Eternal Flame -5-

遙の身体を愛撫しながら、身体を開かせていく。
そして、俺は、自身を遙の身体に宛がうと、ゆっくりと中に沈めていった。

温かな襞に、撫で上げられて、身体が甘い快楽で満たされていく。
きつく抱き合い、遙の身体の全てが俺に触れ。
言い知れないほどの甘い陶酔感に全身が包まれる。
奥まで自身を沈め切ると、遙は、切なげな甘い吐息を吐いた。

「遙…。愛してる…。今まで感じたこともないほど、お前を近くに感じる」
「政宗、私も……」

軽く唇にkissを落とすと、俺はゆっくりと腰を動かした。
遙の全てを感じたくて。
奥まで全て俺で満たしたくて。
殊更にゆっくりと。
遙の全てを逃さないように。

奥に当たる度、遙は喘ぎとも溜息ともつかない吐息を漏らす。
快楽に歪んだ、濡れた表情というよりも、その表情は幸せそうで。
愛しくなって、遙の頬に瞼に、口付けを落とす。

遙の瞳が潤みだし、そっと目を閉じたその目尻から一筋涙が零れる。

「政宗、どうしよう……。こんなに蕩けるほどに幸せなのは初めてで…。政宗と離れたくない。このまま二人で溶け合ってしまって、混ざり合ったら、きっと離れないで済むのに…」
「そうだな…。それもいいかもな…。だが、二人で溶け合ってしまったら、俺はこうしてお前を感じることが出来なくなる。お前にずっとこうして触れていたい」
「政宗…」

遙が俺の頭を引き寄せる。
また、深く深く唇を重ねて、お互いの温もりを分かち合う。
奥まで腰を進めると、遙は甘い吐息を漏らし、俺の背に爪を立てる。
快楽に耐えるような切なげな表情と、幸せそうな甘い表情が入り混じっている。

激しく突き上げているわけではないのに。
ただ、深く遙を感じたくて、ゆっくりと奥まで穿っているだけなのに。
遙の甘く切なげな表情に。
漏れる吐息に。
俺もまた、どうしようもなく身体の熱が昂ぶっていく。

「はぁっ…政宗っ……私、もうっ、もうっ…」

背に立てられた爪は痛いほど食い込み、遙の限界が近いことを知らせている。
俺も、高ぶる熱に、これ以上耐えられそうもなかった。
呼吸は上がり、吐息が震える。

「大丈夫だっ。はぁっ…I'll come with you……」

さらに奥まで穿って、遙の腰を引き寄せ、きつく抱き締めると、遙の足が俺の腰に絡みつき、身体の芯で燻っていた熱が弾けた。

「はぁっ…ぁああっ……んっ……!!!」

俺が精を注いだのと、遙の身体が弓なりに反って震えたのは同時だった。

二人で、荒い息を吐きながら、きつく抱き締めあう。
いつもならすぐに冷めてしまう余韻が、いつまでも、身体の中に甘く気怠く残っている。
暫く経って、ようやく身体を離すと、腕枕をし、遙を抱き寄せた。
頬をすっと撫でると、遙がくすぐったそうに目を細める。

「ねぇ、政宗。前にちょっと歌った歌。続き、教えてあげよっか?」

遙は、はにかみながら、そう囁いた。

「歌?」
「うん。政宗が眠れなかった時、歌った歌。覚えてないかな?」

あれは、俺が遙を襲ってしまった日。
いつか、聞かせる機会があれば、聞かせてくれると確か遙はそう言っていた。

「ああ、聞かせてくれ」

遙はふわりと笑って、そして、囁くような柔らかい声で歌いだした。


Close your eyes(目を閉じて)
Give me your hand, darling(手を貸して)

遙は、俺の瞼に手を当て、目を閉じさせると、俺の手をそっと取った。
そして、遙の左胸に俺の手を押し当てる。
遙の少し速い鼓動が伝わってくる。

Do you feel my heart beating?(私の鼓動を感じる?)
Do you understand?(わかる?)
Do you feel the same?(貴方も同じように感じているの?)
Am I only dreaming?(夢を見ているのかな?)
Or is this burning, an eternal flame? (それとも、永遠に燃える、愛の炎なの?)

俺は、遙を抱き寄せ、頬を俺の胸に当てるようにして、きつく抱き締めた。

「これは夢なんかじゃねぇ。俺も同じだ。Do you feel it? It's an eternal flame. 俺は、お前を愛しているから。永遠に愛し続けるから」
「政宗……」

頬に手を沿え、遙の顔を上げさせると、俺はそっと唇を重ねた。
さっき抱いたばかりなのに、まだ足りない。

遙と恋に落ちて。
これ以上はないというほどに愛していたと思っていたけれど。
肌を重ねて。
より一層愛しくなり。
もっと遙が欲しくて。
ずっと繋がっていたくて。

遙の心を手に入れたら、それで満足だと思っていたのに。
貪欲にもっともっと欲しくなる。
この甘くて優しい空気にずっと包まれていたくて。
いくら抱いても足りない。

口付けを交わしながら、また愛撫を施していく。
遙もまた、俺を求めるように、俺の身体をそっとなぞっていく。

ずっと触れていたくて。
俺達は、遙が疲れきって、眠りに落ちるまで、ずっと互いの温もりを分かち合っていた。

腕の中で眠る遙を眺める。
穏やかで、そして、安心しきった表情をしている。
俺の腕を枕にして、頬を俺の胸に寄せて。

愛しい女を抱いて、そのまま抱き締めて眠ることがこんなに幸せなことだと知らなかった。

「遙、愛してる……」

その言葉が、今の遙に聞こえるはずもないけれど。
言葉にすると、苦しいくらいに胸の奥で渦巻いている情愛が少し収まる。

「Ah……。後朝の歌、どうするかな……」

この部屋には、料紙も硯も筆もない。

俺は、遙の頭の下からそっと腕を引き抜くと、あたりを見回した。
小さな、紙の束がベッドサイドにある。
遙が以前使っていた、ボールペンというものが、その隣りに置いてあった。

本当は、遙に似合う、薄い紫色の料紙に歌を書いて贈りたかったが、これでもないよりはましだ。

俺は、その紙に和歌を、楷書を少し崩した書体で書くと、遙のバッグの中に忍ばせて、ベッドに戻った。
ベッドでは、遙が温もりを求めるように、小さく縮こまって眠っている。
俺は、再び遙を抱き寄せた。
眠っているはずなのに、ホッとしたような甘い吐息が遙の口から漏れる。


愛しくて。
幸せで。


こんな日が、永遠に続けばいいと思った。


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