To Be With You -4-

部屋に着き、ベッドの上に下ろされる。
部屋は暖められていたが、先程まで小十郎の温もりに包まれていたせいか、ベッドが冷たく感じられて私は身震いをした。

「悪ぃ。なるべく温かくしたつもりだったが寒かったか。湯たんぽ持って来てやるからその間に着替えて待ってろ」

小十郎が部屋を出て行くと、私はパジャマに着替え、テーブルの上に置かれていた薬を飲みベッドに潜り込んだ。
冷たいシーツにガタガタと震えていると、間もなく小十郎が戻って来た。
タオルに包まれた湯たんぽを私の足元に差し入れる。
まだ悪寒はあったが、随分楽になってホッと吐息を吐く。
小十郎はフッと笑って私の頭をそっと撫でると踵を返した。
その手首を掴む。

「行かないで」

独りになるのが寂しくて、思わず小十郎を呼び止めてしまった。
もう大学生なのに何て子供染みているんだろうと思うけど、病院でしてくれていたみたいに小十郎の温もりを感じていたかった。
小十郎は目を細めて優しく笑いかけると、ベッドの脇に腰を下ろした。
小十郎の右手を取り、そっと握る。
少しかさついた手は私よりも二回りほど大きく、節がしっかりとして男らしい。
この手で頭を撫でられるのが堪らなく好きだ。
小十郎の手の温もりに安堵して目を閉じると、小十郎は左手でゆっくりと何度も私の頭を撫でてくれる。
相変わらず身体は怠いけど堪らなく幸せだった。

「小十郎、大好き」

そう呟くと、小十郎の手が一瞬止まった。
しかし、また何事もなかったかのように、小十郎は私の髪を梳き始める。

どうしてあの時小十郎の顔を見なかったんだろう。
そうしたら、私は小十郎の想いに気付けたかも知れない。
私達の関係は変わっていたかも知れない。

私は小十郎に甘える事しか知らなかった。
小十郎の想いも知らず、その温もりは無償で与えられ続けると思っていた。

今になって分かる。
私は本当に小十郎が好きだった。
小十郎の隣りは最高に居心地が良かった。
失って初めて気付いた。
でも、当時の私は何も気付けなくて、ただただ小十郎の優しい温もりに安心しながら眠りに落ちて行った。
そして、眠る私の頬に小十郎が何度もそっと口付けていた事も知らなかった。

出来る事ならあの頃に戻りたい。
そしてこの想いを伝えたい。


貴方が本当に好きでした…。


Fin…
prev next
しおりを挟む
top