おかしいな、ここはどこだろう。農場からそんなに離れたつもりはないのに。
あいつに命令されて近隣の街に買い物に来たのはずなのに、ここはどこだ。


『おにーちゃん??』

ディエゴ「Σ!?」


道に迷っていると、見知らぬ子供が後ろから俺の服をつかんでいた。
大きな帽子を深くかぶっているため顔は見えないが、僕と変わらないみすぼらしい格好だった。
僕はそいつの手をはたいて、僕の服からその手を離させる。
服に似合わず色白で綺麗な手だったから、ちょっとたたいちゃったことを後悔したけど。


ディエゴ「僕は君の兄なんかじゃないぞ!その手を離せ!」

『!!ご、 めんあさい・・・そっくりなの・・・』

ディエゴ「!///(顔が見えたっ)
な、泣くな!!僕が一緒に探してやるから!!」

『?えっと・・・ことばわからないの、ゆっくりおはなしほしい・・・』

ディエゴ「お前、言葉がわからないのか?ゆっくり話せばわかるのか?」

『うん・・・ごめんしたい。ひとり、大丈夫。ありがとう!バイバイ』

ディエゴ「?(単語なら話せるのかな・・・)
ま、待って!一緒に、えっと、君と、僕、一緒に探す、君のおにーちゃん」

『!! でも・・・』

ディエゴ「いいから!ほら!お前のこと、なんかほっておけないんだよ」


最初は僕の言葉を理解せずにそのまま別れようとしていたけど、その手を握ってひきとめて解りやすいようにゆっくり話してやれば顔の周りに花が咲いたように笑顔になった。
それでも遠慮する年相応でないこいつがなんか気になって、僕に似ているっていうこの子の兄を探すことにした。
べつに、こいつの為とかじゃないし。こいつの兄に、この町から僕の町に変える道を聞くためだけだッ。


『ありがと、えっと、僕は晃 です!おにーちゃんおなまえは?』

ディエゴ「晃っていうのか?僕はディエゴ」

『でーご?でーごおにーちゃん!』

ディエゴ「うーん、まぁそれでいいや。晃の兄は僕に似ているのか」

『金色!きらきら!綺麗!!いっしょ!やさしい も いっしょ!』

ディエゴ「きらきら・・・///僕は別に・・・やさしくなんか」

『やさしい!でーごおにーちゃ!やさしい 好き!』

ディエゴ「Σ!!///お、お前に好かれてもっ///嬉しくないんだからなッ!!」

『???』


な、なんなんだこいつ!!///この程度で好きとか、馬鹿じゃないのか!!///
それに言葉も拙くて、まったく、こんなんじゃそこらへんの変態どものいいエサじゃないか。
仕方ないから一緒にいてやるんだからなッ!
・・・ちがう、こいつの兄に案内させるためだ!!


ディオ「晃!」

『おにーちゃん!!みつかった!!でーごおにーちゃ、でおおにーちゃんみつかった!』

ディエゴ「(なんだ・・・いや、なにガッカリしているんだ。面倒事が早くすんでよかったじゃないかっ)」

『おにーちゃん、でーごがね、つれてきてくれた!』

ディオ「でーご?こいつのことか?
・・・弟が世話になったね、有難う。礼を言うよ」


こいつ、本当に晃の兄なのか?
確かに二人とも綺麗な作りだが、顔も髪や肌の色も違うし、それに見かけうんぬんよりこの人を信じていない笑顔。
同族だと言う事がすぐ分かる。晃は優しい所がそっくりだと言っていたけど、本当にこいつは僕に似ている。


ディエゴ「ところで、君はこの町を知っているか?どうやら迷ってしまったようなんだ」

ディオ「・・・いや、僕らも気が付いたらいつの間にかはぐれて知らない街に迷ってしまったようで」

『ふしぎ!わぷーしたみたい!また とりぷー かな?』

ディオ「わぷー?とりぷー?とにかく、よかったら君も一緒に来ないか?
(晃に何かしたんじゃないだろうな。嘘くさい笑顔め、問い詰めてやる)
僕はディオ、君の名前は?」

ディエゴ「あぁ、そうするよ。(兄とは言え晃をこいつに任せるのは癪だ)
僕はディエゴ、よろしくな(僕に握手を求めて、心にもないくせに)」

『(よかった!二人ともニコニコ握手して仲良しさんになった!!)』

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