ソードワールドしようぜ!-Under-
プロイセン→ギルベルト(ひかるさん)
ドイツ→ルートヴィッヒ(おぼろ)
イタリア→フェリシアーノ(ひかるさん)
ロシア→イヴァン(おぼろ)
ベラルーシ→ナターリヤ(ひかるさん)
リトアニア→トーリス(おぼろ)
*
君が崩れても
【同時刻、国境付近の街道】
【ギルベルト、ルートヴィッヒ、フェリシアーノは他国からの刺客と交戦。数に押されるも実力の差で何とか戦況はこちらへと傾いている。
息絶え絶えに確実に1人2人と倒していくが、終わりの見えない長期戦に3人は背中を合わせながら武器を構え、目を見合わせるだろう】
「ふたりとも、まだ大丈夫か?」
「へ、平気だよう…(汗を拭いながら太矢をセットし)」
「2人共、疲れたら休め。俺様だけでも数は減らすぜ(フードを被り直し下唇を舐める)」
「大丈夫だ、兄さんの背中は俺が守ってみせるよ(アックスを構え直しながら)」
「お、俺は2人を守るもんね!(ルートヴィッヒとギルベルトの背中に軽くもたれて)」
「おい……あの目……血のように赤い眼……」
「ノスフェラトゥ……いや、ラルヴァ……化け物じゃないか!!」
「!!兄さんは化け物じゃない!!」
「そ、そうだよ!ギルベルトはギルベルトなんだから!!」
「死ねえええ化物おおお!!(ギルベルトの後ろからナイフを持って突進)」
「兄さんッ!!!!」
「っつ!!(条件反射で刺客の頭を掴み地面にめり込むほどに叩きつける)」
「おおっ……なんと恐ろしい……」
「容易く人を殺める力を持つものを化物以外に何と言うのだ……!!」
「違う!兄さんは化け物なんかじゃない!!兄さんは俺の兄さんなんだ!やめろ!やめろおおおお!!!(アックスを構えて刺客へと突進し)」
「……!ルッツ!!その踏み込みは危険だ!!(振り返りルートヴィッヒに吠えながら)」
「ぎゃひいいいいい!?(重たい一撃に身体をくねらせながらルートヴィッヒの腕にナイフを突き刺し)」
「ぐ、ぁっ!!!(利き腕に深々とナイフが突き刺さり思わず膝をつく)」
「ルート!!!っつえい!!(刺客の足を狙いクロスボウを的確に放ち)」
「てめええええええ!!(一気に間合いを詰め、刺客の首を掴みへし折る)」
「フェリシアーノ……兄さん、俺は大丈夫だ……応急手当をすれば、この程度、掠り傷だからな……(よろりと立ち上がりながら)」
「(刺客を地面に投げ捨てルートヴィッヒの元へ苛立を隠さないまま歩み寄り)馬鹿っ!擦り傷なわけねえだろっ!!あんなにぐさっとナイフが刺さったのに……っつ(傷口を見た瞬間に鼓動が大きく鳴り響く)」
「兄さん……?(ギルベルトの表情が変わったことに気付き)」
「(目が鈍色に輝きながらもルートヴィッヒを捉え)……ルッツ……おま、え……おいしそ……う(ルートヴィッヒの肩を強く掴み傷口を顔の前に引き寄せ)」
「にゃにゃ!?ギルベルト!?(突然の行動に反応が遅れるもギルベルトの腕を引き剥がそうと掴む)」
「(肩の痛みと掴まれた痛みで顔を顰め)ッ、兄さん!?待ってくれ、兄さんッ!!(力が入らないものの思わず力の限り肩を引き)」
「!!(2人の声に意識を取り戻し目を見開き)……お、俺、はいま何、を……(ルートヴィッヒから離れゆっくりと後退し)」
「にい、さん……今、俺の……(驚きを隠しきれず)」
「化物めっ……仲間さえも見境なく手に掛けようとするのか……所詮人間と蛮族は分かり合えない!化物は大人しくくたばりやがれっ!!」
「手に掛け……お、俺は……ルッツに……ルッツに……(頭を抱え膝から崩れ落ちるように座り込み)」
「違っ、違う!これは何かの間違いだ!兄さんはそんなことをするはずがない!(肩の痛みによろめきながら)」
