ダブルクロスしようぜ!

【某ホテル 会議室内】

普「ふおあ!?(がばりと突っ伏していた顔を上げる)」
米「ぎゃああああ!?!?!?!?(悲鳴を上げながら椅子から転げ落ち)」

伊「あ、議長ー!ふたりが起きましたー(元気よくドイツの方に手を挙げ)」
独「兄貴、アメリカも。……会議中に堂々昼寝とはいい度胸をしているな?(笑顔だが顔に青筋を刻み)」
米「……あれ?(目を瞬かせ)」
普「……ゆ、ゆめ?(ぱちぱちと瞬きを繰り返すと周囲を見渡し)……なんだ、夢か(はあっと安堵のため息)」
英「……お前ら、机に涎ついてるぞ。汚ねえ(呆れた様子で机を指でノックし)」
日「おやまあ、ふふ。よろしかったらどうぞ(近くの席だったのでふたりに濡れティッシュを差し出し)」
普「お、おう。ありがとよ日本(素直に濡れティッシュを受け取ると下半身の違和感な気付きこそこそと足を閉じる)」

米「……俺、そんなに欲求不満なのかい……(思わず夢を思い返して顔を覆い)」
仏「欲求不満?なになにー?エッチな夢でも見たのー?(にやにやと笑いながらアメリカの脇を小突き)」
米「……君が昨日容赦なく色々やらかしたせいなんだぞ(ぶうっと唇を尖らせてフランスを睨み)」
仏「ええーなんのことー?(思い当たるのか笑みはそのままに頭を撫で)…で、大丈夫なわけ?」
米「大丈夫じゃない(日本から受け取った濡れティッシュで口元と机を拭き)」

露「え、もしかしてプロイセン君も夢精しちゃったの?……大丈夫?(思わず真顔)」
普「ち、ちっ違うわ!俺がそっそんな夢見るわけ……ん?おれ、も?(ロシアの言葉に引っかかりちらりとアメリカを見つめる)」
米「……ロシア、君ってデリカシーって言葉知ってるかい?」
露「うわあ、アメリカ君にデリカシーって言葉が存在してたことがびっくりだなあ(にこにこ)」

伊「ドイツー何だかふたりが混乱してるから俺は一旦休憩した方が良いと思うであります!そしてみんなでドルチェしようよー!(きらきらとした眼差しでドイツを見つめ)」
独「そうだな。……これ以上埒が明かん。今から30分休憩とする!各自、時間を厳守するように!(黒板に30分後の時間を書き込み)」
伊「わーい!ドイツー、一緒に飲み物買いに行こうよー(席から立つとうきうきとした足取りでドイツに歩み寄り当然のように腕に抱きつき)」
独「こらくっつくな。歩きづらいだろう(そう言いながらも引き剥がすことなく席を立つと財布を取り出し)自販機にするか?それとも階下のカフェにするか?」
伊「んー、俺カプチーノ飲みたいかなあ。日本のぶんも買ってこようかあ?(腕に抱きついたまま日本の方へ振り返り)」
日「ふふ、お願いしてよろしいですか?お金はレシートを頂いたらお渡ししますので、立て替えていただけると助かります(イギリスの方へ歩み寄りながら微笑み)」
伊「まっかせてー!美味しいの買ってくるからね(日本にウインクするとドイツと共に会場から出る)」

諾「(イタリア達を見送りながら頬杖をついたままアメリカ達の方へ振り返り)……で、夢精した奴らばどんな夢さ見たんだ?」
米「君もデリカシーって言葉学ぶべきだと思うんだぞ!!(ノルウェーを指差し)」
普「んなの言えるわけねえだろ!……いや、夢精してねえよ!(震え声)」
日「プロイセン君、アメリカさん。……夢精は生理現象です、恥じることではありませんよ(苦笑)」
英「会議中に居眠りした挙句夢精するのはどうかと思うがな(深い溜息)」
露「ねー、そういうのはプライベートな時間でやってくれる?(首傾げ)」
仏「ハッ!?お兄さんとしたことがこれって睡眠姦するチャンスだったんじゃ……!?(背後に稲妻が走る)」
米「ハウス(真顔)」
普「変態は帰れ!」
仏「変態は帰らない!」
日「変態の自覚はあるんですか……」

