盟友よ。ひと時の癒し、此処へ(妖精がキクに纏わり付き、優しい光を放つ)」
「……今度こそ、なんの真似ですか……憎む相手が転がっているなら、捨て置けばいい……(幾分か楽になった呼吸を整えながら睨むように見上げ)」
「…俺に優しくされるとお前は面白いくらいに狼狽えるからな。……なあ、普段餓鬼だと嘲笑う奴に助けられる気持ちはどうだ?(クスクスと楽しげに笑い)」
「ッ、……最悪の気分です(忌々し気に呟いて)……本当に、泣きたいほどに(ぐしゃりと前髪を潰し)」
「そうかよ。(立ち上がり、マリアリリィの方を見つめ)…で、あっちでは何があったのやら(ふん、と鼻を鳴らし)」
「(潰してしまった前髪を軽く直し)……さあ。暴漢が襲ってきたのでしょうね、朝から元気なことで……」
「脳が足りてない奴はこれだから困る。……ふあ(あくびをして)…くそ、まだあの糞神官の魔法が」
「貧弱も困りものですがね(嫌味たっぷりに)……神官殿の魔法、ですか。貧弱にはお似合いだ」
「俺だって好きで受けてるわけじゃねえんだよ。くそ、勝手に睡眠魔法かけやがってて……(不機嫌を隠さず)」
「……(何とも言えない表情)」

*

「……フランソワ、お前も無事か?」
「ええ。なんとか(キョロキョロとあたりを見回しながら立ち上がり)…二人共、大丈夫?」
「俺様は何ともねえぜ!」
「俺も問題ない。……強いて言うならば、非常食が少し潰れた程度だ」
「そう。それなら良かった(にっこり)……じゃあ、後片付けも出来そうね」
「へ?(ぽかん)」
「片付け?」
「はーい、これは一体どういうことでしょうか(にっこりと笑みはそのままに、2人とローブの人物が暴れた酷い店内の有様を指さして)」
「……せ、戦闘の痕跡、だな……(困ったように)」
「〜♪(口笛を吹きながら視線をそらす)」
「二人共、お片付け、手伝ってくれるよね?(にっこり)」
「……(目元を掌で覆い)ああ、自分の後始末は自分でしよう……」
「俺様、種族的に昼間とかチカラ出なくてだるいんだけど……」
「ありがとうルート。そしてギルベルト、後片付け、ね?(にっこり)」
「諦めろ、兄さん。今後飯が食えなくなるぞ(肩をポンポンと叩き)」
「うう、俺様不幸すぎるぜー(観念した様子)」
「はい二人共!いそいでお掃除!!ランチの時間までに掃除終わらせるんだからっ(箒を2人に渡して)」
「ああ、こうなったのは俺たちの責任だからな。任せてくれ(箒を受け取りてきぱきと掃除を始める)」
「畜生!俺様掃除の腕も天才すぎるぜえええ!!(箒を受け取った後泣きながらも同じくテキパキと掃除する)」
「兄さん、ごみはそっちに纏めよう。順路はそっちだ、この方が効率がいい(気持ち生き生きとした様子で)」
「ふふ、よろしいっ。今日はローデリヒが定期のピアノ演奏をうちでやってくれるからステージも特に綺麗にしてね(ガラスの破片を拾いながら)」
「ほう、ローデリヒが来るのか。それは楽しみだ(ステージ周辺の汚れを水拭きで片付けながら)」
「ああ、あの貴族のお坊ちゃんか。俺様いけすかねえけどな(ゴミをまとめてちりとりに入れる)」
「音楽の腕は間違いないからな、俺は嫌いじゃないぞ(雑巾を掛けながら)」
「私も。とても優雅で繊細なローデリヒのピアノは聴いてて癒されるけどなあ(はたきでパタパタとはたきながら)」
「でもなんかやだ(きっぱり)」
「兄さんは好き嫌いがはっきりし過ぎているんだな(笑いながら雑巾を水でゆすいでいる)」
「白黒はっきりしてる方があれこれ悩むよりもよっぽどいいだろー?(得意げに笑いながら窓拭き)」
「ああ、兄さんらしくていいと思う(血がこびりついた床を綺麗にしながら)」
「それにしても二人共、掃除上手ね。心なしかさっきよりも綺麗になってる気がするわ(ほう、とうっとりとした顔をして綺麗になった店内を見つめる)」
「まあ俺様とルッツがやったからな!!当たり前ってもんだぜ!!(どやああ)」
「掃除は嫌いではないからな、俺も兄さんも(嬉しそう)」
「ふふ、じゃあ頑張った2人には腕によりをかけて朝ご飯作ってあげるね。…もう昼前だけど」
「めし!!(キラキラと目を輝かせて)」
「ああ、助かる。昨日の夜から何も食べていないんだ(お腹をさすり)」
「じゃあ二人共、好きなところに座って。何が食べたい?(前掛けエプロンをつけながら)」
「芋!(挙手)」
「腹に溜まるものを(椅子に座りながら)」
「はいはい、じゃあお芋を使ったご飯でも作ろっかな(腕捲りをして)」