「俺は、おれは……ああああああっ!!!(咆哮をあげると同時に地面に拳を打ち付けると罅が広がり)」
「ギルベル……うわわっ!?(地響きを鳴らす地面に足元のバランスを崩しよろめく)」
「ッ!!!(罅割れた影響で揺れる地面にたたらを踏み)もういい、兄さん……もう、やめてくれ……」
「ぐあああああああああっ!?(罅割れた地面の中に吸い込まれるように落ちていく)」
「!!ルートルート!ギルベルトが居ないよぅ!!(ギルベルトが居た煙幕が立ち篭める場所を指さして)」
「!?兄さん!!フェリシアーノっ、手分けして探すぞ!まだ遠くには行っていないはずだ!!(声が震えないようにと必死で押さえながら)」
「うっ、うん!!えっとギルベルトの匂い……匂いっ……!ううっ(土煙の匂いに阻害されうまく嗅ぎ分けられず目尻に涙を浮かべる)」
*
「お腹が空いて空いて、堪らない。……そんな気分かな?(空間を裂いてギルベルトの数メートル後ろに姿を現し)」
「俺は……吸血しない吸血なんかしない誓ったんだ親父と、親父と人と歩めとあゆめっ……って(息を荒げながら自分に言い聞かせるように呟き)」
「そうやって自分を縛るのは良くないなあ。それは、自分を追い込んで苦しめるだけでしょう?(靴音を響かせながら歩み寄る)」
「お……いこ……(フード越しにイヴァンを見上げ)だっ、て…おなかを満たすの、は……ひとをきずつける、ことで……俺はそれを……それ、を?(ふと違和感を覚えたかのように言葉が詰まる)」
「(にこにこと笑顔を浮かべて自身の矢筒から矢を取り出し)御覧、君が欲しいものだよ。甘くて、中毒になる……最高の蜜さ(ぷつんと自分の指先に矢を刺して血を流し)」
「っうあ、ああああ(僅かな理性と吸血衝動に思考が押し合いとなり助けを求めるような縋る思いでイヴァンの手首を掴み)」
「ほら、慌てないで。……美味しい蜜、たんと召し上がれ?(口端を持ち上げてギルベルトの唇に血が垂れる位置へと指を動かし)」
「(ぎらつく赤い眼を細め、全てを受け入れたかのようにため息を漏らしゆっくりと舌先を傷口につけ)……っう、んん(こくりと血液を一度飲み干すとまた舌先で舐め)」
「ようこそ、僕たちの世界へ。……苦しい不自由なんて脱ぎ捨てて、僕たちと自由を愉しもうじゃないか(どろりとした笑みを浮かべ)」
「っん……ふ(ぎらつく目をそのままに指先に銀糸を垂らしたまま唇を離し)……お、まえと?」
「君が望むなら、僕は君の自由を動かすエネルギーとなろう。君が欲しいなら、いくらでも自由と居場所をあげよう。どうかな?」
「っん(体全体がはじめて味わう満たされた感覚に震えながら)お前と居ると……もう、俺は我慢しなくていいのか。この感覚を味わえる、のか」
「そうだよ。僕といれば、君は永遠に満たされる。君の自由には、僕が必要不可欠になるんじゃないかな(くすくすと笑いながら)」
「じゆ、う……っ(ふわりと懐かしい匂いが染み付いたフードが俯いた瞬間に落ち、びくりと体を揺らす)」
「さあ、不自由な枷を自分で壊して御覧?僕はその手伝いをしてあげるよ。……君が望むなら、どんなことでも(毒を吹き込むように囁き)」
「…(静かにイヴァンを見上げていきながらゆっくりとフードを下ろし)……もう、いい子になることも疲れた。…もう、もう俺は……俺の自由に(物騒な光を宿して目を細める)」
「うん。いいんだよ、いい子でいる必要なんてない。自由を手にして、自由に歩いていいんだよ(血の付いた指でギルベルトの唇に残った血を拭き取り)」
「(コツコツとヒールを鳴らしながら)兄さん、周辺に潜んでいた雑魚は蹴散らして来ました(イヴァンに隠れていたギルベルトを睨み)」
