ソードワールドしようぜ!

【ロングチャット】

イギリス→アーサー(ひかるさん)
日本→キク(おぼろ)

*

第1章4話後

* * *
タリアーヘ『豊穣祭』
年に一度行われる文字通り豊穣を喜ぶこのイベントは街総出で行われる。
老若男女、街の住人や冒険者も羽目を外し浮かれるこの1日をかけて開催される祭りに浮かれる人間は勿論ここ、マリアリリィでも多く見受けられた
* * *

【冒険者ギルド『マリアリリィ』】

「あらキクちゃん、アーサーも。2人でお祭りに参加するの?」
「ええ、彼をご案内しようと思いまして」
「フランソワも参加するのか?」
「私はギルドの仕事が終わったら参加しようと思って。…とは言っても、今日はみんなお祭りの方に参加しているから客入りは少ないんだけどね」
「そうですか、お疲れ様ですレディ。……お祭りで会いましたら、よしなに(目を細めて少しばかり楽しみな様子)」
「ふふ。2人はデートでも楽しんできてね(くすくすと上品に笑いながら)」
「ええ、楽しんできますよ。ねえ、アーサーさん?(上機嫌にアーサーを振り返り)」
「ああ。お祭り最大の目玉であるオブジェも早く見てみたいしな。行ってくるよ(にっこりと微笑み)」
「いってらっしゃい(2人に手を振り)」

「……とは言いましたが、アーサーさん。行きたいところはありますか?(ギルドを出て少しのところで首を傾げ)」
「…んー、(タリアーヘの歴史書のような本を取り出し)豊穣祭は広場から教会に向かう道にかけて催し物屋台と食べ物屋台が出てるんだな。…催し物屋台か」
「(その様子に苦笑し)余り固く考えなくても大丈夫ですけれど……催し物屋台、食べ物や小物が売っていますね。そこへ行ってみましょうか?」
「?こういう祭りには行く準備やらしきたりはないんだな(ぱちぱちと瞬きして)…そうだな、興味があるのはそこだし行ってみるか」
「こういうお祭りは楽しんだもの勝ち、ですよ。……さあ、私の神様。行きましょう?(恭しく手を差し出し)」
「ああ、楽しんでやろうじゃないか(当然のように手を重ねる)」

*

【タリアーヘ中央広場】

「?あそこの屋台から誰か叫んでいるような…」
「え?」

「ああああああやめてくれええええええ!!」
「ちょっ、アル!これ以上やったらお店が……」
「だってあとみっつなんだぞ!!!あれも絶対取らないと!!!」
「……私は何も見ていない(視線を逸らし)」
「(屋台の看板を見つめて)射的…ああ、なるほど」
「だからアル……あれ、ふたりとも!(アーサーとキクの姿を見つけると慌てて駆け寄ってくる)」
「マシュー?どうした(慌てた様子のマシューに首を傾げる)」
「あれ止めてください!!お店が泣いてるんですよ!!(アルフレッドを指差し)」
「……自分の兄弟でしょう、自分でどうにかしなさい(明らかに嫌そうな表情)」

「ああああああああああああ!!(現在進行形に繰り広げられる惨劇に耐えられず膝から崩れ落ち)」
「っと、あとふたつ!(誇らしげに景品を撃ち抜きながら)」
「アルフレッド、そこまでにしてやれ。マギシューのお前が参加されちゃ店主もたまったものじゃないだろ(アルフレッドに近寄り苦笑い)」
「だって動かない的なんて…………んん???(反射的に振り向くとアーサーの顔を見てきょとんとした顔になる)」
「?(アルフレッドの様子に首は傾げるが見つめたまま)」
「……君、アーサーかい?それにしたら随分と雰囲気が違うけど……」
「ああ、そういえば戻ってきてからは会っていませんでしたか(合点の言った様子で)」
「…なんと言えばいいのやら(困ったように頬をかいて)」
「???」
「……取り敢えず、こっちへ来なさい。あと店主へ謝罪(きっぱり)」
「えー……うー、キクが言うなら……(渋々と射的の銃を置くとマシューと一緒に店から離れる)」
「店主。注意書きに景品の獲得は最大幾らまでと書いた方がいいと思うぞ」
「……ソウシマス(縮こまりながら)」

