ソードワールドしようぜ!-Under-

【ロングチャット】

カナダ→マシュー(おぼろ)
アメリカ→アルフレッド(おぼろ)
ノルウェー→ルーカス(ひかるさん)

フランス→フランシス(ひかるさん)
モナコ→リベルテ(ひかるさん)
セーシェル→オリヴィア(おぼろ)

*

街が崩れても

【タリアーヘに侵入してきた魔物を何とか退けたマシュー、アルフレッド、ルーカス。地に伏せた強力な魔物が沈黙したのを確認し、3人は安堵のため息を漏らす。
しかし魔物を倒した歓喜の想いは自分達に向けられる殺意にも似た視線に絡み取られるのだろう。見渡せば武装した大人達が3人を包囲するように囲んでいる。
手に持った得物は今にも自分たちを襲いかからんと激情に震えているのは3人にも分かりうることだろう】

「……おめら、それさ向ける相手は違うだろ(深い溜息をついて額に手を当てる)」
「そうだ、俺たちに向ける暇があったら1匹でも魔物を片付けた方が良いんじゃないかい?(鋭い視線を向けマシューを庇うように立つ)」
「お願い……おねがい、だよ……僕たちの話を、聞いて……!」

「お、お前達もこいつらと同類じゃないか!そこに居るエルフもこの街を支配しようとしているんだろう!!(手斧をぎゅっと握り)」
「それに今の光…!あれは街を襲った光と同じだったわ!!」
「消えろ!!消えろ!!」
「人の姿をした蛮族!!」
「人を殺める力を持った悪魔!!」
「奴らが使う魔法とやらは俺達を不幸にする呪いだ!!生かして帰すな!!」

「……まって、お願いだよ……!僕たちの話を、聞いて……!!(瞳に涙を溜めながら必死で首を振り)」
「武装しだ奴らに話なんて通じねえ……か(目を細め苛立ちを隠さず吐き捨てるように)」
「チッ、君らって本当に恩知らずだ!ルーカスの癒しで!マシューの知恵で!君たちはどれだけ救われたと思ってるんだよ!!(銃を持つ手に力を籠め)」
「魔法なんかがあるから私達の街はこんなに酷いことになったのよ!!救われた?冗談言わないでよ!そんなの…瞞しに過ぎないじゃない!!」
「っ!!!(目を見開き手に持っていた杖がからんと音を立てて落ちる)」
「悪魔は立ち去れ!死ね!!(石を投げつける)」
「あぶねえっ!!……っつ(2人を庇うように投げられる石にぶつかる)」
「ルーカス!!」
「あ、ぁあ……ルーカス、さん……!?(堪えていた涙が零れ落ち)」
「(石がぶつかった額から血を垂らしながら)…っ、俺は平気だ。心配すんな(安心させるように微笑み)」
「恥を知れ!君たちは何も解っちゃいない!!敵と味方を履き違えるなんて最低だ!!!(吠えるように大声で)」

