ソードワールドしようぜ!-Under-
【カグラ邸 客室】
「皆さん御苦労様でした。粗茶ですがこれで一息ついてください(お盆に人数分の緑茶と色鮮やかな茶菓子を乗せて卓袱台の方へ近付く)」
「(即座に茶菓子に手を伸ばし)これ、食べていいのかい?」
「毒は入ってないよアルフレッド君!…それとも何かーい?さてはお腹すいてなくていらにゃーのかなあ?(アルフレッドの茶菓子が乗った皿に手を伸ばし)」
「!!(ばっと茶菓子の皿を隠すように覆い被さり)違うって!……ちょっとした癖さ。ちびの頃から一応、よそ様の家では許可取って食えって育てられてるからね」
「たまにおめはそういう育ちの良さが出るな(緑茶に息を吹きかけ冷ましながら)」
「ジョーンズ家の跡取りだからね!……一応(家出をしてる現状に口笛を吹いて誤魔化し)」
「……(ルーカスの言葉に許可が出るまで待つつもりだったがすぐさま緑茶に手を伸ばす)」
「(億劫そうに座卓に伏せていた顔を上げ)……で、何の話だったでしょうか」
「俺の家にいらした大勢のお客様の接待を助けに来て頂いたのでは?(くすくすと笑いながら口元を手で覆い)」
「……そうでしたっけ?(本調子ではないのかぼうっとしたままの瞳でアーサーの方を振り向き)」
「…カグラ、その口振りは分かっているんだろう(困ったように微笑み)」
「ふふ、申し訳ございません。……俺に、そしてそちらのシャオリィさんに伺いたいことがあるんですよね(目隠しごしにシャオリィに視線を向け)」
「(縁側で寛いでいたが呼びかけに振り向き)ああ、俺にも用件でしたか。いやはや、気が利かない男で申し訳ありませんねえ」
「?伺いたいこと?(キク達の方を見つめながら首を傾げ)」
「……!(はっとした表情で目を瞬かせ)そうでした、訊きたいことがあるのでした」
「(キクの方に視線を向けるとこくんと頷き)……カグラとシャオリィさんはこちらの世界の住人ではない、ですよね?」
「……肉体は、この世界の住人ですよ。俺はね」
「俺の場合はそれで言うと身も心もこっちの世界の住人と言うべきでしょうか(可愛らしく小首を傾げ)」
「……(色々聞きたいことはあるが敢えて空気を読んで動向を見守っている)」
「……(口を挟むべきでないと把握したので黙ってお茶を啜っている)」
「しかし、貴方がたは他の世界……とでもいうべき場所にいた存在なのでは?」
「(降参するように両手を挙げ)俺は、ここでない別の世界の魂をこの世界の『俺』に移し替えて様々な世界を巡る男です。……で、答えになりましたかね?」
「!シャオリィさん、その魂を移し替えることによって自分や……周囲への影響はあるんですか?」
「んー……世界によってまちまちでしたね。とある世界に行った際は何もなかったのに、別の世界に飛んでみたら……と言った具合に(悪戯めいた笑みを浮かべ)」
「(こめかみを指でノックし)……例えば、その火に弱い体が移し替えた時の弊害ですか?」
「!……おっと、ラクシアでの『俺』の出自を見抜いてらっしゃったか。そうですね、前の世界では何もなかった俺も、この世界では炎に触れただけで激痛を伴うのが弊害でしょう」
「……はる、貴方は?(カグラの方へと視線を向け)」
「俺の場合は成すべきことを果たす為に儀式で自分の身を捧げた為です。いやあ、我ながら無茶な儀式でしたよ。何せ『元いた世界から存在した痕跡毎別世界に飛ばす』という条件ですから。……飛ばされた世界が黄泉ではない事に唖然としましたねえ」
「痕跡ごと……(唇を指で撫で)……ということは、そこの彼とは違って今回が初めての移動ということですか?」
