確定消すな  



 
五条悟
「なんで僕じゃダメなの?」
 いつの間にか目隠しを外した五条さん
が私の顔を珍しく真剣な様子で覗き込ん
で来る。こういう時に限って自分の顔の
良さを自覚しているからこそ武器として
躊躇なく使って来る所がずるいと思う。
まっすぐに向けられる視線とこの場の雰
囲気に耐えきれなくなった私が「さあ?
なんででしょうね」とわざとらしく明る
い声を出しながら手に持つ資料で顔を隠
そうとすれば大きな手がそれを阻むよう
に伸びて来て「はぐらかすなよ」と少し
怒った声が私を静かに責め立てる。もし
五条さんが本気で私を好きだとしても、
呪霊が見えるだけで目の前で誰かが死に
かけていてもなにもできない補助監督の
私と、特級すらあっという間に祓ってし
まう最強の呪術師である五条さんとでは
なにもかもが違い過ぎるだろう。到底釣
り合う筈がない。私は五条さんと一緒に
いる限り、自分の弱さをまざまざと見せ
つけられ続ける。だから「きっと……五
条さんには一生分からないと思います」
これ以上自分を嫌いになってしまう前に
離れなきゃ。


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