「悪魔を庇ったぞ」
「こいつもやはり仲間か」
「この子もあの忌々しい魔法を使っていたわ……」
「やはりこいつも殺すべきでは……」

「やめて……もう、やめて……これ以上、もう、傷つけないで……!魔法だって!魔法だって使い方を間違わなければ皆の助けになるんだ!お願いだよ!僕の話を聞いて!」
「その助けになる魔法は俺の家族を……妻を奪った!」
「!!」
「私の娘を……旦那を帰して!かえしてよ!」
「ちが、ちがうんだ……!魔法は、魔法は素晴らしいもので……皆を、救う、誇らしい文明で……!(ぼたぼたと涙を零してその場に座り込み)」
「ねえ……おにいちゃん(男の横から顔を出しマシューを見上げ)」
「……(涙を零しながらも子供を見つめる)」
「ままは…ぴかぴかのたまのなかからいつかえってくるの?ねえ、いつかえってくるの?」
「そ、れ……は……っ、う、ぇ……げほっ!!!っ、(嗚咽が漏れ、胃液が込み上げて思わずその場で吐き出し)」
「マシュー!!……っ、いこう。これ以上は時間の無駄だよ……ほら、ルーカスも立てるかい?(出来るだけ冷静を装い)」
「(傷口をヴェールで抑えながら)俺は平気だ。……さっきの強襲で怪我したやつば教会さ来い。治療してやる(武装した大人達に声をかけ2人の肩を叩いてマリアリリィの方へと歩く)」
「マシュー、歩ける?」
「……(虚ろな眼差しでアルフレッドを見上げて立ち上がって二人の後ろを歩く)」
「マシュー、あんまし気負うな。さっきの魔物もおめの魔法で助けられたんだ。助かったべ」
「う、ん……でも、僕は……魔法は、僕が大切にしていたものは……罪だったの……?(上の空で頷きぶつぶつと小さな声で)」
「君は悪くないんだぞ!ほら、ルーカスも言ってるじゃないか!マシューの魔法のお陰で助かったってさ!」
「……うん」
「…とにもかくにもみんな休息ば必要だ。俺は教会に一旦戻るがこりゃ一雨来そうだ(どんよりと曇った空を見上げながら)おめら、雨に濡れねえうちにマリアリリィば戻れ」
「オッケー。ほら、マシュー。帰ってフランソワのご飯、食べ行こう(マシューの手を握って駆け出し)」

「……アル」
「ん、どうしたんだい?」
「……もう、疲れちゃったよ。今まで僕が頑張ってきたことって、何だったのかな?僕、今まで何を頑張ってきたんだろう?……アル、もう僕、やだよ……(語尾が震え)」
「マ、シュー……?」
「もう、全部終わらせちゃえばいいのかな?もう、帰りたくないよ……もう、あんな風に怖がられるのも、攻撃されるのも、やだよ……!!(アルフレッドの手を振り払って立入禁止区域へと駆け出し)」
「!!マシュー待って!マシュー!(追い掛けようとすると足場が悪く瓦礫に引っ掛かって転んでしまい、マシューを見失う)」

*

「まだ雨は降っていないのに、きみの心は土砂降りのようだね(マシューの背後から風と共に現れ、ゆっくりと歩み寄る)」