「……(少し離れたところでアーサーの様子を楽しそうに眺めている)」
「僕は大雑把に知ってるけど……そういえばアルには教えてなかったかも、アーサーさんのこと(店主の様子に苦笑しながら)」

「それか冒険者は他の的を使うとか……距離を遠くするとか(店主にアドバイスをおくっている)」
「…な、なるほど。的が動くとか、そんな感じですか?(メモを取りながら)」
「うん、いいかもしれない。…祭りは誰でも楽しくなくちゃいけないんだもんな。それは客であれ店主の貴方でもあれ、だ(優しく微笑み)」
「トゥンク…(アーサーの対応にときめきを覚えた模様)」
「……今日は祭り今日は祭り今日は祭り(呪文のように呟いて平静を保ちながら)」
「キクさん……気持ちは分からないでもないけど落ち着いて……」

「……ヘイ、アーサー!君、頭でも打ったのかい?(すぐにUターンしてアーサーへと問い掛ける)」
「頭?(くるりとアルフレッドの方を振り返り)」
「だって君、そんな風に誰かを思いやる様子なんてなかったじゃないか!それに、なんで君たち一緒にいるんだい?(好奇心と猜疑心に揺れる表情を向け)」
「…ふっ(思わず噴き出し)随分な言われようだな、あいつは(くすくすと小さく笑って)」
「はあ?どういう意味だいそれ。それと、だからなんで君がキクと一緒に祭りにいるんだい?(ずいっと前に出ながら)」
「ああ、すまない。話せば色々長くなる。だがこれだけは言っておくよ。キクと一緒に居るのはそうしたいから。それだけだ(キクの方を振り向き微笑みかける)」
「……!!(向けられた笑顔に花が綻ぶような笑みを返す)」
「……俺にはいまいちわかんないんだけど、キクがああなってるのも君の影響?(首を傾げ)」
「?そうなのか?マシュー」
「え、それ僕に聞きます?……まあ、否定しませんけど(肩を竦め)」
「俺には変わっていないように思うが…(ふーむと小さく唸りながら)」
「ゴホン……アーサーさん、どうなさいますか。ここで何か遊びますか?(耳を赤くしながら話に割り込む)」
「あ、うん。射的……は、店主がかわいそうだからやめてあげよう(苦笑い)」
「ホッ」
「あ!そういえばずっと射的やってたからお腹すいたんだぞ!」
「ほんと何十分粘るんだよ君は……うん、僕もお腹空いたから何か食べよ……」
「…そういえば(くんくんと鼻を鳴らし)先程からいい匂いがすると思ったら、そこの近くの屋台からか」
「ふむ、……ではアーサーさん、美味しいものがないか屋台を冷やかしながら少し歩きましょうか(くすくすと笑いながら)」
「そうだな。腹ごしらえしてから催し物の屋台に行くのも良いな」
「ああ、じゃあ僕たちはこの辺で。……ふたりとも、デート楽しんでね!(ウインクをしてアルフレッドを引っ張っていく)」
「ちょっ、マシュー!痛い!自分で歩けるんだぞ!!(ずるずると引っ張られ)」
「…ああ、マシューもアルフレッドも楽しんで来るといい(手を振りながら)」