「ええ、はじめてです。と、おふたりが本当に聞きたいことはこうでしょう?(手のひらに閉ざした扇子を叩き)『別世界に魂を飛ばした時に宿った器に影響しない方法』、と言った所ですか?」
「……お見通し、ということですね」
「カグラ、その方法を知っているなら教えてくれ」
「んー、そうですねえ。まずは魂を同調しやすくなる道具を外す。そしてその器の魂に憑依することを同意して頂く。それがセオリーというものでしょうか」
「同調……(そっと自身のピアスに触れ)」
「まあ道具はあくまで同調しやすくなるものです。何度か憑依を繰り返せば道具がなくとも容易に起こりうることでしょう(キクとアーサーの前に正座し)」
「同意してと言ったが器に同時にふたつの魂が覚醒しているのはその器に負担がかからないのか?」
「それはアーサーさん。貴方がよく存じていらっしゃるでしょう?」
「……(複雑そうな表情で視線を逸らし)」
「……つまり『どちらかの魂が器にふたつとも入るように寄り添う』っつーことけ?(傍観を決め込んでいたが離れた位置から声をかけ)」
「ええ、そういう事です(にっこりと微笑み)」
「アーサーならともかく、キクには無理そうな話じゃないかい?(茶菓子を一つ摘まんで口に放り込み)」
「うぐ……(その通りなので言い返せない)」
「いえ、そこは問題は無いでしょう。なぜならそのキクさんの憑依なされている器の主ならきっと貴方に寄り添って頂けます(自信のある様子で断言し)」
「?なんでカグラが断言できるんだい?会ったことないんだろう??(不思議そうに首を傾げ)」
「いえ、分かります。あの方ならきっと理解してくださる。……そういう方ですから(俯きながら懐かしそうに語り)」
「???(更に理解出来ない様子で首を深く傾げ)」
「……しかし、取り敢えず現状以上の悪化はないように対策は練れそうですね。それでよしとしましょう(小さく息を吐き)」
「……問題はあの二柱、か」
「ル=ロウドにラーリス……っ(ぎりぎりと奥歯を噛み締め)」
「……(ふーっと小さくため息を漏らし)」
「……そういえばカグラ、ラーリスとその……茶飲み友達だと聞いたが(恐る恐る)」
「嗚呼はい。つい先日も其方の縁側でお茶を共にしました(けろり)」
「……(唖然)」
「おめは何してんだ(真顔)」
「あんなのとよくお茶飲めるね(真顔)」
「その茶飲み友達に氷柱攻撃されたよね、カグラ君(真顔)」
「いやあ、覗き見はいけませんでしたね。次から控えましょう(しみじみと頷き)…それに彼等にも色々思う所もあるようですよ」
「思うところ?……我らを叩き落とす算段でしょうかねえ(深く溜息を吐き)」
「そうなると神様は皆破壊衝動をお持ちの駄々っ子になってしまいますよ(アーサーを一瞥するとくすくすと笑って)」
「……俺は駄々っ子じゃないぞ」
「……はる、取り消しなさい。いくら貴方と言っても、我が神、我が主アルトゥールを穢すとなれば、言葉が過ぎますよ(即座に刀を抜き)」
「(平然と刀の切先を見つめ)ええ、訂正致しましょう。…神様とやらは皆どうしようもない駄々っ子と」
「(ぎろりと睨みつけて刀を鞘に戻し)……二度目はないと思いなさい。我が神を堕とそうという者はすべて私の敵です」
「いやキク、俺は気にしていないさ。むしろ今のカグラの言葉は神様と向き合ったからこその言葉だろう。…それも客観的に見た感想だ」
「しかし……っ、……いえ、出過ぎた真似を致しました。申し訳ございません(アーサーの前に膝をつくと深々と頭を下げ)」
「キク、顔を上げてくれ。俺のために怒ってくれたのは分かるから(キクの頭に優しく触れるとゆっくりと撫で)」