「ッ!?(突然の声にびくりと体を震わせるが、振り向くと何もかもを諦めたような眼差しでフランシスを見上げ)……もう、疲れたんです」
「…信じることにかい?それとも信じてほしいことにかい?(柔らかく微笑み)」
「どっちだろう……もう、どっちも、かなあ……(虚ろにフランシスを見つめると乾いた笑い声を漏らす)」
「そう。君が愛してるものを蔑ろにされることは、否定されることは胸が張り裂けるくらいに君には耐え難いことだろうね(優しくマシューの髪を撫で、子供を甘やかすような声で囁き)」
「貴方は、僕の事……怖がらないの?悪魔だって、魔法は罪だって……詰らないの……?(思わぬ優しさに目を見開く)」
「どうして?マチューが大好きなものを俺が嫌いになるわけないじゃない。マチューが魔法を使う事は自由なことだ。好きな事を自由に出来ない。それはとても悲しいことだよ。……俺はマチューを悲しませないよ(髪を一房すくい上げ口付けを落とす)」
「悲しむ……?そっか……僕、悲しかったんだ……僕が大切にしていたことが、許されなくて……僕、魔法が大好きだから……魔法学者に、なりたかったから……(濡れた瞳でフランシスを見つめ)」
「辛かったね。大切なものを誰も理解してくれなくて。怖かったろうね。……分かるよ、俺には分かる。何せ俺は君の味方だからね」
「味方……貴方は、僕の……味方になってくれるんですか……?貴方は、僕を、理解してくれるんですか……?(青白かった顔にうっすらと血が通い)」
「勿論。君が愛するものを求める自由は阻害されてはいけない(マシューの腰を引き寄せ至近距離で見つめ)……俺が君を自由という空へ飛ばしてあげるよマチュー。この狭い不自由な檻からすくい出してあげる」
「連れていって……僕を、貴方の教えてくれる自由の世界に……僕が、許される世界に……(縋るようにフランシスの服を握りしめ)」
「いいよ。ふふ、やっと来てくれたね。…その翼に何度触れたいと思ったことか(マシューの頬を撫で口元の口角をつり上げ)」
「でも僕、……僕、貴方の名前を知らない……貴方は、誰……ですか?(擽ったそうに身を捩りながら)」
「おや……ふふ、そうだね。俺だけ知ってるのはフェアじゃないね(可笑しそうに笑って)…俺はフランシス。ほらマチュー、その愛らしい口で呼んでご覧(マシューの唇の輪郭を撫でるように指を這わせ)」
「フランシス……さん?(ぱちぱちと数度瞬きを繰り返し)」
「そう。フランシス……だよ(くすくすと笑いながら額にキスを落とし)」
「(手を伸ばしてフランシスの髪に触れ)……あんなに、怖いと思ったのに……怖く、ない……なんで、僕はフランシスさんを怖がっていたんだろう……」
「『人間』っていうのは未知のものに恐怖を抱くからねえ。仕方ないことだよ、これから俺の事を知っていけばもう怖いなんて微塵も思わないよ(顎をすくいながら視線を合わせ)」
「はい……僕、僕は……これからフランシスさんを知っていくんだ……(合わされた視線に吸い寄せられるように見つめ)」

