おやすみ、可愛い人。


特別救難隊に非番なんてあってないようなもの。
待機の隊が全て出払えばすぐに招集がかかる。
そうやって嶋さんが呼び出されて行ったことは何度もあった。
その度に心底申し訳なさそうな顔をして、すぐに切り替えて仕事の顔つきに戻る彼が、私は好きだから。
寂しくないなんて言ったら嘘になるけど。
命をかけて人命を救助する彼にそんなことは言えないし、彼が無事に帰ってきてくれさえすれば、と。
この環境を受け入れて高望みをしないようになった。
ようやく緊急招集を終えて疲れた顔をして帰ってきた嶋さんは、気付いたらソファで眠っていた。
今日の出動はいつもよりもきつかったらしい。
常に全力で物事に向かって行く嶋さん。
こんなに小柄な身体のどこにそんなパワーが潜んでいるんだろうと毎度思ってしまう。
きっと基地にいる時はずっと気を張っているに違いない。
つかの間の休息だけれど、私のそばだけでは。

「ゆっくり休んでね」




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