青天の霹靂


久々に会った彼、オドロキくんはどこか昔と変わっていた。
何だろう、あどけなさが抜けて少し大人びた感じがして。
何故だか、少し逞しさも感じてしまった。
あの法廷から1年。
彼も成長したんだなぁ、とどこか親心のようなものが芽生えていた。
別に私は親でも何でもないただの同僚なんだけれど。
私は1年間留学して他国の司法制度を学んでいた。
米国では心音という新たな仲間にも出会って、成歩堂さんは弁護士資格を取り戻して。
成歩堂なんでも事務所、もとい成歩堂法律事務所は新たなスタートを切れるのだと思うととても嬉しい。
他愛ない話をしながらオドロキくんと事務所の掃除を始めると。
ひょっこりと成歩堂さんが現れて、それはそれは不可解な発言を残していった。

「あれ?オドロキくん、例の決心はいいのかい?」

それはどこか確信犯的な、オドロキくんを焚きつけるような挑発にも取れた。
私には発言の真意は分からなかったけれど、オドロキくんの瞳は少しギラついていた。

「ずっと!君が戻ってきたら言おうと思ってた事があるんだ!」
「わあ!?この距離で大声で話さないでオドロキくん!」

突然の大声に私はびっくりしてつい強気で返してしまった。
今までのオドロキくんなら、すぐに「ごめん!」と言って謝ってくるような人だった。
けれど。
今の彼は違った。
何も言わずに、まっすぐに私の瞳を射貫いてくる。
こんなの、いつものオドロキくんじゃない。
ねえ、どうしたの?そう問いかけようとした瞬間、彼の口から発された言葉が耳に入って。
私の思考は停止した。

「俺は、蓮見のことが。好きなんだ」




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