*

「そうですね……お勧め、と言いますか。片手で食べながら歩けるものなどがいいかと……(歩きながらきょろりと視線を彷徨わせ)」
「いらっしゃいいらっしゃーい!美味しい焼きそば焼けてるあるよー!!」
「そうそう、焼きそばなど……はい?(声の方を振り向き)」
「……あれ(声の方を向く)」
「いらっしゃー…おお!キクとアーサーあるか!(鉄板で焼きそばを焼きながら)」
「……店主、貴方何処でも沸きますね(額に手を当てながら)」
「店長、油断してると自慢の髪が焼きそばと一緒に焼ける的な」
「流石に髪の毛入りは衛生的によろしくないネ」
「やきそば……知らない料理だな(じーっと鉄板を見つめ)」
「店主、焼きそばひとつ(即座に財布を取り出し)」
「おお!買ってくれるあるかー!今日は我も大盤振る舞いするある!1つ20Gにしといてやるある!」
「ついでにエールもどうですカー、キンキンだヨー!(隣でさり気無く)」
「申し訳ないがエールは遠慮させてもらう(困ったように笑って)」
「じゃあキクさんは?飲みますカ?」
「……一杯だけ(酒の魔力に抗えなかった様子)」
「紅生姜大盛りかける系?メガ盛りにかけちゃう系?」
「アーサーさん、苦手なものはありますか?(財布から金を取り出しながら)」
「いや、特に好き嫌いはないが……はじめて食べるものは抵抗はあるかな(青のりをかけられる焼きそばを見つめながら)」
「生まれてこの方焼きそばを食べてねえのが驚きある……お前今まで何してたあるアーサー(まじまじと見つめ)」
「では私が一口食べます、そうすれば安全だと分かりますからね(ふわりと微笑み)」
「安全を疑われる店長の料理(ぷーくすくす)」
「料理だけは美味しいのにネ(によによ)」
「……焼きそばってそんなに有名なのか」
「そうですね、祭りの定番……とでも言いましょうか(ロンにお金を支払いながら)」
「アーサー、食べるならこれ使うよろし(割り箸を差し出し)」
「お箸……祭りでもナイフとフォークってその…使わないのか(徐々に小声になりながら)」
「いや普通は使わない的な」
「基本的に手づかみかお箸だネ」
「何も知らねえあるなアーサーは」
「アーサーさん、お箸は使えますか?(上目遣いで不安そうに)」
「…礼儀作法は受けているから箸の使い方は問題ない。(ヤオ達の言葉にむくれながらも割り箸を割り)」
「ふふ……(その様子におかしそうに小さな笑い声をあげる)」
「いただきます(箸でそばを丁寧に掴み、どこか気品のある啜り方で)……ん、美味しい」
「そりゃあ老師が作ってるからネ!」
「我は生まれてこの方焼きそばをそんな上品に食う奴は初めて見たある」
「……それにしても(きらりと目を光らせ)」
「?何か変だったのか(上品に啜りながら)」
「アーサーさん、私はその血を!ちゅーっと吸いたいデス!!(輝かしい視線)」
「……あーあ(メイを呆れた様子で見つめて)」
「え、えーと…(メイの勢いに圧倒されている)」
「……さて、私は今目の前の女を斬らないといけない気がするのですが。店主、どう思いますか?(にこやかな様子で刀に手を掛け)」
「祭りで流血沙汰はやめるよろし!来年から出店出来なくなるある!!(キクの刀を握る手を掴み制止し)……メイ、いい加減にするよろし!」
「……はっ!!(我に返り)ご、ごめんネ老師……つい本能が(てへっと茶目っぽく誤魔化し)」
「……次はないと思いなさい(刀から手を離すついでにヤオの手を振り払い)」
「あー……えっと、キクさんのものだったのカナ?エールは私の奢りにするから許してネ?(慌ててエールを注ぎながら)」
「(エールを受け取るとくいっと半分ほど飲み干し)……逆です、私が、アーサーさんのものなのです」
「……?(もぐもぐと食べながら三人を見つめている)」
「当の渦中の本人は焼きそばに夢中なんですけどー。……あ、そうだ。こんなのもあるんだけどです的な(たこ焼きの看板を指差し)」
「そうそう!たこ焼きも美味しいヨー!!(ロンに同調するように)」
「(キクにおすそ分けしようと焼きそばをあーんさせながら)たこ、やき?」
「(なんの躊躇もなくアーサーに焼きそばを食べさせてもらい)……海産物のタコをぶつ切りにして、それを包んだ焼き物」
「たこ焼きとは銘打ってるけど中身は食べてからのお楽しみ。タコ以外にも色々入ってるあるよ!(ドヤ顔)」
「……じゃないんですか(焼きそばを飲み込みながら)」
「たこ以外には何が入ってるんだ?」
「チョコレートにウインナー、あと海老的な」
「案外普通のラインナップですね」
「流石にロシアンルーレットは苦情が来ちゃうからネ」
「あと激辛のハバネロやらやばそうなのはたまに入れたような気もしなくない的な」
「えっ!?」
「我は聞いてねえある……」
「……店主、ここの従業員は自由過ぎやしませんか(呆れた様子)」
「時にスリルは大事ですしおすし」
「なるほど。一理あるな(ロンの言葉に頷き)」
「……ひとついかがですカ?(困ったように笑いながら)」
「2人では食べきれないし良かったら3人も一緒にどうだ?(ふふっと悪戯っ子のように微笑み)」
「!?」
「ああ……(くすりと笑い)そうですね、それならばひとつ購入しましょう」
「!?」
「俺、持病の腹痛が発症してるから…」
「わ、私も持病の頭痛が酷いカラ……」
「わ、我もなんか持病が出てきたある…」
「はい(3人の前にたこ焼きの入ったパックを差し出し)」
「拒否権があると、お思いで?(嬉しそうな笑みを浮かべ)」
「せ、老師……(縋るように)」
「ううっ、要はたこやウィンナーの美味しい具が入ってるのを選べば無問題。そう、問題ねえある!(やけくそ気味に爪楊枝で適当にたこ焼きを刺す)」
「さあ、何が当たりますかねえ(意地悪い笑み)」
「せっかくだし、みんなで一斉に食べようか」
「え」
「……こいつ、割と性格悪い的な(アーサーを見つめて)」
「さて、と。……アーサーさんのご希望でしたら(表情を変えることなく適当にたこ焼きを選ぶ)」
「…はあ。もうやるしかない空気的な(爪楊枝をぶすりとたこ焼き刺す)」
「うううーロンが余計な事するからだヨ!(渋々とたこ焼きを突き刺しながら)」
「それじゃあ行くぞ。…いただきます(自身もたこ焼きを選び齧り付く)」
「いただきます(軽く息を吹きかけてから一口で口に含む)」

