バスの中!



なんやかんやでバスの中──。


(莉夢と五十里くん編)

「合宿って旅行みたいで楽しいね!紫龍くん!」

「そうだなー」

莉夢と紫龍はバスの隣の席に座り、
うきうきしながら出発を待っていた。

「らいむちゃんにもお菓子あげるね!」

斜め前の座席の鈴が座席の上から覗き、パッキーを莉夢に手渡す。

「わーいありがとう!鈴ちゃんにもこれあげるぅー!」

莉夢は代わりに飴玉を差し出した。
鈴はそれを嬉しそうに受け取りそのまま戻っていった。

「海ちゃん先輩にもあげますよぉー!」

通路を挟んで隣に座る五十里にも飴を差し出す。

「あ!?お、俺様は別に飴なんて舐めないし!!
ま、まあどうしてもっていうならもらってや……」

「海ちゃん先輩いらないんですかー?
じゃあこれ香夜くんいあげるー!」

「あ、え?ありがとう…!」

五十里の隣に座る香夜は、もらおうとしていた五十里の顔を見ながら飴を受け取る。

「おい!俺様にくれるんじゃないのか!」

「え?だって海ちゃん先輩いらないって言ったじゃないですかー」

莉夢はわかっていてやっているらしい。
それを香夜はハラハラしながら見つめ、
紫龍はニヤニヤしながら見つめていた。

「いや、確かに俺様はそんな飴なんてほしくないぞ!
ただお前がどうしてもって言うなら…」

「別にらいむは無理してもらってもらわなくてもいいもーん」

そのまま莉夢は後ろを振り返って、
後ろの座席に座る大樹と宵に声をかける。

「大樹ちゃん、宵ちゃんこれあげるー!」

大樹と宵も差し出された飴を受け取り、
大樹はそのまま口の中に放り込んだ。

「俺様のは!?」

「もうしょうがないなー、はい!」

莉夢は五十里にも飴を差し出す。

「し、しょうがないな!お前がそんなに言うんならもらってやる!」

「あげるあげるー!」

飴玉を受け取った五十里は満足そうに口に放り込んだ。

「海ちゃん先輩!」

「ん?」

「お菓子足りなくなっちゃいそうなんで、
次のサービスエリアでたくさん買ってください!
海ちゃん先輩のおごりで!」

「なんで俺様が!!他の奴に言えよ!」

「こんなこと頼むの海ちゃん先輩にだけですよー?」

「うっ…」

上目づかいで見上げられては、女性が苦手な五十里としては耐えられない。
お菓子くらいならそんなにしないだろうと思ってが、
斜め前から鈴がキラキラした目でこちらを見つめていた。
これはたくさん買わされるな…と覚悟を決め、財布の中身を思い出しつつ答えた。

「しょうがねえな!俺様が直々におごってやるぜ!」

「さっすが海ちゃん先輩!らいむ嬉しい!」

そう言う莉夢に手を握られて焦る五十里でした。

- 35 -


[*前] | [次#]
ページ: