たくさんの嘘とひとつの真実


※男装ソードマスター設定


貴方と少しでも一緒にいたくて、自分を偽った。
生い立ち、身分、容姿、そして性別さえも。
実力さえあればきっと性別を偽る必要なんて無かった。
それでも男として彼に近づいたのは、きっと貴方と対等でいたかったから。
実際、男のフリをしている方が色々と便利なことも多く、信頼も得やすかった。
細心の注意を払っていたけれど、ついに偽りの姿を暴かれる時が来てしまった。
ほんの些細な、私の失態のせいで。
昔の仲間だったケセルダと再会してしまったから。

「女、だったのか……」

何度その言葉が彼の口から発せられるのを想像しただろうか。
きっと貴方は軽蔑する。
こんな偽りの私を。
偽りだらけの私。
でもこれだけは、胸を張って宣言できる。

「……全力の貴方と剣の勝負をしたくて、男のフリをしていました」

本当にそれだけだった、出会った頃は。
でも今は。
剣の勝負よりも、貴方の隣にいられるだけで幸せを感じてしまうのは、どうして。




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