「ご苦労様、ナターリヤ。ご褒美は後でたっぷりとあげるね。……トーリスは?」
「此処に。此方も問題なく終えました、記憶操作も完了済みです(杖を片しながら)」
「……(突然現れた2人を伏し目がちで見つめながら)」
「……兄さん、このラルヴァをどうするつもりで(ぎっとギルベルトを睨んだまま)」
「連れて帰るよ(然も当たり前の様子で)」
「なっ……!?(ショックのあまり後ろに蹌踉めき)」
「ナターリヤちゃん!(慌てて転ばないように手で支え)」
「紹介が遅れたね、この子たちは僕の部下。とっても優秀だよ(先程の毒々しい笑みはそこになく、柔らかな笑みを浮かべ)」
「(トーリスの手を払いながら)……ふんっ(鼻を鳴らしてギルベルトから顔ごと視線をそらす)」
「……(明らかにしょんぼりとした様子)」
「ふたりとも、新しい仲間に自分の紹介は……出来るよね?」
「……どうでもいい(興味無い様子で)」
「しかし兄さん、今こいつはどうでもいいなどと戯けた言葉を言っていたではありませんか!」
「……口答え、するんだ?(微笑んだまま)」
「ッ!(背筋にぞわりとした恐怖を感じ)トーリス、……コンジャラー。主に密偵」
「……っ!!(背筋を震わせ小さく声を漏らしながらも不服そうに)……ナターリヤ。プリーストだ」
「ふたりはナイトメアだよ、仲良くしてね?(にこにこと笑いながら)」
「…………(相変わらず興味の無い様子で2人を見つめ)」
「……イヴァンさんが言うから、仕方ないし仲良くはなるよ……(じっとギルベルトを見ながら)」
「……兄さんに歯向かうのなら殺す(ぎろりとギルベルトを睨み)」
「(トーリスを見つめながら)……お前、幸薄そう(観察に飽きたのか次にナターリヤを見つめ)…凶暴」
「んなっ!!!(顔を真っ赤に染め上げ)」
「死に急ぎたいらしいな貴様(矢筒に手を掛けながら)」
「〜〜〜っ、イヴァンさんっ、貴方のお願いでもこいつ嫌です!!(ギルベルトを指差し)」
「うふふ、仲良く出来ない悪い子だーれだ?……あまり喧嘩ばかりするなら、ご褒美もあげないし……ギルベルト君、君にご飯だってあげないよ(唇を三日月に歪め)」
「……(不服そうにイヴァンを見つめる)」
「!!そもそもこいつは兄さんにもこの様な態度!あげく名前も言わない不躾な屑です!いえ屑以下です!!そんな奴を放っておいていいのですか兄さん!!(頬を紅潮させながらイヴァンに向かって訴える)」
「そ、そうですよ!こいつが一番輪を乱してます!!公平な制裁を!!(ナターリヤを援護するように)」
「煩いよ(地を這うような低い声で)」
「名前、なんだったか…(3人のペースに合わせる様子もなくイヴァンに問いかける)」
「僕の事?……そうだね、僕はイヴァン。君の自由を動かす、ひとつの歯車だよ(にっこりと笑い)」
「イヴァン…イヴァン…(ふむっと顎に手を添えながらゆっくりと見上げ)……ヴァーニャ」
「ヴァーニャ?……誰の事?」
「貴様、兄さんを愛称で呼ぶとは覚悟ができてるんだろうなあああ!!(クロスボウをギルベルトに構え)」
「ああ、僕のことなんだ。構わないよ、ナターリヤ。それを言うなら、君だって愛称で呼んでいるものだろう?(ナターリヤを制止しながら)」
「で、ですが……それとこれとは(クロスボウを下ろしながら戸惑った様子で)」
「僕がいいって言っているんだよ?君に決定権があるの?(笑顔だが何処か凍った空気を纏わせ)」
「……兄さんが……そう仰るのなら(しゅんと明らかに落ち込んだ様子で腰にクロスボウを引っ掛ける)」
