一目見たときから俺の世界は君だけだった
ヒーローやってりゃ人助けなんて日常茶飯事。
俺がヒーローをやってるのは誰のためでもない、俺自身のためだ。
さすらいの重力王子、なんて呼ばれてはいるものの、結局の所は1つの所に居着けない性分なだけで。
各地を転々としてはヒーローとして生きてきた。
結果を残せりゃあとはどうでもいい。
そう、思っていたはずだった。
シュテルンビルトに到着するやいなや、空港で事件発生。
俺がここにいたのが運の尽き、なんなく犯人グループを取り押さえた。
「その能力、もしかして……ゴールデンライアン……?」
能力の発動は隠したつもりだったが、目の前にいる女には目ざとく見られていたらしい。
しかも俺の能力とヒーロー名を知ってる奴がいるとはな。
せっかくだから女の顔をよく見てやろうと、視線を上げると。
今すぐにでも泣き出しそうな、そんな表情で俺を見ていたもんだから。
何故か、ひどく胸がざわついた。
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