中身は……?
1たこ、2ウィンナー、3チョコレート
4エビ、5激辛の唐辛子、6謎の感触のする素材
アーサー:1D6 = [5] = 5
キク:1D6 = [3] = 3
ヤオ:1D6 = [4] = 4
ロン:1D6 = [2] = 2
メイ:1D6 = [4] = 4

「っ、甘……なんですかこれ、チョコレート……?(眉間に皺を寄せ)」
「ウィンナー…リアクション的にはつまらない的な(とは言いながらも安堵の表情)」
「あ、海老(美味しそうにもぐもぐと口を動かし)」
「我も海老ある!んん、流石我!美味あるな!」
「……アーサーさん?(反応がないアーサーを心配して表情を覗き込む)」
「…んー(もぐもぐとよく噛みはじめると次第に口に広がる強烈な辛味に眉根を寄せ)〜〜〜っ!?」
「あ、これは当たりあるな」
「はい、お水あるヨ(水をコップに入れてアーサーへと渡す)」
「あ、ありがとう(コップを受け取りちびちびと下を癒すように飲みながらも目は涙目)」
「2、3個しか唐辛子入り作ってないのにこの引きの良さ…恐るべしアーサー、的な」
「これ、他のお客さんがひいたら危険だからあとで処分しないとネ……」