「そう、それでいいの。……さて、そろそろ撤収するよ。人間やミアキスがここを探し当てる前に、ね」
「……ルッツ(2人がいるであろう方向を見つめながら呟く)」
「……未練があるのかな?(くすりと笑い)」
「ルッツを置いていったら、どうなるんだと…考えてた(目を伏せてルートヴィッヒの肩を掴んだ掌を見つめ)」
「ああ、そういえば彼を拾って育てたのは君だったね。……君の自由に彼が必要なら、連れてきてあげるよ?……生きているかは分からないけど、ね(目を細め)」
「……わから、ない?(最後の言葉に引っかかりイヴァンを見つめ)」
「うふ、なんでもないよ。今の君に彼は、要らないでしょう?」
「(瞼を閉じて僅かに沈黙するがすぐに目を開き)……ああ、要らない。今の俺には、必要ない」
「うん、いい答えだ。君には僕たちが……僕がいればいい。さあ、取り敢えず撤収!(眼前に黒い道を生み出し)」
「……いつか事故に見せかけて殺してやる(ぼそり)」
「その時は手を貸すよ、ナターリヤちゃん……(ぼそり)」
「……さあ。僕たちの拠点へようこそ、ここが今日から君の家だよ(視界が開けた先でくるりとつま先で一回転し)」
「……でかい(屋敷を見上げながら)」
「いいでしょう?誰も使わなくなった教会を拝借してリフォームしたんだよ。……ギルベルト君には、教会が似合いそうだね(にっこりと笑い)」
「……(ラルヴァに教会が合うとはどういう事ですか兄さんと聞きたいが何だか聞くのが癪なので無言)」
「……(余計なことを言うと面倒なことになりそうなので取り敢えず黙る)」
「……(何かを思い出しているのかその目はどこか懐かしげ)」
「さあ、中に入ろう。使ってない部屋もたくさんあるから、好きなところを使うといいよ」
「……(中に入るとすぐにある頭上のステンドグラスを見つめ)……綺麗だ」
「人間は面白いものをたくさん作るよね。そのステンドグラスは物語になってるんだよ、内容までは知らないけどね(ギルベルトの後ろを通り過ぎ)」
「兄さん、お腹は空いてませんか?今日は私が食事を作りますので(イヴァンを上目遣いで見つめ)」
「そうだね、お願いするよ。……スープ系で(ナターリヤの頭を優しく撫で)」
「!!はい!直ぐに用意します!!(頬を紅潮させて嬉しそうに微笑み)……おい貴様。薪をくべるのを手伝え(ぎっと睨むようにトーリスの方を向いて)」
「!!ナターリヤちゃんのお願いなら!!!(スキップでもしそうな勢いでキッチンへと飛んでいく)」
「ギルベルト君、少しお話しようか(入口の奥にあった大きな扉を開けて教会へと足を踏み入れ)」
「……(イヴァンに続くように歩き)」
「まあ、堅苦しい話は何もない。言いたいこと、聞きたいこと……あれば何でも言ってごらん(とんと長椅子に腰掛け)」
「……(イヴァンの座っている長椅子の背もたれに背を向けるように腰掛け)……どうして俺を助けてくれたんだ」
「んー、……僕好みの美味しそうな匂いだったからかなあ(ふっと笑い)」
「美味しそう?(不思議そうにイヴァンの方を振り返り)」
「美味しそうな、どろどろの闇の匂い。苦しくて怖くて、今にも壊れてしまいそうな甘美な香り……狂ってしまう程、ヒトはいい匂いになる(天井を見上げながら)」
「(つられる様に天井を見上げ)……俺は、狂ってる、のか(特に感情のない声で呟き)」
「ヒトは君を見ると、そう思うだろうね。けれど……僕たちはそれが正常なのさ(ぺろりと舌なめずりをして)」
「(手を頭上に翳しながら)……なあ、ヴァーニャには赤い継ぎ接ぎは見えるか?」
「……いや、見えないかな。君には見えるのかな?」
