「ありがたき幸せ。では、甲斐における、伊達三傑には絶対に秘密の布陣からお話致します。俺達は絶対的に政宗様に憧れていて、色々な政宗様伝説のお話に飢えており、あの政宗様がちょっと視線を合わせるだけでカッコよくお使いになる黒脛組に絶対的に憧れているのが大前提でございます。佐助様を都合良く武田の屋敷に縛り付けては、こそっとみなで黒脛組ごっこをする事で大盛り上がりをしておりました。しかし、なんか佐助様の決められる合図で黒脛組ごっこをするのは洗練されてなくてつまらないと愚痴を言っておりました。やっぱりあの伊達男の政宗様が決められた合図の方が効率的で見た目にもカッコいいから、本格的に黒脛組ごっこをしようよ、と満場一致で採択されて本格的な黒脛組ごっこをするべく、大規模な黒脛組への偵察部隊の編成がすぐに採用されて、徹底的に黒脛組の技術を盗んで本格的な黒脛組ごっこをして遊ぶ事にしました」
すげぇ俺好みの遊びが甲斐でそんなに流行っていたとはつゆ知らず、俺は肩を震わせて笑った。
俺の黒脛組の動きが完璧に読めるだけに余計笑える。
「お前ぇら、作戦開始から10分も経たずに黒脛組にすげぇ怒られただろ?」
「左様でございます。政宗様のご命令では絶対的に忍隊達は互いに不干渉とのご命令でございましたので、それを固く守りつつの、視力が良い者による最大限の力での観察とそれで得られる情報による黒脛組の真似に止めようとの遊びのルールでの黒脛組ごっこでございます。黒脛組の管轄エリア外ギリギリでの本格的な遊びでございます。一生懸命みなで10分ほどコピーと解読の同時展開で大盛り上がりをしながら遊んでおりました所、黒脛組が猛烈な勢いで大激怒して押し寄せて参りました。てめぇらあの政宗様が決められた絶妙なタイミングと洗練された少しの動きでの合図を汚すんじゃねぇ、との大激怒で、俺達が手っ取り早く手本を見せてやるから死ぬ気で一発で完コピしてから遊びやがれっ!との大激怒で、伊達にいつも好きなように佐助様の縁の下の力持ちをしておりませんから、この際、みんな総出でしっかり本場の黒脛組から学ぼうとの満場一致で、せっかくなら政宗様親衛隊総出で学びたいから全員召集をかけてもよろしいか、黒脛組に2分だけお待ち頂けないかと打診した所、そんなに本気を出してくれるなら、武田の屋敷も心置きなく離れて全て黒脛組に任せて全員参加で一発で完コピしろとのまさかの仰せで、みな大喜びで本場の黒脛組の下にこぞって2分以内に集結でございます。黒脛組も素早いみなの集結に大変満足して、よし、お前ぇらガチの本気みてぇだから俺達も本気全開の合図とタイミングの雨あられだぜっ!!0.5秒遅れできっちりついて来やがれ!との号令がかかり、みなで0.3秒で沸き立ち、華麗に繰り広げられる本場の黒脛組の解説入りの緩急つけた合図の雨あられに感動しつつ満場一致でぴたっと息を合わせて夢中になってきっちりと0.5秒遅れでの完コピが一発で決まりました。黒脛組のガチの本気の出し惜しみのない華麗なる合図の雨あられは、1時間に及びましたが、伊達に政宗様親衛隊ではございませんから、全員きっちり息を合わせてでの、全ての合図の意味も叩き込みつつの0.5秒遅れでの完コピでございます。一発での完コピに黒脛組は驚き、大変満足なさり、よし、お前ぇらやるじゃねぇか、手本を忘れねぇように黒脛組が本格的に使ってやるから手っ取り早く今から軍議だ、との仰せで、まさかあの黒脛組が俺達の直属の上司になると思ったら、嬉しくてたまらなくて、みなで大いに盛り上がり、全ての情報は猿飛忍隊と黒脛組で手っ取り早く共有して、佐助様と政宗様と伊達三傑は欺く事に致しまして、影では一致団結での伝令で遊びながら、一番効率的の良い伝令方法を確立しておいて、全力で政宗様のお力になるのはいかがでございましょうとの申し入れを致しました所、最高の策じゃねぇか、黒脛組はそれに乗っかってやるから、俺達ですぐに布陣を敷いてやるとのお褒めの言葉を頂き、政宗様が一番お使いになりやすい布陣をすぐに敷いて下さいました。甲斐に存在する忍が佐助様と焔様以外全員黒脛組配下に入っておりました」
流石は俺の黒脛組だ。
俺が何も言わなくても、俺が使いやすいように勝手に動いてくれる。