「ふふ。さて、と…(指をパチンと鳴らし)マチューにも2人にもちゃんと自己紹介してもらわないとね」
「(風と共に現れくるくると傘を頭上で回しながら)兄さん、この子が例の子か」
「(風ではためく前髪を押さえ)うっひゃー、私より年下?年下っすか?」
「……!!(急に現れた2人に身を縮こませ)」
「マチュー、怖くないよ。2人は俺と同じく君の理解者だよ(安心させるようにマシューの肩を持ち)」
「ふむ、男か。……守備範囲外だな(残念そうに眼鏡を上げて)」
「男の子でも可愛い顔してるじゃあないですかー、うんうん。こりゃボスが惚れこむのも納得っすわ!(大袈裟に腕を組んで頷き)」
「ま、マシュー……です。あ、あの……(助けを求めるかのようにフランシスを見つめ)」
「ああ、自己紹介がまだだったな!私はリベルテ。種族はヴァルキリー、好きなものは女の子。恋愛対象も女の子。よって君には欲情はしないから安心したまえ!(どやあ)」
「よ、くじょう……?……っ!!!(遅れて意味を理解して耳まで真っ赤になり)」
「すっげ、めっちゃ新しい反応!私はオリヴィア!種族はシャドウ、戦闘戦争だーいすき!一応軍師の卵っすからそこんとこよろしくぅ!!(ばちこーんとウインク)」
「個性が強すぎる2人だけど信頼出来る子達だよ。何、怖がることなんてないよ」
「(こくこくと何度も頷き)マシュー……マシュー・W・ジョーンズです。街では、魔法の研究をしてました……」
「はっはっは!私は魔法には疎いがいやあすごいじゃないか魔法が使えるなんて!(肩をバシバシ叩きながら)頼りにしてるぞ、マシュー(にっと笑って)」
「ッ、(叩かれたことでつんのめるが驚いた表情を浮かべ)……頼って、くれるの……?」
「勿論!ってか、私たち魔法はてんで使えないっすからねー。逆に使ってみたいくらいですわー(楽しそうに笑いながら)」
「2人には悲しいほどに魔法の才能はないからね。……マチューが居ると心強いよ(マシューの髪を撫でながら)」
「僕、……今、頼られてる……もう、あんな怖い思い、しなくて……いい、んだ……ふ、ぇ……ぅ、うっ、(恐怖と安心が入り混じり)」
「おおっ、おおお?一体何があったんだ?お腹がすいたのか?(ぽんぽんとあやす様に肩を叩いて)」
「あわわわわわなんで泣いてるんですかこれ!あれかっ、思いの外アットホームだからか!安心しちゃいましたか!!(わたわたと慌て)」
「うっ、ひっ……ごめんなさい、ごめん……なさいっ、嬉しくて……もう、怖い思いしないでいいって……!(ごしごしと袖で涙を拭き)」
「うんうん。安心したんだね。大丈夫大丈夫。……ここには君を傷つけるものなんてなんにもないからね(ノイズと共にマシューに似たような声が漏れるピアスをゆっくり外しながら)だから……早く行こうか。もっともっと安心できる場所へ」
「ぁ……(ピアスが外されたことに吐息を漏らし)安心出来る場所……貴方に、フランシスさんに、ついていきます……」
「兄さんの家は大きいぞ。それになんというか全体的におしゃれなんだ。あと兄さんの料理は美味い!」
「しかもなんかいい匂いする!私たちより女子力が高い!」
「褒めても何も出ないよ2人共。……さ、おいでマチュー(腰を引き寄せて隣に歩かせる)」
「あ、は、はい……(隣を歩くが何度かちらちらと振り返り)」
「……何か不安かな?(覗き込むようにマシューを見つめ)」
「アル……兄弟……が……(もごもごと口籠り)」
「(笑みを深めながら)……君の兄弟は、果たして君を自由にしてくれる?」
「……え?(想定外の言葉に目を瞬かせ)」
「……ああ、気にしないで。ただ何となくそう思っただけだよ(にっこりと微笑みながら)」
「フランシスさんは……僕より僕を、知ってるんですね……(儚い微笑みを浮かべ)」
「……怖い?(言葉とは裏腹に甘く囁くように)」
「ちょっと、だけ……でも、僕……自分を知らなかったんだって気付きました……(自らフランシスに寄り添い)」
「ならゆっくりと知ればいいよ。俺は何も言わない。知ろうとするのも知らないふりをするのもまあ、マチューの自由だものね」
「自由……僕の自由は、フランシスさんに……あげたいです……(棄てられた子犬のように)」
「(一瞬目を見開くが愉しそうに目を細め)……マチューは可愛いね。ああ、もっともっと愛でたくなってしまう」
「だって、フランシスさんは僕を救ってくれた……救世主だから……(一転してうっとりとした表情に変わり)」
「ふふ、擽ったいなあ。君にとってはそんな存在ではあり続けてあげたいけど……まあそれも『神』のみぞ知るだからねえ」
「神様だけ……神様は、僕から自由を奪わない……ですよね……?」
「奪わないよ。…だっていまマチューは自由になったでしょ?ほら、『神様』の言う通りだよ(にっこりと微笑みながらマシューの手の甲にキス)」
「(ぱあっと表情が明るくなり)はい、僕は……僕は、自由になったんです……!フランシスさんが、僕を導いてくれたから……」