「(こくんと頷き)最初は家の机に、椅子に。そんで次は野良犬に近所の婆さんに継ぎ接ぎがあるのが見えた。…試しに野良犬についた継ぎ接ぎを触ったんだ。そしたら、バラバラに壊れた」
「へえ、それは興味深いね。……もしかしたらそれは、万物の急所なのかも……なんてね」
「急所……そうかもな。そこをなぞったら犬も机もバラバラになるし。……でも、親父は触れるなって言った。約束したんだ(手に何かが見えているのかそれを睨むように)」
「本当は?(目を細めて口元に笑みを浮かべ)」
「触れたい、壊したい……めちゃくちゃに、したい(ぎらりと赤い目を輝かせながら口元に笑みを浮かべて)」
「そうだね、壊すも壊さないも君の自由。……けれど、我慢は良くない。壊したいのなら、たくさん壊していいんだよ(甘やかすような声音で)」
「……(じっとイヴァンを見つめ)ヴァーニャは、不思議だな。継ぎ接ぎがない(身を乗り出してイヴァンの両頬に手を添えて覗き込む)」
「僕にはないのかあ。……うふふ、でもあったらそれは大問題かな?(されるがままに笑い)」
「継ぎ接ぎは死期が近い奴ほど濃くなるんだ。そうじゃなかったら多分薄い。……けどヴァーニャにはない。残念だな(ふっと笑って)」
「君の傍には濃い継ぎ接ぎ、あった?」
「…親父とおふくろ。…ああ、あのハイマンは後から薄くなってたか」
「後から薄く……ああ、神格化のことか。まったく、惜しい人材を奪われたもんだ(そう言いながらも楽しそうに目を細め)」
「……ヴァーニャに無いの、ほんと残念だな(すとんと横に腰掛け)」
「あったら僕のことも壊した?」
「壊したら、どんな顔するかは見たかった(ステンドグラスの光を後ろから浴びながら綺麗に微笑み)」
「壊すも壊さないも自由だけど……僕が対象になったら嫌だなあ(けらけらと笑いながら)」
「……怖くないのか?俺が(不思議そうに何度も瞬きして)」
「ラルヴァを怖がる必要なんて、僕にはないからね(口の端を吊り上げ)」
「……(何か思いついたようにイヴァンの肩を押して長椅子に仰向けに横になったところを馬乗りして首筋に手を掛けながら)……これでもか?(小首を傾げながら)」
「殺せる?君に?(楽しそうに笑ったままギルベルトを見上げ)」
「(首筋に爪を立てぷつりと傷口が出来るのを見つめながら)……お前を殺したら食事が出来ないから、無理」
「そうだね、僕がいなくなったらこの甘い蜜は飲めなくなるものね(痛がる素振りすら見せず表情は変わらない)」
「んっ……は(首筋に舌を這わせて)…どうして、この味を俺は知ろうとしなかったんだろうな」
「ん、(傷口を舐められて息を詰め)……そうだね、それなら今から知ればいい。君は自由なんだから」
「んっ、もっと……もっとほしっ……んん(傷口に歯を立ててちゅうちゅうと血を吸い出し)」
「っふ、あー……これは、なかなか人間には堪える(酩酊感と貧血症状にくつくつと喉奥で笑い)」
「っんぁ…(吸血していくうちに迫り上がる強すぎる快楽に体を震わせるも夢中に吸い上げ)」
「っ、あ、これ以上は1回止めないと立てないかも。……ギルベルト君、ストップ(ギルベルトの額を手で押し上げながら)」
「……けち(傷口に滲む血を舐め取りながら不服そうに見つめる)」
「1回で全部取られたら、僕はすぐ干乾びちゃうよ(苦笑を漏らし)……そうだね、時間と量を決めよう。そうすれば、君は恒久的に僕から血を飲める」
「……わかった(こくんと頷き)」
「物分かりのいい子は好きだよ。……そうだね、量は調整しながら考えるとして……時間はあの大時計が鳴る時、どうかな?」
「それでいい。食事を貰えるなら(大時計を見つめながら)」
「そういえば、血以外は食べたり飲んだりする?好き嫌いがあれば多少なら融通利かせるよ?」