「(アーサーの背を摩り口の中を少し舐め)……辛いものは甘いもので中和出来ませんでしたっけ」
「ん?ああ、そう聞いたことがあるあるな」
「ふむ(ヤオの同意に小さく頷き)……アーサーさん、こっち向いてくださいな」
「?(言われるままにキクの方を向いて)」
「(口の中に残るチョコレートを舌先に乗せ)……はい、あーん(と言いながらアーサーの唇を自分の唇で塞ぐ)」
「っ!?…んん(突然の口づけに目を見開くも舌先の甘さに自身の舌の辛味が緩和されてく様に身をまかせるように甘い吐息を漏らす)」
「…アンビリーバボー(二人の様子をぼーっと見つめながら)」
「ひゃー……生で見ちゃったヨ(ぱちぱちと拍手を送りながら)」
「……っは(口内にチョコレートを塗るように舌を這わせてから唇を離すと微笑み)これで少し、楽になりましたか?(アーサーの頭を撫でる)」
「…っう、(這われる感覚に身震いしながら)あ、ああ楽にはなったが…その、視線が(顔を少し赤らめながら三人に視線を送る)」
「な、ななな何やってるあるかお前らあああ!!」
「何って、貴方がたが私の可愛いアーサーさんへ狼藉を働いたので口の中を消毒していただけですよ?(当たり前のように)」
「元はこいつが食べようとけしかけてきたあるよ!我も危うく被害者になるところだったあるのに!!」
「おや、更に元をただすと店主、貴方のところの従業員がやらかしたのですよねえ?(意地悪く目を細め)」
「〜♪(明後日の方を向いて口笛を吹く)」
「ぐぬぬぬぬぬぬ」
「まあ頂いた分の支払いはしますよ、ほら。(ヤオの手に金額より高い金を握らせ)……迷惑料と、楽しませてもらった礼です。来年も楽しみにしてますよ(くすりと笑いながら)」
「色々済まなかった。焼きそばもたこ焼きもご馳走様(申し訳なさそうに笑い)」
「さ、アーサーさん。次へ行きましょうか(半分残ったエールを飲み干してゴミをゴミ箱へ投げながら)」
「(二人の表情を見て目を見開き)…はあ。金を払ってくれたらこっちは問題ねえある。毎度ありあるー!」
「バカップル爆☆誕的な?」
「お幸せにー!」

*

「さて、腹拵えもしたし次は…」
「……随分と奥が賑やかですね、何かやっているのでしょうか」
「ふむ。行ってみるかっ(わくわくが隠しきれない様子で)」

「おい、あのムキムキのお兄さん8人抜きだぞ!!」
「ん?(騒ぎの方へ振り向き)」
「……私、該当する人物を知ってる気がします(深い溜息)」
「すげえ…あの怪力のサムに腕相撲に勝てるとかなにもんだ…」
「ルートルート!がんばれー!!(ピョコピョコとその場を跳んで)」
「フンッ!!(勢いよく相手の腕を倒し)」
「うおお!?(あっけなく倒される)」
「すっげえ!ルート9人抜き〜!!」

「腕相撲大会か…はは、これはルートヴィッヒに勝てる人間はそうはいないだろうな」
「いたら是非とも会ってみたいものですね……はあ、私ももう少し筋肉をつけるべきか(自分の腕を見ながら)」

「余裕だな、しかしいい腕だ。……これから鍛えればもっといい筋肉になるだろう(相手へと激励を送りながら)」
「る、ルートヴィッヒさん…!(尊敬の眼差し)」
「来年も、この場で会おう(屈強な男の肩を叩き)」
「さあ挑戦者ルートヴィッヒ!なんと9人抜きだああ!強い、強すぎるぜルートヴィッヒ!前人未踏の10人抜きまであと1人だ!!」
「さあ、次は誰だ?(ごきりと肩を鳴らし)」
「では私が相手をしよう」

「…女性?(挑戦者席に腰掛ける女性に目を見開き)」
「女性……ですね(じいっと女性を見つめ)」

「頑張ってくださいねー!(威勢よく応援を飛ばし)」
「え、じょ、女性!?いかにも令嬢といったレディの挑戦!!これはルートヴィッヒ選手、やり辛い!!」
「む?女性……あー、手加減はする(視線を彷徨わせ)」
「ああ、手加減は無用だ。そうでないと面白くないだろう(肘をテーブルについてルートヴィッヒに手を差し出す)」
「……!!(はあっと大きな息を吐き手を握ると目を見開き)……ああ、そうだな。手加減をしたら俺の腕が持っていかれそうだ」
「え、えっと、(おろおろするがすぐにルートヴィッヒに向かって)ルート!がんばれえ!!」
「ああ、任せろ。これに優勝したら海鮮食べ放題、お前が欲しがってたやつだ(フェリシアーノへと笑いかけ)」
「ふふ、私を少しは楽しませてくれたまえ(眼鏡のレンズの向こう側の眼光は鋭く光り)」
「……恥じない戦いはしよう(きっと表情を引き締めて女性へと向き直る)」
「それじゃあ行くぞお!レディィィィファイッ!!」