普「……なあなあアメリカ(ちょいちょいと手招きし)」
米「……なんだい?(げっそりとした顔でプロイセンの方へと顔を寄せ)」
普「(近寄ってきたアメリカの耳元に顔を寄せ)その…お前の見た夢ってダブルクロス関係か?(ごにょごにょ)」
米「………………嘘だろう?(言い当てられたことで顔が真っ青になり)」
普「……まじかよ(互いに顔を見合わせ)そ、それってさその…UGNが…だな(ごにょごにょ)」
米「……もしかしなくても(ごにょごにょとなったプロイセンの目を見ると信じられないという表情を浮かべ)」
普「…………(口元を手で覆いながらはっきりと覚えすぎている夢の内容に顔を赤らめ)」
米「犯されてたやーつ(ぼそり)」
普「………………それ(口元を覆ったままこくこくと頷き)」
米「うわあ……なんで同じタイミングで同じ夢見てるんだい……」

諾「ダブルクロスさ言ったけ?(ふたりの間にひょこりと入る)」
米「うわっ!?(びくりと飛び上がり)」
普「!?!?(驚きのあまり勢いよく後退)」
諾「そごまでさ離れられると俺だって傷つくべ(真顔)」
米「い、いや急に来たら誰だってびっくりするんだぞ!」
普「そ、そうだそうだ!」
諾「……。そだなこどさ言ったらおめら、次の模擬戦どうなるか楽しみさしてるんだな(腕を組みながら)」
米「……次の模擬戦?」
普「……な、なあ。次の模擬戦相手ってさあ。その……エグザイルでソラリス……だったり?(恐る恐る)」
諾「(プロイセンの言葉に目を見開き)……なして分かったんだ?」
米「!!!!!(あんぐりと口を開け)」
普「うわあああああああ!!!(頭抱え)」
英「うるせえ(びしゃり)」
日「何かありましたか?(首を傾げ)」
普「(頭を抱えたまま)……俺様、次の模擬戦死ぬ気で取り掛かるわ(物騒な光を宿した目を携え)」
米「俺も……俺は絶対屈しない……日本、君も死にたくないなら本気を出すべきだよ……(ゲンドウポーズ)」
日「え、なぜ私?」
普「つかなんでアーサーはやられなかったんだよ……不公平すぎだろ(真顔)」
英「?さっきからお前らは何を言ってるんだ」
米「……君はおしりが平和でいいね(震え声)」
諾「おしりが平和(パワーワード)」

普「……なあ、アメリカ。そんなに気持ちいいのかよ(どこをとは敢えて言わず)」
米「……相手による(視線逸らし)」
普「…………くっそ(頭を抱え俯き)…夢の中なのに、なんでこんなにむずむずしてんだよ(ぼそりと小さく呟き)」
露「おしりがどうしたの?(急に話に割り込みながら)」
仏「さっきからアメリカもぷーちゃんも何してんの?(ひょこりとロシアと同様に顔を覗かせ)」
米「うわっ!……君のせいで色々散々ってことさ!(べっと舌を突き出し)」
仏「散々って……(髪を掻きながら)夢精しちゃったのはお兄さんのせいじゃないでしょうが。それとも何?(アメリカの手首を掴むと自身の方へ引き寄せ)……今すぐその火照りをとってほしいの?(耳元で囁き)」
米「っ!?……ステーキで手を打ってあげるよ(茶化すように口笛を吹き)」
仏「……そっ(ぱっと手を離し)ぷーちゃんもお前も一旦トイレ行ってきて処理したら?ナニをって言わせんな恥ずかしい(によによ)」
米「悪いね。……プロイセーン、連れショーン!(わざとらしくプロイセンの肩に腕を乗せると無理やり引っ張っていき)」
普「うおっ!?おい引っ張んなって!(ずるずると引き摺られながら会場から出ていく)」
仏「いってらっしゃーい(にこにこと笑いながら手を振り)」