「(目を伏せながら)多少は腹は満たされるけど味がしないから食事は、いい」
「そっか。じゃあその辺は他のふたりにも伝えておくね。もし何か食べたい時は誰かに言ってくれれば、食事の人数にカウントするよ(目を細めて笑い)」
「……(こくんと頷いて)」
「それと、近いうちに服も新調しようね。随分ボロボロだし、いい機会だよ。君は自由を得て生まれ変わったんだから」
「……別に、なんだっていい(自身の服を見つめながら)」
「じゃあ僕が君に見合う服を持ってくるね。……そうだ、ギルベルト君。両手を出して?」
「手?……ん(言われた通りイヴァンの前に両腕を差し出し)」
「(両手を取ると懐から取り出したバングルをかちりと嵌め)……君に、よく似合うよ」
「(嵌められたバングルを見つめながら)……少し、きつい」
「きつい?それはきっと、君の心がまだどこかに引っ掛かっているからだよ。……見果てぬ大地へ、一歩踏み出してご覧?」
「……(バングルを顔の前まで近づけ、ぼんやりとした眼差しで見つめ)……踏み出せば、これも馴染む、か」
「そういうこと。……これはね、聖印でもある。君の中に眠るプリーストとしての可能性、手にすればまた君は自由になれるよ(くすくすと笑いながら)」
「(目を細め)…プリースト……おふくろにはその素質があった。……俺、にも?(バングルの表面を撫でながら)」
「君にも眠っているよ、お母さんの持っていた素質と同じものが。……さあ、目覚めてご覧(ギルベルトの心臓を撫でるように手を這わせ)」
「つっ……ぅ(心臓を直に撫でられるような錯覚に思わず体を強ばらせ息を詰める)」
「君は誰を信仰する?……君が主と崇める神の名を、言って?(にやりと口元を歪め)」
「っあ……お、れは(イヴァンの手に自分の手を重ねながら)俺の、当たり前の狂気を、理性を、この身を……ラーリス、お、前に(黒い光が心臓から身体の末端を包むと同時に目からは一筋の涙が溢れる)」
「……与えよう。君に僕の、狂神ラーリスの力を。……さあ、受け取ってくれるかな?(黒い光を集めてギルベルトの心臓へと戻し)……ようこそ、僕らラーリス陣営の黒き世界へ(淀んだ笑みを浮かべ)」
「っあ……う(力の覚醒に負担がかかったのか体に力が抜け体が後ろへ倒れるように傾く)」
「っと(倒れる前に腕で受け止め)……ありがとう、ここまで堕ちてくれて」
「あり……が、とう?(意識が薄れていく中でイヴァンを見つめながら)」
「うふふ、君があまりにも魅力的な匂いを放ってたからね。ずっとずっと、欲しかったんだよ(長椅子にギルベルトを横たえ)」
「……っ(何かを言おうと口が開くもそれは叶わず瞼がゆっくりと閉じていく)」
「今はゆっくりとおやすみ。願うならば、目覚めた君が元気でありますよう(椅子の背凭れに寄り掛かってギルベルトの髪を撫で)」
「(扉の隙間から2人の様子を伺い)……やはりあのラルヴァ、生かしておくわけにいくまい」
「(扉の隙間から悔しそうに見つめ)……ナターリヤちゃんの気を引きまくるギルベルト取り敢えず殴りたい」
「だが殺すとなると兄さんにバレる……はあ、たまたま床に落ちていた銀の弾丸を踏んで死んでくれないだろうか(ぶつぶつ)」
「……思案中ごめんね、ナターリヤちゃん。それ、下手すると俺たちも大怪我するよ……銀は……(真顔)」
「ぐぬぬぬ……ならば日光浴でもして死ね(至って真面目)」
「ああ、真面目に考えるナターリヤちゃんも可愛すぎてつらい(はらはらと泣きながら)」
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