「……勿体なきお言葉です(頭を上げると気まずいやら恥ずかしいやら嬉しいやらがごちゃごちゃになった表情で苦笑し)」
「……そんで、おめの見た駄々っ子はどうごねてるわけだ?」
「……寂しがり屋、と言えば良いでしょうか」
「寂しがり屋?(カグラの言葉に視線だけを向け)」
「ええ。まるで親を見失い探し回る迷子で、沢山の玩具を親の愛の代わりに与えられた裕福な子のように見えました」
「迷子……とはまた、随分な言い回しですね。あれらは幼子ではないでしょうに……いや、自分の自由の為になら牙を振るう幼子ではありますか(納得したように目を瞬かせ)」
「……なぜ彼等は自由になりたいんだろう(長い睫毛を伏せ物憂げに)」
「無くしたものを、取り戻したかったんじゃないかな(無意識に呟き)」
「……アルフレッド?(アルフレッドの方へ振り返り)」
「…………え?(きょとりと目を見開き)」
「……(シャオリィの方へ近寄り)シャオさん、貴方も彼らの前の姿をご存知でしょう?(耳元に口を寄せ)」
「(関わる気がなかったが顔を上げてくすりと微笑み)……ええ、視えておりますよ。彼らの過去は」
「となると俺……少しばかりヒントを与えすぎましたでしょうか?(ひそひそ)」
「いいえ、構わないのでは?……この時間軸に、彼らが介入出来ればそれでよし。出来ねばこの時間軸の彼らがどうにかする。極めて単純ではありませんか」
「まあそれもそうですね。…いけませんねえ、どうもあの方に重なってしまうのかつい手を出してしまいます。…少々嫌われてしまいましたが(キクの方を横目で見つめながら)」
「ふふ、それならばあの神格にちょっかい出さなければいいのでは?……まあ、ふたりとも反応が面白いのでからかいたくなる気持ちは分かりますけれどね(脇に除けていた湯呑を取り上げて茶を啜り)」
「…俺達はまだあの二柱を理解していない部分があるのかもしれないな」
「……そうですね、敵を知らねば倒す術も見出せないということでしょう」
「敵を知る、なあ(ヴェールの上から頭を掻きながら)…ラーリスもル=ロウドも謎めいた奴らだからな」
「何か文献の一つでも残っていればいいのですが……いや、周到な彼らのことです。そういったものはすべて失わせている可能性もある」
「ラーリスもル=ロウドもどのようにして神格を得たか詳しく書かれた文献は確かに見たことは無いな…(こめかみを指でノックしながら)」
「……(湯呑を握りしめたまま俯いて揺れる波紋を見つめ)」
「……(湯呑みを握りしめているその手に自身の手を重ね)大丈夫か?」
「ッ、あ、ああ……大丈夫なんだけど……なんでだろう、さっきからこの辺が……ざわざわするんだ……(左手で自分の胸元を握りしめ)」
「あれかい?ガリ勉君のこと心配になっちゃったなう?(言葉は軽いが心配そうに顔を覗き込み)」
「(複雑そうに笑い)……そう、だと思いたい。けど、断言出来ない自分がいるんだ」
「…ふう。さてと、お茶を入れ直しましょ……っつ(無意識に戦闘での体の酷使のツケが来たのか立ち上がる瞬間にふらつきアルフレッドの方へ傾く)」
「!?(慌ててカグラを受け止めるが、受け止め切れずに自身を下敷きにして勢いよく頭を床に打ち付ける)」
「!?アルフレッド!カグラ!!(ふたりの元へ駆け寄り)」
「これは……随分と派手に打ち付けましたね……」
「おやおやバッティングしちゃ……あ(はらりと目隠し代わりの布が宙に舞うのを見つめ)」
「!!アルフレッド!今すぐ目を閉じろ!!(切羽詰まった声でアルフレッドに声をかけ)」
「……え?(間に合わなかったのかしっかりとカグラと目を合わせている)」