黒脛組配下で機動力抜群の政宗様親衛隊は最高に使いやすい。
これから教育しようかと思ってはいたが、まさか既に片付いていたとは知らなかった。
「よし、俺の想定通りだ。戦さえ起こらきゃ基本的に何しても構わねぇから、俺に秘密にしていた事は許してやる。黒脛組のガチの本気の1時間完コピ合戦は大変だっただろ?よくやったじゃねぇか。俺直々に黒脛組の教育の成果を確かめて、政宗様親衛隊専用合図もちゃんと作ってやるから、楽しみにしてろよ?」
「あの政宗様に褒められたーー!」
「まさかの俺達専用合図だーー!」
満場一致でコール並みの歓声が上がってわいわいと最高に盛り上がった。
こんなにすぐに喜んでもらえるのは、すげぇやりやすい。
親衛隊は使いやすいと長曾我部が言っていたのがよく分かる。
チラ見での最高の盛り上がりが得られる、最高の部隊だ。
とりあえず、10秒間で己の言いたい盛り上がりを全力で全部言わせて、さっと視線を走らせると、ぴたっと全員静粛だ。
確かによく教育されているが、何かがおかしい。
この阿吽の呼吸は絶対に相当な訓練が必要だ。
1時間の完コピでの阿吽の呼吸は絶対に無理だ。
いくら黒脛組が頑張ったとしても、俺の目が届かない所でこのスピードでの伝令確保は難しい。
伊達三傑級の全身での合図の展開が何日にも渡って、接近戦で繰り広げられていたと考えるのが妥当だ。
絶対に俺の背後で壮大に何らかの作戦が、少なくともこの3ヶ月の間で繰り広げられていないと、この阿吽の呼吸は絶対に無理だ。
これは俺が適切に誘導して、何があったか洗いざらい吐かせるべきだ。
「最高にcoolにぴたっと合わせるじゃねぇか。黒脛組に相当しごかれただろ?3ヶ月くらい毎日こき使われてねぇと絶対無理なレベルの息の合いようだ。是非武田の屋敷の内部動向をどうやって黒脛組に伝えていたか聞かせてくれ。黒脛組が敷いた布陣が気になるぜ」
「かしこまりました。とりあえず、黒脛組による最初の司令は、お前ぇらは半数で気配だけ2倍にして縁の下を演じ切り、残りの半数で全ての情報を盛大に黒脛組に伝えやがれという司令でございました。それなら自分の世界に完全に入っている猿飛佐助を気配だけで欺けるし、そもそも信玄は自分の館に無頓着だからいくらでも動けるとの事でございました。流石の読みに俺達全員で感動をして、すぐに配置に大喜びしながら着きました」
「流石は黒脛組だぜ、俺好みの布陣だ。俺と伊達三傑の配下を離れたから、全力で俺達4トップには知らせねぇ布陣を敷きつつ、俺達がどう動くか様子を見ながら陣形を変えて行くだろうな」
「左様でございます。俺達はとりあえず黒脛組に俺達が黒脛組配下に着く前に得た情報を全てお知らせしました。何だ、そんなの80%の確率で政宗様の女に決まってんじゃねぇか。何でそんな大事な事を真っ先に言わねぇんだよ。後は名前と石榴石を2個確認すればいいだけじゃねぇか。そんなの前田慶次に手っ取り早く任せれば、万事解決じゃねぇか。全部黒脛組のお膳立てで最短ルートを使えば楽勝だ。お前ぇら、前田慶次を手っ取り早く運ぶ凧を用意しとけ、との号令がございました。お前ぇらだけでよくここまで頑張ったじゃねぇか、後は黒脛組に全て任せろと褒められて、やっぱり黒脛組の配下に着いて良かったと、みなで喜びつつ配置に着きました」
俺は頭を抱えた。
何でこんなにも、俺の事をよく分かっている部下と前田慶次達をこの俺が全部率いて、伊達三傑に召集をかけて、全ての情報のすり合わせに入るとの号令をかけなかったのかと。
正直、王手の布陣だ。
瓜二つの石榴石と名前だけで、俺の女と同じ名前だし、耳飾りもお揃いの一点物だと明かして、未来の異世界の話をすれば、何か信玄、隠してねぇかってみんなで聞きに行こうぜ、俺が信玄を必ず説得するから甲斐に出陣させてくれと言うだけで済んだ。
これが王手の正攻法だ。
あれだけ石榴石に見惚れていた前田慶次が、間違いなく瓜二つと力説するだけで、小十郎ならそんなに似てるなら、前田慶次の目だけじゃ足りねぇ、みんなで確認した方がいいと言い出して、そうだ、そうしようとの満場一致で、武田信玄との会合にすぐにでも入って、全て丸く収まっていた。
全てはこの俺の布陣の読み違えのせいだ。
