かなわない


火星でのCGS制圧作戦の最中、モビルワーカーの上に立つ女が目に入った。
細身の身体に繋がるケーブルに異質さを感じる反面、どこか美しい。
指揮官かと思い目で追いかけると、女がにやりと笑った。
突然、グレイズに衝撃。
女が立っているモビルワーカーからの発砲。
武器を構え女を見ると、女の鋭い瞳は、まるで目が合ったかのように俺を見定めている。
背筋が冷える感覚と仄かに感じる高揚。これは訓練ではない。

「死にたいの?」

そう、女が言った気がして、ますます目が離せなくなった。




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