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▼2018/12/08:平成最後の下半期


身の丈以上のものを求めようとすれば、不幸になるだけ。
湊かなえ『贖罪』より


身の丈、というものは人によって決め方が異なるため正確な物差しはないが、数年前にマーリンを月給の2倍以上でカルデアにお迎えした友人の「身の丈≒月給」という言葉は人生の教訓になった。漸くマーリン孔明を揃えた友人のやつれた笑顔を見て、月給以上の贅沢はしないと私は心に堅く誓った。
身の丈ってものは絶望しないための限界値なのかもしれない。

そんなこんなで平成最後の下半期は予期しない体調不良に見舞われ、総合した通院代と薬代が1ヶ月の給料を上回るという、身の丈以上でやはり不幸の半年だった。
というのも元々女性ホルモンが人並み以下という体質が、自律神経とその他諸々に異常をきたしている可能性があるとのことで、ホルモン治療を受けることになったのだ。健康診断で注意されるまで全く気にしていなかったのだが、通常1ヶ月毎に来る筈の赤い悪魔が私の場合3ヶ月に一度きりしかエンカウントしないのは、流石に良くなかったみたいである。

ホルモン治療を受ける前に、先生から「女性ホルモンが増えると良いこと」を3つ教えてもらった。
・肌艶が良くなる(ニキビの減少)
・ムダ毛が薄くなる
・身体つきが女性らしくなる(胸が大きくなる等)
20代になってもニキビは酷いわ、無駄毛はレーザーで焼き払ってもしぶとく生きているわの雄々しい体質の私にとって、なるほどと言わんばかりの「良いこと」オンパレードであったが、胸があると困る服装を好んでいるので、3分の1良いことが減点された。
デメリットは2つ、些細なことでイライラしやすくなること、赤い悪魔の攻撃が過激化する可能性があること。統合すると五分五分な気がする。
で、五分五分ながらも検査や薬を繰り返して、ついに女性ホルモンを打った。
注射の際「肩とおしり、どっちがいいですか」と看護婦さんに聞かれ、即答で肩を出したにも関わらず、仕事に支障をきたすとの理由で臀部に変更された。それならば最初から肩という逃げ道への期待を抱かせないで欲しかった。
初めての臀部への注射は一生忘れない出来事となる。(正しくは腰のやや下程度)

女性ホルモンが人並みになってからも、何事もなく日常を消費している。
特に女性らしくなったりとか、嗜好が変わったりだとか、身体に大きな変化はない。良いことの一つであったニキビの減少も全然実感がない。もしかして臀部への注射は夢だったのかもしれないと思い始めていた。
しかし「モルモットの気分を味わいたい」との理由で数年前から記録し始めた基礎体温が、ここ1週間で計測史上初めて平均的グラフを叩き出した。この結果を見て、注射は現実だったのだと悟った。変化はこれからなのかもしれない。

と、暇潰し、文章リハビリにエッセイ風のブログを書いてみたかっただけで、「赤い悪魔が定期的に来ない人は病院へ」とか「鬱病かも……と思ったらとりあえず婦人科でホルモン検査を」とか、特にそんな重要メッセージはない。星野源のエッセイみたいなものである。
急にイライラし始めたら、この人女性ホルモン打ったんだった……程度に認識しておいてくれるとありがたい。

前にやってた定期的に書くヤツのは毎度毎度飽きてしまうのですが、折角ブログのカデゴリも作ったことですし、また暇が出来たらテキトーに書きます、では。


'18/12




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