おにーちゃんと一緒に駅前の旅行客目当てに靴磨きと大道芸で小銭を稼ぎに行きつつ、路地裏の猫たちにコインを集めに行ってもらっている。
到着した旅行客に花を売りさばいた後、昼間の家族連れが多くいる時間帯でのお得意の猫の姿でのキャッチボール芸を終えた。
最近始めた輪くぐりやボール乗りなども、猫が芸をする物珍しさから大盛況だった。
おにーちゃんが帽子をひっくり返して観客から投げられるコインを受け取っている。
僕も自分の帽子をひっくり返し、地面に置けばそこに入るよう皆が投げ入れてくれる。
その他地面に落ちたお金は、観客が引いた頃おにーちゃんが後で拾うので、僕は裏路地の奥にあらかじめ用意した隠しておいた洋服の元へ猫の姿のまま走って行く。
服を置いておいた木箱の影に隠れ人の姿に戻り、服に着替えようと木箱の上に手を伸ばした瞬間、その右腕を何者かに捕まれた。

驚いて見上げると、目の前には銀色の髪をした、背の高い男の人。
ディオ兄さんより5歳くらい離れているだろうか?
服も肌も多少汚れてはいるが、ここら辺では綺麗な方だし、きっと観光客ではなくこの町の人だろう。
僕のことをじっと見ているけど、やばい、僕は今裸だ!!!


「If I think that there are children's clothes in such a place.
Did you do a steerer a male prostitute who ran away from some mansion or here?」

『ひっ!!いっいたっい!!』

「Make which, and a man is out of a specialty, but this fellow is quite good.」


僕は急いで掴まれていない左手で服を掴むも当然着る事はできず、足が地面に付かないほど左腕をもつかみ上げられた。
あかん、なにを言っているかわからない!帽子もないので猫耳も出せない!!!
相手に掴まれた手首から来る痛みと、鋭い瞳の恐怖から逃げ出そうと体をよじるも、目の前の下卑た笑いをやめない男が、僕の足先から太もも、服で隠し切れていない体、そして僕の顔に顔を近づけてじっとりと見てくる。
顔を背けてもその距離から嫌でも見えてしまう相手の顔。
やめろなんだその舌舐めずりは!僕は男だ!!いっそのこと左で持っている服でギリ隠している体を見せた方が諦めてくれるのではないか?!
いやさっき男娼(male prostitute)って言ってたから男だってわかってる!?
相手の視線から逃れるようにと顔を伏せると、目に映ったのは相手の下半身。


『!!?
(え、マジそっちの人!?え?なんで?!股間膨らんでるんですけどあれ?!)』

「Ha・・・do I want this fellow so?
Okay, I will be popular highly when you have been used.
Judging from the
appearance, would you have sex with other guys anyway?
The person who saw whether it is which such lechery properly will be popular.」


ちなみに「男娼」なんて難しい言葉を知っているのはおにーちゃんが一通りそう言った危ない言葉を教えてくれていたからで、話しの内容はよく解らないけどとりあえずやばい人だと言う事はわかった。
それ以降のスラングはよくわかんないけど、えっと、「高く売れる?」何が?服が?ぼろいぞ???
でもこれはおにーちゃんが大事に着て僕の為に取っておいてくれたお下がりの服なんだ!!


『や、やだ!(この服は渡さないからな!!!)』

「Oh?
It is an impertinent guy. I dislike what is resisted idly. Behave yourseッ
がっああぐあっ!!!」


銀色の男の人がいきなり僕の手を離し、僕はいきなりのことに驚いてそのまま地面に落ちた。
足から崩れ落ちたのでお尻を直接打ったわけではないけど、手に持っていた服も落としてしまいバランスが取れず仰向けにすっ転んでいる所をまた男に腕をつかまれ引き上げられた。
いや、ちがう、「また」ではない。
見えたのは銀色の髪と背の高い男性。
ちがう、違う!!

同じ左腕を掴まれ、体を立ちあがらせるほど力強いのに、この相手の右手は痛くない。
同じぐらいの背格好なのに、同じ銀色の髪なのに、この相手の纏う雰囲気と髪の色は先程の男とは比べほどにならないほど綺麗で、温かく輝いていた。


『!!?(おにーちゃんぐらい顔も綺麗な人・・・この町で初めて見た・・・)』

サイ「Escape together!」


その、綺麗な銀河の髪を持ったおにーさんが手に持っていたスコップを投げ捨てると、僕の体を抱き上げてそのまま裏路地から走りだした。
僕は何が何やらわからないまま彼の服を握りしめた。


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