*

「……?あ、れ……?(胸元をごそごそと漁り)」
「…何やってんだ(呆れたようにキクを見つめ)」
「うるさい。……ない、どこに……(今までで一番狼狽えた表情で周辺を見回し)」
「?(今まで見た事のないキクの姿を不思議そうに見つめるが、何かがきらりと足元に落ちているのに気付き)……これ(拾い上げて見つめる)」
「……どこ、どこに……っ、!?(アーサーが首飾りを拾い上げたことに気付き蒼褪めた表情に変わる)」
「これ、お前のだろ。前に落としてたな、どんくせえ奴だ……っつ!?(ずきんと頭痛が突然遅い、額を押さえる)」
「返しなさ……っ……?(額を押さえた様子に奪い返そうとした手が止まる)」
「……んだ、これは…また、この感覚……(脳内に怒涛の洪水のように情報が流れてくる感覚に襲われ)…きもち、わ……」
「っ!(引っ手繰るように首飾りを奪い取ろうとアーサーの手を掴む)」
「にいさ…かあ…ん、とう……どうし……っつ(手を掴まれ)……き、く?(焦点の定まらない目でキクを見つめ)」
「……アーサー、さん?……!?(名を呟いた瞬間はっとした表情でアーサーを見つめる)」
「……っ(正気に戻ったのか目を見開き)なっ……!!(キクと距離をとる)」
「……返してください、首飾り(自分の手を見つめて)」
「……おらよ(首飾りを投げてキクに返す)」
「(ぱしりと首飾りを受け取り慈しむように眺めると)……ハイマンは大変ですねえ、そうやって年中記憶に苛まれて」
「長年生きて呆けるよりもマシってもんだろ。…そんだけ無駄口叩けるならもう問題なさそうだな(ぼそりと呟く)」
「どちら様が呆けているのでしょうかね。……心配を掛けましたね、“アーサーさん”(小声で)」
「……何か言ったか(ちらりとキクを見つめ)」
「いいえ。“貴方”には何も言っておりませんよ(含みを持たせた言い方で)」
「そうかよ(興味が無い様子でマリアリリィの方へ向いて足を進める)」
「ええ、貴方には何も言っていない。……アーサーさん、私は、どうすればいいんでしょうね(小声で空に向かって)」
「…ん?(歩みを進めたところでキクと対峙していたローブの人物のローブの切れ端が落ちているのを見つけ)……」
「……(興味なさげに一瞥し)……そんな襤褸切れがお好きなのですか、変わっていますね」
「(切れ端に何か気付いたがすぐに手を離し)そんな悪趣味な布を肩にかけてる奴に言われる筋合いはねえな」
「男のくせに女のような格好している貴方にだけは言われたくありませんね(溜息混じりに)」
「これだから懐古な奴らの老眼は困る。要は着こなす人間が良ければ服も応えるんだよ(ふっと優雅さをこめて生意気に笑う)」
「はあ、何処をどう見れば着こなす人間が良いのかとお聞きしたいほどですよ。悪趣味もここまで極めれば芸術、とでも言えばよいですかねえ(見下すように鼻で笑いながら)」
「芸術も分からねえ奴に何が分かるのだか。少しは俺のセンスを爪の垢程度には教えてやってもいいが……ああ、お前にはそれすらも勿体ねえな(意地の悪い笑みを浮かべ)」
「お生憎様、貴方の芸術とやらを理解するほど私は暇でないのです。……馬鹿馬鹿しい(肩を竦めてすたすたとギルドの方へと歩いていく)」
「…チビの分際が(同じ方向のため仕方なく後を追うように続くが悪態をつきながら)」
「……はあ(盛大に溜息を吐き、考え事をしながら歩き続ける)」