「……(傘越しに前の2人を見つめながら)やれやれ、兄さんは彼にかなりご執心と見た」
「前々から熱心にアプローチしてたのは噂で知ってましたけどねー、入れ込み具合凄いなあこりゃ(面白そうにふたりを見つめ)」
「ふむ、こうなってしまったからにはマシューは嘸かし兄さんに愛を注ぎ込まれるだろうな。…という訳で私達も愛の語らいをしようじゃないかオリヴィア君(オリヴィアの手を取り)」
「愛の語らいって何するんすか?個人的には次の戦術について語らえるとベストっすな!!(きらきらと目を輝かせ)」
「ああベッドで戦術でも組手でもしようじゃないか!寝技なら私は得意だぞはっはっは!」

「……あの2人は見ていて飽きないねえ(後ろを振り返りながら苦笑いを浮かべて)」
「愛の、かたらい……?(断片的に聞こえた声に首を傾げ)」
「ふふ、マチューにはまだ早いかな?……それとも、知りたい?」
「(こくんと頷き)知らないことがあるのは、気持ち悪いです……でも、愛ってことは……きっとあったかいお話ですね(ほうっと息を吐き)」
「(きょとんとした表情にもなるがすぐに破顔しくすくすと笑い)そうだね、あったかくて気持ちいい。……ああ、そういうことも人らしくてまた一興だねえ」
「人がする、お話?(きょとんとした顔でフランシスを見つめ)」
「そういうことかな。そうそう、屋敷に戻ったらまずお風呂に入ってね。そいで服も新調しよう。……俺達の仲間だって肌で感じてもらえるようにね」
「お風呂?お洋服?(自分の服が泥まみれなことに気付き)……よ、汚れてて……す、すみません……」
「マシュー、屋敷の風呂は薔薇が浮かんでいてとてもゴージャス仕様だぞ!だが一つ不満点を挙げるとすれば侍女の1人や2人つけてくれたらいいんだが…」
「全部自分たちでやるから楽しいんですよー!あっ、私の武器庫も見せてあげますからね!」
「薔薇のお風呂に……武器庫……?(想像がつかないのか目をぱちくりさせ)」
「ふふ。なら2人にも屋敷案内してもらおうかな……っと(頭上に手を翳すと風か吹き4人を包み込んだかと思うと風が止んだ瞬間にきらびやかな屋敷が目の前に現れ)」
「わ……(豪華な屋敷を見上げ)……懐か、しい……」
「懐かしい?」
「……(こくんと頷き)……僕、小さい頃はお屋敷に住んでて……えっと、……住んで、兄弟……?……だれ、の……こと……だっけ……(口元を押さえ)」
「(色の無い光を宿した目を細め)……さ、中に入ろうか」
「アイ・サー(フランシスの纏う空気に背筋を伸ばし)」
「……マシュー。入口はこっちだ(ぶるりと背筋を震わせながら中へ招く)」
「ぅ、ん……(消えていく記憶に思考を乱しながらもリベルテの後ろをついて行く)」
「(装飾が施されたドアを開いた途端に薔薇の香りが広がり)……ここがエントランスだ。風呂場はこのエントラス左奥だな」
「エントランス、左奥……お風呂(こくんと頷き)」
「ああ、2人はここまででいいよ。あとは俺がマチューを何箇所か案内するよ。…用がある時は呼ぶからね」
「はーい、じゃあ私部屋でデスサイズの調整してるんでなんかあったら呼んでくださーい(階段を駆け上がり踊り場で振り返ると手を振る)」
「分かった。私は少し昼寝でもするか(欠伸をしながら2階の寝室へ向かう)」