『……ぁ…お願い……ら……すれて……』
「ッ、なに、これ……?(びくりと震えると何処からか聞こえた声に身を縮め)」
『もう……れて…それがお前の…なら』
「……なん、だよ……なん、で……(必死で耳を塞ぎ)」
『お前を傷つけるものはそうだ……ればいい、だから……も…て』
「(ぼろぼろと大粒の涙を零し)やだ……やだ、やめて……なんで……なんでだよ……ッ!!」
『そう。…これは俺のエゴなんだよ、アル』
「ッッ!!フラ……ッ!!(救いを求めるかのように手を伸ばし)」
「ァ……アルフ……ド……アルフレッド!!」
「!!(はっと意識を浮上させ)……こ、こ……」
「(スタッフをしまいながら額の汗を袖で拭い)……はあ、石像になんのは止められたか」
「いやはや、バジリスクの眼力とは末恐ろしい……ここまでの力があるとは(アルフレッドの様子を眺め)」
「アルフレッド君、危うくここで食いしんボーイとして称えられた石像にリアルになりそうだったんだぜ(肩ポン)」
「……うん(何処か切なさを秘めた瞳を強く瞑って顔を自身の掌で覆い)」
「…アルフレッド?どうした?(視線が合うように膝立ちになり)」
「……多分、俺が石になってた間に……夢を、見たんだ。誰かが、泣きそうになってるのに、泣かないで俺の名前を……呼んでる夢(ぐしゃりと自身の前髪を握り潰し)」
「…(肩をあやす様に優しく叩き)アルフレッドにとってそれは優しい夢、だったんだな」
「(小さく頷き)……優しいのに、酷く悲しかった。……俺、あの人を知ってる気がするんだ。知らないはずなのに、俺は知ってるんだ……」
「あー…あんまり無理して思い出そうとすんな。そだなこどしたら心身共に支障きたすぞ。というか無理したらぶん殴るからな(スタッフを素振りし)」
「……無理は、してないさ。たぶんね(手を離すと涙で濡れた瞳で微笑み)」
「……(これは思い出そうとするんでしょうねえという顔)」
「カグラ君も大丈夫ー?(カグラの方へ振り返り)」
「……(顔覆い)」
「はる、いい加減顔を見せなさい。先程からずっと顔を覆って(肩を竦め)」
「いえ、今の俺はどうしようもない男です。屑です。駄目なお子さみゃ…ほら、こんな時にも噛んでしまう憐れな男です(顔を覆ったまま)」
「めちゃくちゃ凹んではりますやん(真顔)」
「……誰でも失敗のひとつやふたつあるでしょうに。まあ、今回はルーカスがいたので大事には至りませんでしたけれど、次から気を付ければいいでしょう(立ち上がるとぐしゃぐしゃとカグラの頭を撫で)」
「……(おそるおそる顔を上げ)」
「……返事は?(顔を上げたことを確認するとカグラに目線を合わせるようにしゃがむ)」
「……はい。ごめんなさい(どこか幼い声色で答えながら目隠し越しにキクを見つめる)」
「ふむ、よろしい。百点満点です(もう一度だけわしゃわしゃとカグラの頭を撫でて微笑み)」
「…………祖国、様(撫でられる感覚に目頭に熱がこみ上げるのを耐え涙の代わりにぽろりと言葉が零れ)」
「祖国……?(きょとりと目を瞬かせ)」
「嗚呼いえっ(ぶんぶんと首を横に振り)…な、なんでもないです(どこか恥ずかしげに)」
「そうですか……(何処か腑に落ちない様子だが詮索はしないようにと再度微笑み)」
「……(アルフレッドの肩に触れた手をじっと見つめ)」
「アーサー?……どうかしたのかい?(動かない様子のアーサーに声を掛け)」
「いや…その…(一瞬考え込み頷くがすぐに顔を上げアルフレッドの方に振り返り)…アルフレッド、気分を悪くしたら済まない」
「俺が?気を悪く??」
