唇を重ねているうちに。
無意識のうちに、今まで女達を抱いてきたのと同じように身体が勝手に動いていく。
首筋に口付けを落とすと、遙は震え。
そして、いつかのように、俺の腕の中からするりと抜け出ていってしまった。
その後ろ姿を茫然と見送る。
遙を乱れさせたいわけじゃない。
ただ、寄り添って。
抱き締めて。
その温もりをいつまでも感じていたいだけなのに。
ただ、唇を重ねて。
微笑み合って。
愛していると告げたいだけなのに。
唇を重ねると止まらない。
もっと深く繋がりたくて。
もっと遙を感じたくて。
キス以上のものを求めてしまう。
でも、遙はまだそれを受け入れられないから。
「Jesus…。俺はどうすればいいんだ……」
身体の中で燻っている熱をもてあまして。
そんな自分自身が穢れているような気がして。
もっと純粋な穢れない想いで遙を愛したいのに。
俺はうなだれて深く溜息を吐き、そして天井を仰いだ。
「Jesus…。Somebody, tell me…」
神の啓示も何も現れず。
ただ部屋には無機質なエアコンの音だけが響いていた。
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