「(ふたりを見送りながら)さて、と。まずはお風呂でも入ろうか。……使い方分かるかな?」
「?は、はい……一応僕が知っている使い方、なら……(首を傾げ)」
「うちの浴槽は少し古いタイプだからね、お湯の出し方とか分からないかなと思ってね。……ああ、そうだ。マチュー、俺が操作の方法教えてあげるよ(マシューの服に手を掛けながら)」
「ふぇ?ぇ、え、あ、あの……ぼ、く……自分で、脱げます……(羞恥心に頬を染め)」
「いいからいいから(てきぱきとワイシャツを肩口まで下ろし)……同性同士なんだから恥ずかしがることないでしょ?」
「ぁ、あう……そ、の……僕、お風呂、とか……――以外と一緒って、恥ずかしく、て……ぁ、れ……?(名前が出てこず口をぱくぱくと開閉し)」
「恥ずかしいことなんて何一つないよ。はい(浴室まで裸になったマシューを押して)……どう?なかなかに素敵でしょ(浴槽にぷかぷかと薔薇の花びらが浮かんでいる)」
「わ、わ……(つんのめりながらも幻想的な光景に目を輝かせ)す、ご……い……」
「(自身も上着を脱ぎ、ワイシャツを腕捲りしシャワーをマシューにかけて)ほーら、まずは身体を洗い流そうね」
「わぷっ!(突然の水流に目を閉じ)じ、じ、自分で、出来ますよ……っ」
「いいからいいから(頭にシャワーをかけて薔薇のエッセンスを含んだオイルで髪を洗い)」
「ふ、ぁ……薔薇……(優しい手つきに拒絶の言葉もなくなり心地よさそうに目を閉じ)」
「ふふ、素敵でしょ。選りすぐりの薔薇から絞ったオイルで作ってるんだ。……気持ちいい?(手に薔薇のオイルをかけて、マシューの背中に染み込ませるように撫で)」
「(夢見心地のままに数回頷き)きもち、よくて……ねちゃい、そう……」
「おやおや。お風呂で寝てしまっては危ないよマチュー。…ほら、起きてて(鼻先にキスを落としながら胸元を洗いあげる)」
「ん、……おき、まぅ……(睡魔に引っ張られないようにと目を開けようとし)……くすぐった、い……ですよ……」
「これじゃあ湯船にはつかれないかな?……なら、目を覚まさせてあげよう(快感を立ち上げるような撫で方で内股にオイルを撫でる)」
「ん、ぅ……ぁ、や……なに……?(もどかしい快感にぶるりと背を震わせ)」
「ほら、起きないと…ここが大変なことになるよ?(足の付け根を撫でながら、もう片方の手の指でそっと性器の尖端に触れる)」
「ひ、あっ!やっ、なにこれっ、アッ、ぁ……(初めて他者に触れられて泣きそうな顔で快感から逃げようと身を捩り)」
「……そんな反応されると、ダメだね。もっと意地悪したくなる(裏筋に薔薇のオイルを塗りこみ)」
「やだっ、あっ、やっ、んんんっきちゃっ、なんか、きっ、やっ、ぁぁああっ!!(びくびくと痙攣しながら白濁を零して力なく床へと崩れ落ちる)」
「(ぺろりと白濁の液がついた手を舐めながら)……ふふ、愛の語らいはもう少し先…いや、案外近い将来になりそうだね(崩れ落ちたマシューの膝の裏と肩に手を回して抱えながら)」
「ぁ、あ……な、に……?(初めての強い快楽にぼうっとした表情でフランシスを見上げ)」
「(浴槽にマシューを浸からせ自分は浴槽の淵に腕を置いてしゃがみ込み)とりあえず、マチューは風邪ひかないようにゆっくり浸かって」
「(お湯の温かさに更に表情がぼんやりとなり)……きもち、よかった……です」
「ふふ、そう。なら今度はもっと気持ちいいことしようね(頬杖をつきながらにこにこと微笑んで)」
「?……はい……(うとうとと瞼が降りそうになり)……あ、……る……(無意識に言葉が零れ落ちる)」
「……そう。あともう少し、あともう少しで落ちるんだけどなあ(すうっと目を細めながら湯船に浮かんだ薔薇一輪をマシューの頭に飾り)」
「(擽ったそうに笑い)……ぼく、……自由になれたんです……ふら、ん、しすさんの……おかげで……」
「俺のおかげじゃないよ。……マチュー、君が俺を求めてくれたからだよ(顔の輪郭をなぞるように指を這わせて)」
「ん、……もとめ、て……僕、もっと……あなた、を……(指が這う感覚に気持ちよさと擽ったさが混ざって息を詰め)」
「……ん、(バードキスを交わし)……のぼせないうちに、あがろうか」
「は、ぃ……(ふらふらとしながら立ち上がり)」