「(こくりと頷き)俺が神格に目覚めた時に与えられた能力があってその…触れた相手の強く印象に残る記憶や想いを読み取る力でだな(申し訳なさそうにアルフレッドを見つめ)」
「……何が見えたか、訊いてもいい?(困ったように眉根を下げ)」
「…一面に拡がる羽根と男性。そしてアルフレッドだが…まるで文献で読んだマナフレアという種族のように体から炎を出していた二つの影が」
「!!(自身すら見えなかった靄にびくりと竦み)……俺、は……人間だよ?はは、面白い記憶だなあ(そう言いながらも脂汗が滲むことを抑えられず)」
「ああ、勿論アルフレッドが人間だって分かってる。…だがそれが強く印象に残っている筈なんだが…何かがそれを思い出させないようにしている(眉間に皺を寄せ)」
「……俺、が、印象に残っている……?……俺は、アルフレッドとして生まれる前は……そうだった、けれど……何かがそれを隠している、ってことかい?(言い知れぬ不安感に眉を顰め)」
「恐らく。きっとアルフレッド自身はそれを思い出したい。だが何かが…その何かが分からないがそれを阻止しているんだ」
「(自身の口を覆い)……俺が思い出したら、きっと『何か』にとって都合が悪い……いや、思い出してほしくない……俺が、忘れていた方がいい……?(段々と混乱して発言が不明瞭になり)」
「……ん!(アルフレッドとアーサーの背中を強く叩く)」
「いっ!?」
「だっ!?」
「さっき俺が言ったこどばもう忘れたか?いまのおめはその思い出したい記憶と今がごちゃごちゃになってパニック起こしてんべ。一旦落ち着け」
「……(俺が叩かれたのはなんでだろう)」
「でもっ、俺はそれを知りたい!……なんでか分からないけど、知らないといけないんだ。知らないと、あいつをまた独りに……独り、に?(自身の口から滑り出した言葉に目を見開き)」
「……これはなかなかに重症なのか、重要課題なのか(錯乱状態のアルフレッドを一瞥し)」
「知りたいってのはよく分かる。だがそれで周り見えなくなってみろ。……守るべきものを守れなくなるぞ(真っ直ぐにアルフレッドを見つめ)」
「ッ……ごめ、ごめん……でも、俺は……(俯いて唇を噛み締め)」
「(ばしばしと背中を叩き)思い出すなとは言ってね。だが自我は持て。自分を忘れるな。記憶の奔流に流されたらそれこそ本末転倒だべ」
「……(ふたりの様子を見つめていたがゆっくりと瞳を閉じ先程見たアルフレッドの記憶を思い出そうと集中)」
「(アーサーの様子を確認するとそっと近づき)……アーサーさん、何か視えましたか?」
「(左右に首を振り)…駄目だ。記憶を掘り下げようとしても羽根が一面を覆うように視界を塞ぐんだ」
「……羽根。…………羽根と言えば、鳥?(悩まし気に目を細めて自身の唇を撫で)」
「鳥…だが鳥ではないもっとこう……っ(更に真相に迫ろうとするも脳に激痛が一瞬走り額を押さえる)」
「ッ!!アーティ!!(慌ててアーサーの身体を抱きしめ)」
「っつ……はぁ……大丈夫だ。どうやら俺には特に探られたくないと見たよ(額に玉汗が浮かぶのを拭いながら苦笑いを浮かべ)」
「……探られたくない、ということは意思のある何かが遮っているのでしょうね。しかし、無理はすべきではない。アーティ、貴方の為にも(恭しく手を取るとその甲に口づけを落とし)」
「ん、(手の甲に触れる感覚に擽ったさを覚え)ありがとう。そうだな、これ以上詮索するのはやめておくよ。なんとなくだがこの遮っている相手は俺じゃなくてアルフレッドに思い出してほしいとも願っているようだからな」
「そうですね、彼がその枷を外して思い出すのが一番でしょう。……しかし、恐らくそれは前世の記憶。……私たちが誰しも持ち得るものだと思うと、他人事ではありませんね(苦笑を浮かべ)」