俺が部下達を信じて最高のタイミングで号令をかけなかったばかりに、巻き起こした悲劇だ。
小十郎も俺の号令を全力待機しながら、俺の牽制を華麗にしつつ変幻自在な全力疾走で全てを駆け抜ける最短の布陣を敷いていた。
「全てが見えた。俺のここでの布陣の読み違えで大悲劇がスピーディに展開されて行く。全部俺が悪かった。お前ぇらを全力で信じて、全ての情報を華麗に展開していく全力疾走の作戦展開をしなかった、俺のせいで、大悲劇の連発が起こる。もう二度とこんな王手の布陣の読み違えなんてしねぇから許してくれ、頼む。登勢の命に免じて全ての運命を許してくれ…。もう二度と小十郎と俺のダブルの牽制合戦での展開の失敗なんてしねぇから…。登勢は伊達には欠かせねぇから、登勢の命に免じて全てを許してくれ…」
俺は深い溜息を吐いて、とりあえず一人一人に全部俺が悪かった、これからはお間ぇらを全力で信じて鉄壁の布陣で全力疾走すると謝って回った。
正直、頭が痛い。
これからの黒脛組の行動予測がほぼ完璧に出来るために、何て事を俺はしちまったんだと、涙まで出てきそうで、とりあえず、10分間の休憩タイムに入った。
「はあ、政宗様、どうこの登勢が考えましても、今夜は埒が明きません。政宗様の徹底的な気分転換と早めの就寝以外方法はございません。長曾我部様、早急にヘリコプター3機でアニキ親衛隊のご用意でございます。東西アニキ親衛隊による合宿と飲み会でございます。政宗様親衛隊のお披露目によって最高にコール合戦で盛り上がりましょう。短時間で切り上げて睡眠時間を十分確保致します」
「登勢、やるじゃねぇか!すぐに手配する」
「政宗様、これで1時間以内にはアニキ親衛隊のご到着でございますね。その間に軍備編成を終えればよろしいと存じます。話が大分逸れていたとは存じますが、政宗様の目的は軍備の再編成で、船に乗せる護衛の人数の最終確認でございましたでしょう?」
言われてようやく頭が切り替わった。
確かにそれを終わらせないと、みなをここに呼んだ意味もないし、今夜中にカタをつけたい。
「登勢、thanks。これで頭が切り替わった。軍備の再編成だな。正直、行く先々に日英軍基地を設置して帰ってくる方が妥当そうだな。陸上の身の安全が確保されねぇ。イギリス国内が落ち着かねぇとなると、頼れるのは日本軍だ。国内の伊達軍と長曾我部軍ばかりを動員してたらキリがない。浅井と徳川と北条と武田にも協力させて、俺達の行く先々では常に3万人以上の兵が待機している状態にしよう。強化するのは陸軍と空軍だけで良さそうだ。政宗様親衛隊がいるから、俺達の安全は間違いないしな。浅井、徳川、北条、武田からそれぞれ1万の兵を徴兵だ。全て歩兵と騎馬隊扱いで、技術は伊達と長曾我部で独占だ。海上は、現段階でも日英軍で4万5千人規模だから、他国に遜色はない。食糧確保にマシンガンと大砲を積んだ漁船を100隻ほど増やすのが妥当そうだ。それで商いをしながら兵も養える。ベス、王の身の安全のため、ローマには4万の兵を控えさせるとローマ法皇に言付けろ」
「Alright、いいわよ!手紙を大臣に書かせるわ!上洛の間に進軍させてくれる?」
「勿論だ。登勢、これでいいか?」
「はい!流石は政宗様でございます。空から襲撃出来るのは便利でございますね。兵の数が少なくて済みます。明日にでも政宗様直々に文を書くので十分間に合いそうです。政宗様、御気分はいかがでいらっしゃいますか?」
「すっかり甲斐の件の失態からは立ち直ったぜっ!登勢、恩に着る。長曾我部、浅井達を配下に置くのは問題ねぇよな?」
「勿論だ。俺達の兵は新大陸で使うから、浅井達は役に立つ。その手で行こうぜ!」
「流石は政宗様だーー!!」
政宗様親衛隊メンバー全員が沸き立ち、拍手喝采に包まれて、俺も気分が完全に切り替わった。
確かに親衛隊は本当に便利だ。
「わぁ、政宗、計算速い!」
「お前ほどじゃねぇよ。これで手早く戦を終わらせて来ただけの話だ。じゃあ、一服しながら、成実の部屋の設計でもするか」
「やりぃ!梵、thanks!」
俺は運ばれて来たコーヒーを飲みながら、じっと登勢を見つめた。
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