勝負の行方は……
ルートヴィッヒ:2D+4 = [2,3]+4 = 9
傘を持った女性:2D+4 = [1,5]+4 = 10

「ッ、っこ、の……っ!!(脂汗を滲ませて必死で食い下がる)」
「なかなか…っ、だが!せいっ!!!(一瞬の隙をついてルートヴィッヒの腕を倒す)」
「ぐっ!!(勢いに負けそのまま倒され)……負け、か……(悔しそうに奥歯を噛み)」
「な、ななななんとおお!!これは夢か!幻か!あのルートヴィッヒ選手に麗しい令嬢が勝った!勝ったぞおおお!!」

「……アーサーさん、いましたね。あの筋肉馬鹿に勝てる相手」
「ああ。居る、居るには居るが…当の本人はどこに居るんだろうな」
「……本人?」
「うん。俺が知る限りでは目の前に居る女性、それともう1人、な」
「え、えっと……どういう意味、ですか?(困ったように視線を泳がせ)」

「ふむ。なかなかに面白い試合だった。楽しかったぞ、青年(ルートヴィッヒに爽やかな笑みを向け握手を求める)」
「ああ、此方こそ(握手に応じ)……名を聞いてもいいか?」
「ふむ、そうだな…(何かを考え込むように)…それは次に君が私に勝てば教えることとしよう」
「はは……では次の豊穣祭までに、俺も鍛錬をし直すとしよう(苦笑いを浮かべて頭を掻き)」
「ルート!(ぱたぱたとルートに駆け寄りその勢いのまま飛びつく)」
「ぐふっ!!(不意打ちで飛びつかれて思わず潰れた声が出る)」

「…さて(傘を広げ)すまないな、私の時間潰しに付き合わせてしまって」
「いーえ、楽しそうで何よりですよ。さってと、でも早く合流しないと置いてけぼりされちゃいますねー」
「それは困るな。それに…(傘越しから上を向いて)もうすぐ夜だ。そうなると私も過保護な兄には敵うまい」
「あはは、じゃあさくっと戻って色々報告しますかっ(くるりと右足を軸に一回転しながら)」

「ルートは頑張った!頑張ったの俺知ってるからねえ!知ってるからあ!!(ルートヴィッヒの胸元にぐりぐりと頬擦りし)」
「ああ、済まないな。あと一歩だったが……今日は飲むか(わしゃわしゃとフェリシアーノの頭を撫でながら)」
「あ、あのう…(遠慮がちにルートヴィッヒに声をかける)」
「ん、どうした?(司会者へと振り返る)」
「先ほどの令嬢に景品を渡す前にいなくなってしまわれたので…せっかく9人抜きされたことですしルートヴィッヒさん。よかったら景品を受け取って頂けませんか?」
「!!い、いいのか……?(驚きに目を見開き)」
「さ、魚!!(目をキラキラと輝かせ)」
「ええ、貴方が宜しければ」
「ありがとう、ありがたく貰おう……!フェリシアーノ、今日は海鮮食べ放題だぞ!(嬉しそうに)」
「わあいやったあ!!おさかな〜ぴちぴちい♪勝利のおどりぃ〜♪(頭を左右に揺らしながら嬉しそうに歌う)」

「…ルートヴィッヒが張り切ってたのはフェリシアーノのためだったんだな(微笑ましげに2人を見つめ)」
「そのようですね……しかし先程の女性はいったい……あの筋肉馬鹿を負かすとは(腑に落ちない様子)」
「あれ、そういえばアントーニョは参加しなかったんだな。景品からして参加してそうなのだが…(キョロキョロと会場を見渡し)」
「そういえば……というよりも、あの祭り好きそうな男を見掛けないというのも変ですね(首を傾げ)」
「別の会場に居るのか…んっ(突然灯された光りの眩さに片目を閉じ)」