「ああ。前世か……(キクの手を自分の頬に触れさせ)俺の前世はそうなるとキクに出会った人間だった頃か?(小首を傾げながら)」
「……我が主は時に意地悪です(むっとしながらも慈しむようにアーサーの頬を撫で)」
「??何か悪い事を言ったか?(不思議そうな表情で頬をすり寄せ)」
「いいえ、なにも。……貴方を失わないように、私はこの力を得たのですから(愛しさに微笑みを浮かべ)」
「!!(綺麗な笑みを間近で披露されたことに顔を赤らめ)…お、俺だって……俺だってキクと共に生きる為に強くなりたいと願ったんだ(照れながらも視線はそらさず)」
「まあ……(うっとりと目を細め)何と嬉しいお言葉でしょうか。愛しのアーティ、私は貴方の傍で生きると誓いました。この命は、永久に貴方の為に。だから、この灯が潰えることはありませんよ」
「相変わらず大袈裟だなキクは(くすくすと微笑みながら頬に添えられていた手を掴み自身の方へ引き寄せ)…そんな口はこうしてやる。っん、(触れるような口付けを交わし)」
「んっ、……っはあ、熱烈なお方(幸せそうに頬を赤らめて微笑み)」
「……熱いのは、嫌い?(赤いティアドロップを指で弾きながら熱にうかされた眼差しを向け)」
「……いいえ、滾ってしまいそう(とろりとした視線を送ると口元に妖艶な笑みを乗せ)」
「(艶めかしい笑みに目眩を起こす錯覚を覚え)……キクはえっちだ(ジト目)」
「おや、えっちだなんて。……ふふふ、嫌らしい私はお嫌い?(先程の問いを真似するように微笑むと同じように緑色のティアドロップを優しく揺らし)」
「嫌いなわけないだろ。…ただ、少し余裕が無い(顔を赤らめながら視線を斜め下に逸らし)」
「ああ、可愛い。我が主はどうしてこんなに可愛いのでしょう(幸せそうな吐息を漏らすとティアドロップから耳へと指先を動かし)」
「っ、可愛いとか言うなっ(耳に触れられた感覚に体を揺らしキクのリボンタイを掴む)」
「おっと(リボンタイを掴まれたことで耳から手を離して両手を挙げ)……お戯れが過ぎましたか?」
「ああ、やり過ぎだ。…俺だってちゃんとした男だって、分かるだろ?(掴んでいたリボンタイを口に据えながらキクを見下ろし)」
「……それは大変失礼致しました。あまりにも貴方様が可愛らしくて、つい(微笑みながらもアーサーを見上げ)」
「……キクは1度ルーカス司祭に目を見てもらうといいぞ(口に含んだままそのままリボンタイを解き)」
「何を仰いますか。私の目は正常に貴方を捉えておりますよ?(リボンタイを解かれる様子を見つめ)」
「正常かどうかを疑う所だな(首筋にキスを落としながらシャツの第1ボタンを解き)」
「ッ、(首筋に伝わる振動に小さく肩を震わせ)……私の目を疑わてしまいました(誤魔化すようにお道化)」
「(喉仏を歯を立てずに甘噛みし)…キクは少々俺を美化する気があるからな」
「それはお互いさま、でしょうに……アーティ、貴方も私に夢を見過ぎですよ(喉仏を甘噛みされて昂る自身を誤魔化しながら曖昧に微笑み)」
「夢なら見るさ。お前はナイトメア。…俺に優しい夢を見せてくれるだろ?(喉仏から顎の下までキスを落としながらゆっくり上がり視線が合う距離で熱に帯びた目を細める)」
「!!(目を見開き)……悪夢と罵られることはあっても、優しいだなんて言うのは貴方だけですよ。……望むのなら、どこまででも幸せで優しい夢を(熱を孕んだ視線に応えるように見つめ)」
「ああ(自身の掌にキクの手を乗せダンスに誘うようにその場で腰をおり頭を下げ)お前とならいつまでも夢の中で居られそうだ(手の甲にキスを落とし)」