露「……はー、難しいよねえ(プロイセンとアメリカの背中を見送ると溜息を零し)」
仏「ん?(ロシアの方へ振り返り)難しい?」
露「君たちの関係。……あと、僕とプロイセン君の関係(他の面々が各々休憩に移動していることを確認すると空いている椅子に腰掛け)」
仏「……お兄さんとアメリカの関係はともかく、ロシアとぷーちゃんの関係は気になるところだねえ(困ったように笑いながら隣の席に腰掛け)」
露「僕んちってさ、同性愛禁止なのは知ってるでしょ?最近は随分緩んできたけど。……プロイセン君が僕に好意を持ってくれても、僕は応えることが出来ない。ううん、応えたいんだけどね(いつもの朗らかな笑顔ではなく諦めた悲しい笑みを零し)」
仏「……ねえロシア。それってさあ、答え出てるよね?お兄さんは愛の国だから余計なお節介挟むけど好きって自覚したらもう逃げられないんだよ。…だってほら、否定しようが避けようがその子はいつまでも心のどこかに現れるんだから。まるで呪いだよね(くすくすと柔らかく微笑み笑う)」
露「そう。だから困ってるんだよ。……上司怖いから逆らいたくない。けどさあ、プロイセン君が大好きって気持ちは嘘じゃないから逃げれない。八方塞がりって本当に嫌だよ(机に顎を乗せると溜息を吐き)」
仏「ああ、あの例の上司さんねえ。…でもあの上司さんも何だかんだで受け入れてくれるとは思うよ。うん、愛の前には建前も体裁も何もかも最後は意味を持たないのさ(ロシアに向けてウインク)」
露「……いいなあ、そうやって心に素直に生きれるの。僕も素直に生きてるけど、……ああ、勘違いしないでね?別にプロイセン君を抱きたいとか、そういうのじゃあないんだ。純粋に好きなの。……そこに肉欲を挟んでないだけ、かなあ(目だけをフランスに向けると苦笑し)」
仏「ふむふむ。まあ愛ってのは一言で言っても家族愛や親愛、友愛ってのがあるからねえ。……へえ、そっかそっか(よしよしとロシアの頭を撫で)」
露「むう……僕もわかんないんだよ。これがお友達に抱いてる好きなのか、そういう感情が篭った好きなのか(唇を尖らせ)」
仏「いっそぷーちゃん押し倒してみて下半身が反応するかしないかで判断するとか?なーんてね(はははと冗談交じりに笑い)」
露「……プロイセン君が怒りそうだから却下で(真顔)」
仏「あ、そこはぷーちゃんのためにやらないのか」

日「……(フランスとロシアの会話が偶然聞こえてしまい、メモを取っていた手が激しく震えている)」
英「?日本、どうした?(日本の様子に首を傾げ)」
日「い、いいいいい、いえななななな、なんでもないですよあははははははは(そう言いながらシャーペンの芯がバキバキと何回も折れる)」
英「……(ロシアとフランスの方へ指差し)さっきの会話か?」
日「!?……き、聞こえて……?」
英「俺にはな。あの糞髭…もう少し小さな声で喋れねえのか(フランスを睨みながら)」
日「もう私には何が何やら……ロシアさんがプロイセン君に執着していたことは存じておりましたが(手が震えてしまうので書き物は無理だと諦め)」
英「だからこそソード・ワールドでそれが反映されてたんだろう。…くっつくのならさっさとくっつけば良いものを(チッと舌打ち)」
日「(ぽかんとした表情を浮かべるもののすぐに柔らかな表情へ変わり)……ふふ、イギリスさんは優しいのですね」
英「?俺が?(意外な言葉に目を見開き)」
日「だって、貴方今『くっつけばいい』と仰りましたもの。本当に嫌いなら、無関心なら、そんな言葉は出てこないでしょう?」
英「……(ぷいっと顔を逸らし)日本はよくそんな良い方に物事を捉えられるな、お見逸れする(背けた顔は赤く染まっている)」
日「おやまあ、お褒めに預かり光栄至極。……お顔、赤くなっておりますよ(口元を隠してくすくすと笑い)」
英「……煩い、日本のばか(視線だけ日本の方に向けて悪態をつくも顔に染まる朱の色は変わらず)」
日「ばか、いただきました(嬉しそうにはにかみ笑いを浮かべ)」

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