Poesie

2019/05/26 - Ohne Titel


あの頃の友人に聞いた
わたしの知らないあなた
あなたの知らないわたしのこと
友人が伝えてくれたら
あなたは何を思うのかな

汗のかいたカップ
上と下 濃さの違うコーヒー
氷を少なめにしておけばよかったと 今更後悔した

車窓から見える景色は変わらないのに
降りてみると知らない世界のように変わっていて
わたしだけが取り残されているようだった

息苦しい雑踏が 今はとても懐かしい
心のどこかでは あなたに会えるんじゃないかと
無意識にその姿を探していた

あなたに聞きたいことが山ほどある
でももう二度と会えない
それはわかってる

どこかで元気でいてくれたらそれでいい
わたしも生きるから

さよならと思えたらもう少し楽なんだろうけど
それはもうちょっと先かな





2017/05/24 - 夢のあとさき


いつだったか渡したあの手紙
どうしようもなく溢れてくるわたしの涙と
紡いだ文字のその先で
あなたは何を思っていたの
ずっとわからないままでいたけど
今まさにわたしはその返事を読んでいる

ふいに見つけたあなたが紡ぐ文字
それは真っ直ぐにわたしの胸を射抜く
余計に忘れられなくなる
なんて言葉が欲しかったわけじゃないのに
でもどこかでそうやって期待して

読まなきゃよかった
見つけなきゃよかった
そうやってまた ふたり同じように後悔して
涙が滲んで見えない 光る液晶もあなたの想いも
高鳴る鼓動うるさくて目を醒ます

そんな夢を見た
あなたの夢を最近よく見る
ああまだ忘れられない日々を送るんだと
速まる心音抑えるように深呼吸して
隣で眠る愛しいひとを見つめる

どうかしようなんて微塵も思っていない
ただこのやり場のない想いをぶつける場所がなくて困っているだけ
どうすればこの想い消えてくれるのか
わたしにはわからない 誰か教えて

鮮明に残る夢の記憶と現実の記憶
どちらが本物かもわからぬまま
ただただ今は胸が苦しい夢のあとさき





2016/12/30 - きっと、どこかで想ってる。


ほんとうに久しぶりだね
そう笑うあなたのその目元も声も匂いも
あの頃と何ひとつ変わっていなくて 胸が苦しくなった

もう忘れられた そう思っていたのに
そもそもあなたとは何もなかった そう思っていたのに
最初から何もなかった そう思っていたのに
本当はほんとうは違かったこと
困った笑顔と目の奥の熱さが ふたりの過去を語る

笑っておめでとうって言えた
あなたの前で涙を流さなかった
そんな自分を褒めてあげたい
だから今は許して
懐かしい帰り道と涙の音
これで最後だから

きっとどこかで想ってる
幸せになって欲しい それは嘘偽りなく思ってる
この想い消えて欲しい それはだいぶ前から思ってる
まだそうやって想ってる
あなたのことが好き そんなわたしを許して欲しい

最後に贈る言の葉たちは
あなたへと あなたの心へと
ちゃんと届いたのかは わからない
次にあなたに言の葉を贈るときは
あなたから卒業できているはずだから
それはそれはだいぶ先のことになるだろうけど
そのときは教えて欲しい
あの日あなたは何を思ったのか
あの日何を

もうすぐでいつものわたしに戻る
あなたを忘れていくための日々が始まる
それまでは せめて今だけは
あなたのことを考えさせて
あなたのことだけを





2016/08/31 - 流れ


風の流れ
時の流れ
人の流れ

いつもと変わらない風景がそこにある

本当にいつもと変わらない?
変わらないのはあたしの方

あなたと目を合わすことも
あなたに好きだって言うことも
いざとなるとできない
前から変わらない

目を合わせたら吸い込まれちゃいそうで
好きだって言ったら全てが終わっちゃいそうで
まだ何も始ってないのに
独りで怖がって
独りで逃げて

風の流れ
時の流れ
人の流れ

それらは毎日変わってゆくもの

あたしも変わらなきゃね
もう、逃げない





2016/08/31 - 落とした想い出


しばらく来ないうちに変ってしまった街並
あたしはあのときのまま
取り残された時間と
地面に転がってしまった想い出
全部、あのときのまま…

もう振り返らないと決めたのに
あのとき歩いた川沿い
キラキラと光る水面を見つめながら
心のどこかであなたを思い出していた





2016/08/31 - 無題


わかってるのに。

何度も何度も自分に言い聞かせる。

もうあなたには会えないのだと。

そして、振り返ってはいけないのだと。

こんな想いは、もういらない。

この夏と一緒に帰って欲しい。





2016/08/31 - 日付変わる頃


髪に残る、僅かな温もり。
味のなくなりそうなガム。

あなたに伝えたいことが、あったのに。
また、言えなかった。

肩越しの熱。
暖かい手。
全部、ぜんぶ。
忘れられないよ。





2016/08/31 - 二度目の朝


ぼやけてしまわぬように
あなたのそばへとそっと近づく

汗ばんだ首にまとわりつく髪の毛
ああ そろそろ切ろうかな
なんて考えていると

ゆっくり目を覚ますあなた
わたしに微笑みかけたその顔がいとおしくて
ふいにキスしたくなる

やっと忘れられたと思っていたのに
そう簡単にはいかないみたい
眠れなかったのは わたしだけ

いとも容易くあなたはわたしの心を奪っていった





2016/08/31 - 透明な雨音


こんなに静かな時間
耳が痛い

胸の奥底の方に
涼やかで透明な空気をめいいっぱい送り込む
心が洗われたような気がする
ああわたしもこんな空気のような透明になりたい

少し雨が降って来たのか
ささやかな雨音がわたしの耳に届いた
やっぱり耳が痛い

柔らかな光に包まれるように
わたしは安らかに眠る
今日もあなたのことを考えながら





2016/08/31 - 通り雨の奇跡に後悔


馴染みある街並み 鈍色(にびいろ)の雲
人気(ひとけ)のない教習所を見つめ
溜め息ひとつ ぬるい追い風に溶けた

耳に残るフレーズは あなただけのもの
口ずさむわたしは ただただ切ない

違う肩並べ歩く 線路沿いの道
もう一度通り雨がきていれば
取り残されたボーリング場に わたしの想いも落として

耳に残るフレーズは あなただけのもの
口ずさむわたしは ただただ苦しい

駅の階段で偶然出逢った
これが奇跡なんだと 馬鹿みたいに信じてた
それなのに それなのに

あなたの笑顔どうしても忘れられなくて
振り向いて つま先で階段蹴って
あなたの背中を探した
でもそこにはいつもの雑踏しかなくて
後悔ばかりがわたしの肩に落ちる

駅のホーム 通り雨はやがて過ぎ
コンクリートの湿った匂いに包まれて
今もあなたを想う

耳に残るフレーズは あなただけのもの
口ずさみわたしは ただただ涙が溢れた





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