*

「さて、アーサーもそろそろ帰ってくるし。(柱時計を見つめながら)…双子の賞金稼ぎさんもお腹すかせて帰ってきそうだね」
「む、あの双子は揃って出ていたのか。てっきり片方だけだと思っていたが」
「今回はソーサラーとシューター必須のクエストだったからアルフレッドが張り切ってクエスト受けたのよね。…きっとぼろぼろになりながらも賑やかに帰ってきそうね(ため息をつきながら苦笑いを浮かべる)」
「ああ、シューターの……その姿が目に浮かぶな。……今度俺も誘ってみるか」
「ふー、とりあえず2人にはルカちゃんの所に行ってもらって治療してもらわないといけない気がするわ。大した怪我はしてないと思うけど、特にアルフレッドとかは怪我とかそのまま放置してそうだし」
「おーい、めしー」
「はいはい」
「はは、そうだな……ん?(扉の外が騒がしい気がして振り向く)」

「(扉を開き)……レディ、ただいま戻りました」
「…何だ、やけに店が光ってんな(輝きを取りもどした綺麗な店内を見渡しながら)」

「!!キクちゃん……!!(カウンターから飛び出し、キクの元へ向かい)大丈夫?怪我、してない?」
「ええ、大丈夫ですよ。私を誰だと思っているんですか?……少し、やり過ぎましたけれどね(ゆるりと微笑みを浮かべ)」
「そうだけど…(キクの両手を掴み)心配なのは心配なんだから。キクちゃんが強いの、私知ってるけど心配するしないは別の話なんだからねっ」
「……(真剣な表情に少し気圧され)そうですね。……ただ、見られてはいけないものを見られて、少し疲れてしまっただけですよ(少し砕けた笑みを浮かべる)」
「…(じーっと見つめた後)疲れた時には甘いものが一番だよキクちゃん。ほら、フランソワ特製の白玉ゼンザイでも作ってあげるから元気だして?(両手をぎゅっぎゅっと握って安心させるように微笑む)」
「本当にレディには敵いませんね。ではレディの作ってくださった甘味で、癒しを得るとしましょうか(静かに呟く)」

「お前たちが一緒とは珍しいな(カウンターから声を掛ける)」
「(舌打ちにしながら)…誰が好き好んでこいつとつるまなきゃなんねえんだ」
「?……ああ、そうか済まない。相性が悪いことは悪ではない。……お前も飯か?」
「ああ。(どかっとカウンター席に座り)…どっかの糞神官に捕まって何だかんだしてたら食いっぱぐれだ。実に清々しい朝なことだ(不快感を顕にした物言いで)」
「その表情で清々しいと言われても説得力がないぞ。……神官様も気にかけてくれているんだ、悪いことじゃない」
「俺は気にかけろなんて頼んだ覚えはねえな。……ところで、このフード野郎は何してんだ(自分の匂いをかぐギルベルトを指さしながら)」
「……んー(くんくんと鼻を動かして)」
「兄さん、何してるんだ……」
「いやな、こいつの匂い。前から思ってたんだがどっかで嗅いだことあんだよなあ。んー(考え込みながらも嗅いでいる)」
「やめろ気持ち悪い(ギルベルトの顔面を殴る)」
「ぐふっ」
「!?(驚きで声が出ない)」

「あら、どうしたの3人とも(3人の方へ振り向き)」
「……また餓鬼が絡んでるんですか、懲りないですね(溜息)」
「ってて……(顔面押さえながら)っと、その声!キクだな!!(キクを指さし)おいキク!今度こそ俺様と勝負しろ!!飯食ってから!!」
「はじまったわね。ギルベルトのキクちゃん戦え病」
「断ります。私に得るものがない(きっぱりと)」
「俺様にはあるぜ!強い奴と戦える!!これほど楽しいもんはねえな!!」
「それは貴方の勝手でしょう。……私が強いことは認めますが(意地の悪い笑みを湛え)」

「とんだ戦闘狂だな(さして興味はなさそうに見ている)」
「断られるのは目に見えているのだからいい加減諦めればいいのだが(溜息を吐きながら)」

「いーや!俺様もその勝手ってのでお前と戦う!!今……はだるいから、やっぱ夜!夜!戦おうぜ!!」
「戦うなら店の外でやってね(兄弟の食事をカウンターに置きながら)」
「だからお断りします。夜は貴方のテリトリー、私は夜が嫌いなんです(つかつかと奥まった席に歩いていき腰掛けると分厚い本を読み始める)」
「おいい!!本読む暇あるなら俺様に構え!!構えって!!(キクについていき、しつこくつきまとう)」
「しつこい(目を上げ、ギルベルトの額に激しくデコピンをぶつけるとまたも本に視線を戻す)」

「うーん。実は騒ぎの中心は静けさを好むキクちゃんなんだって言ったら……キクちゃん怒るかしら(くすくすと微笑ましげに見つめながら)」

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