本気にしてもいい?
「ま、待って三日月……!」
なんで?と、さも当然のように問い詰められ、どうすればいいか分からなかった。私は今、三日月・オーガスに押し倒されている。これは、どういう状況?
「だ、だって! いきなりすぎて……」
「俺、前から言ってる。セシルのことが好きだって」
三日月の大きな瞳でじっと見つめられると、まるで自分が悪いことをしているみたいに何も考えられなくなる。彼の言うとおり、私はずっと三日月に求愛されている。
少し前までは至って普通の、仲のいい仕事仲間兼悪友だった。それがいつからか急に三日月は私に対して、好きだ、と言うようになってきたのだ。
「いい加減、認めたらどう?」
セシルだって、俺のこと好きだろ? 耳元で囁く三日月の声はまるで暗示のように私の思考を溶かしていく。別に彼に諭されたから認めたわけじゃない。
本当はずっと前から三日月のことが好きで、好きだからこそ受け入れられなくて、自分に自信がなくて、彼の言葉が信じきれなかっただけだ。
「三日月のこと、」
好きだよ、と口にした言葉は少しかさついた三日月の唇に吸い込まれ、そのままぬるりと蠢く三日月の舌に翻弄されながら意識が遠のいていった。
本気にしてもいい? - 三日月・オーガス
〜2016.11.09
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