【空はいつの間にか漆黒のカーテンが引かれ、一番星がぴかぴかと輝いていた。そしてその光よりも強い街の灯りは祭りを彩る美しい装飾が施されている。
メインのオブジェが灯るまでそのどこか頼りなさ気でもある光は、人々を童心へと帰す合図のように優しく輪郭を灯した】

「……相変わらず、綺麗ですねえ(ぼんやりと輝く明かりを眺め)」
「オブジェの点灯はまだのようだがすごいな…(装飾された灯りに見惚れながら)」
「ここから、段々と素晴らしいものがお目に掛かれますよ。ふふ……(口元を押さえて楽しそうに)」
「ああ、今からとても楽しみだ。それにこうやってはじめての祭りにキクと最後まで巡れると思うと更に心が踊るようだ(嬉しそうに目を細め)」
「ッ、(ぱくぱくと数回口を開閉させ)……わ、私もです……(頬に朱色を浮かばせ)」
「…?キク?(キクの様子が気になり顔を近づける)」
「!!!(近付いた顔に音が出る程湯気を立て)わ、わわわ、私、も、その、楽しみでっ、あのっ(わたわたと両手を振りながら)」
「あはは(慌てた様子のキクが可笑しくなり思わず笑い)ほら、落ち着けキク(振られている片手を握って)」
「……(片手を取られ冷静になってきたのか別の意味で赤くなり)み、みっともないところを……」

「…あめえ(2人の頭上から呆れたような声)」

「ん?(何処からともなく聞こえた方を見上げる)」
「(ピクリと反応して見上げ)……盗み見とは行儀の悪い」
「お前らが俺様の真下でいちゃつくから悪いんだろーが(2人の丁度真上にある屋根の上で寝そべっている)」
「ギルベルト。こんなところに居たのか(少し驚いた様子で見上げ)」
「そんな場所にいるのが悪いとは思わないんですか、まったく(憤慨したように額を押さえ)」
「なーに言ってんだ。どこもかしこも人、人。一番静かなのはここなんだぜ?喧騒があるのは変わらねえけどな(フードを深くかぶり直しながら)」
「ギルベルトは祭りに参加しないのか?」
「そうですね、先程傭兵が腕自慢大会に出ていたからてっきり応援しているのかと思いましたよ」
「…あー、惜しかったなルッツ。あの女は人間じゃあねえだろうな(けらけらと笑って)」
「人間じゃない?(ぱちぱちと瞬き)」
「人間では……ああ、別種族。道理であの細い腕から異様な威力が出たわけですか(合点がいったように)」
「ま、この街には人間以外の種族もざらにいるけどよ」
「貴方や私のようにね(肩を竦め)」
「…それよりキク、ハイマンの餓鬼。オブジェのライトアップ見るなら教会付近に行った方がいいんじゃねえの?」
「……教会?あっちでしたっけ、最近はめっきり来ていないから忘れてしまいましたよ」
「教会は確かこの道を通ったな。…うわ、いつの間にかこんなに人が集まってる(自分たちを通り過ぎる多くの人の群れに驚き)」
「まあライトアップと教会のほうで豊穣の舞が始まるからなあ(けらけらと笑って)今の内に行かねえと教会には近付けられねえぜ」
「そうか。うん、ありがとうギルベルト(頭上のギルベルトに微笑み)…キク、俺たちも行こう!あ、ギルベルトは」
「俺様はここでいい。…あまり人混みには入りたくなくてな(ぼそりと)」
「……お互い苦労しますね(含みを持たせた言い方でギルベルトへと呟く)」
「まあな(くつくつと笑って)…ほらよ、楽しんで来いよ」
「ええ、言われずとも。……さ、アーサーさん。参りましょう(手を取り直し)」
「ああ。(ぎゅっとキクの手を握り)じゃあ、ギルベルト」

「ん(2人に手を振り)…ったく、幸せオーラ纏いやがってよお」

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