「(マシューの手を取りながら脱衣場へ向かい)のぼせたのかな?マチューは暑がりさんだね(丁寧にバスタオルで水気を拭う)」
「きもち、よかったのと……あったかいので、眠かったら……逆上せました……(されるがままでぼうっとフランシスを見つめ)」
「うん、あとで冷たい物でも用意しようか。……さて、と。マチュー、どっちがいい?(襟の形や袖のデザインが違うワイシャツを数枚並べて)」
「……フランシスさんが、好きなお洋服が……着たいです(とろんと蕩けた表情を浮かべ)」
「……(マシューに見えない角度で口角を吊り上げ)いいよ。じゃあ俺が見繕ってあげる。マチューならこのジャケットも似合うかな」
「わあ、可愛い……(目をぱちくりさせ)フランシスさんなら、素敵なお洋服……選んでくれると思ったから……嬉しい……」
「喜んでもらえたなら何より。…と、スカーフはこうかな。あとは……これをマチューへ(布張りの小箱を開けると薔薇のブローチが現れる)」
「薔薇……?きれい……(薔薇のブローチを食い入るように見つめ)」
「そのブローチについてる宝石は魔力を引き出す力もあるからね。マチューなら気に入ってくれると思ってね(胸元にブローチをつけ)……うん、似合ってるよ」
「……これ、で……僕、フランシスさんに……僕を、あげれるんですか……?(嬉しそうに頬を紅潮させ)」
「そうだね。……これでマチューは俺のマチュー、だね(柔らかく微笑みながら髪を耳にかけて)…だから、これはいらないよね(脱衣した服の中にあったメイプルのブローチを床に落とし)」
「……ぁ(床に落ちたブローチをじっと見つめ)」
「マチュー、『これ』がどうしたの?(ブローチは拾わずマチューを試すように見つめ)」
「こ、れ……は、……なん、だっけ……なんだったっけ……(口元を押さえ)」
「『これ』はマチューにとって、大切なもの?」
「……こ、れは……(ふるふると首を振り)……これ、は……僕に、もう、要らない……もの……?」
「(にっこり微笑み)そう。じゃあこれはいらないね(靴底で躊躇なくブローチを踏み潰し)」
「っ!(思わず目を瞑り)……僕が、僕の大切なものは……これ……(そっと胸元に飾られた薔薇のブローチを撫で)」
「嬉しいねえ。そんなにブローチを気に入ってくれた?(壊れ物を扱うように抱きしめ)」
「(こくこくと頷き)これは、もうずっと僕の傍にあったみたいで……体に馴染んでいく、そんな感じです……」
「ふふ。ブローチをつけてる位置がそう錯覚させるのかもね。……左胸の、心臓が重なる部分だからねえ(どこか淀んだ笑みをマシューに見えない角度で携えて)」
「左胸の、心臓……(抱きしめられたままにブローチの上から心臓を押さえ)」
「針がその心臓を突き刺さないようにしないとね(くすくすと笑って)……さあ、マチュー。あらためて屋敷を案内してあげるよ」
「あ、は、はいっ(フランシスの後を追い掛け)」

「と、(思い出したかのようにマシューの方を振り向き)言い忘れてたことがあったね」
「言い忘れてた、こと?(小首を傾げ)」
「(エントランスの真ん中でまるで舞台役者のようなどこか優雅な会釈を交わし)……ようこそ、我がル=ロウドの元へ。歓迎するよ、マチュー」
「ル=ロウド……様……?貴方、が……?(驚きで瞳が零れんばかりに見開き)」
「大したことじゃないでしょ?そんなこと(にこにこと微笑み)」
「……(こくんと頷き)フランシスさんが、ル=ロウド様でも……僕を救ってくれたのは、フランシスさん、だから……」
「よくぞそう言ってくれた!偉いぞマシュー!!(2階からふたりを覗き込むように)」
「すんばらしー!いやあ、さすがボスが見初めただけありますわー!!(同様に2階から覗き込み)」
「うわ、わっ!(びくりと体を震わせ)」
「……見物料払わせるよ?(くすくすと愉しそうに笑って)」
「お土産でチャラってことで!(どやあ)」
「ちょうど今オリヴィア君と買ってきたつまみで1杯やってオリヴィア君を酔わs……楽しむところだったんだ!兄さん達もどうだ?」
「そうだねえ……せっかくだから参加しようかな」
「大人数で飲んだ方が楽しいですもんねー!マシューさんもおーいで!!」
「……はい!(花が綻ぶように微笑み)」

× 




ALICE+