「でも、醒めない夢はお嫌でしょう?ですから、私が与えるのは現実に戻る幸せな悪夢ですよ(甲に感じるぬくもりにとろりと表情を蕩けさせ)」
「……これはお布団の用意必須ですかねえ(ふたりの世界に入る光景を見つめながら)」
「神格とその従者が集うとこうなるのは定めなのですかねえ(膝に肘をついて茶を啜り)」
「寧ろ番になって頂ける方を従者にされているのかもしれませんね。いやあお熱いですねえ(扇子をひらひらとはためかせ)」
「(がたんと立ち上がり)俺、ちょっと気分転換で外歩いてくるよ!帰るんでも寝るんでも、あとで呼んでくれるかい?」
「おー。あと俺の目が届かねえとこで無茶したらただじゃおかねえからな(さらりと恐ろしいことを吐きながら手を振り)」
「わーってるって!ルーカスの魔法も杖アタックも痛いの知ってるからね!(手を振ってからブーツを引っ掛けて屋敷の外に飛び出し)」
「……絶対分かってねえな(深い溜息をついて)」
「若いとはいいですねえ、色んな意味で(からころと笑い)」
「……大丈夫さ、だって俺は俺だからね。でもさ……『君』は誰なの?(鳥居の前で立ち止まって空を見上げ)」
「それを知って貴殿はどうしたいんでしょうね」
「ッ、誰だい!(即座に銃を構えようとするものの武器をすべて置いてきたことに気付き、慌てて地面の石を拾い)」
「ご安心を。私はどこかの気狂いとは違い暴力で解決するつもりはありません。あるのはただ興味、それだけです(気配を感じさせることなく背後に立ち)」
「!!(反応が遅れて振り向き)誰だい……君は」
「私ですか。そうですねえ…(丁寧に頭を下げ)キルヒア、とでも呼んでください(にっこりと微笑み)」
「キっ……!?……笑えないジョークだね。古代神?(引き攣った笑みを浮かべ)」
「ジョーク…ふむ、ここで嘘ぴょーんとでも茶目っ気を見せれば良いのか。まあいいです、それは次回に使うと致しましょう(狂人スマイル)」
「(半信半疑にキルヒアを見つめ)……君がもし、本物の古代神・キルヒアだとして、俺に何の用だい?残念だけど、俺は信者じゃないんだぞ」
「べつに信者を集めるつもりはありませんよ。…私は貴殿に少々興味があるのです。ある男がそれ程までに執着する貴殿を(にいっと口角を釣り上げ)」
「は?……執着する?俺に?……身に覚えないんだぞ(目を瞬かせ)」
「ええ、執着とは見えないものですが……ほう、なかなかどうして(愉しそうに見つめ)」
「……なんだよ、言いたいことがあるならはっきり言えばいいじゃないか(視線に居心地の悪さを覚え)」
「……貴殿は苦しい事や悲しい事を忘れたいと願うことはありますか?ちなみに私はNOです」
「忘れたい?……俺は忘れたくないけど、一緒に誰かが巻き込まれたなら、その人が悲しむ記憶なんてなくなればいいとは思うけど」
「おや」
「……俺、変なこと言った?」
「いえべつに(くすくす笑うと一歩下がり)」
「?なんで下がったんだい?(不思議そうに首を傾げ)」
「ふふ、それはですね。……帰るためですよ!(ぱちんと指鳴らすと周囲に水晶のコアが展開)」
「うわっ!?(水晶のコアの音に思わず耳を塞ぎ)」
「君はなかなかに筋がいい。……早くわかればいいですね」
「待って!それってどういう……」
「はははは!悩みたまえ!(水晶のコアが密集すると眩い光が一面に放つ)」
「ッ!!(両腕で光を遮るように目を覆い)……なんだったんだよ、いったい」
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