日常(帝王と友人)2
『あ、ヴァニラさんおはよ・・・こんばん・・・こんにち?こんにちは?』
ヴァニラ「貴様、今起きたのか」
もう慣れてしまったが、俺の目の前に急に名前が現れた。
どうやら、こいつがと言うよりは、こいつのスタンドが私のクリームに懐いているようだ。
一度ゾンビに背後から襲われそうになった所をクリームでガオンしたら、それ以来こいつはよく名前をつれて俺の所に来るようになった。
スタンド能力が似ているからか、名前と俺とも波長が合うらしく、二人でいても苦ではないが、この広い屋敷で迷子になってゾンビどもに襲われると思うと、そのたび元の部屋に連れて行かねばならない。
・・・いい迷惑だ。起きたばかりで髪がぐしゃぐしゃではないか。
そんな姿でDIO様の前に出るなまったく。
ヴァニラ「またDIO様と夜を過ごしたのか」
『ヴァニラさんや、その言い方誤解を生むからやめてくれ。この前も屋敷の女性に刃物突き付けられたんだから』
DIO「おい、その話は聞いてないぞ」
スタンドがクリームの上に乗って頭をペチペチ叩いて何かを言っているが、あいにくお前の言葉はわからない。
とくに気にならないのでそのままにして俺は名前の髪を整えていると、いつの間にか私は後ろに下がっていて、私の居た所にDIO様がいて名前と話している。
おそらく時を止められたのだ。
こいつのスタンドは、DIO様の膝を叩いて・・・殴っているようだが、最初の頃は無礼なと怒っていたものだが、DIO様からの好きなようにやらせておけと言うご命令でほおっておいてはいる。
正直、あの程度の攻撃・・・攻撃?まぁ、まさに言葉通り痛くも痒くもない。
どうやら、名前と話す相手に嫉妬しているようで、一番DIO様にライバル心を燃やしているらしいが、DIO様を嫌っているわけではないらしく、この前はDIO様と名前が酒を飲んでいる時に、DIO様の腕の中で一緒に座っている姿を目撃した。
スタンドはDIO様が出したワールドに相手してもらっては、その手のひらにラッシュして疲れたのか満足したのか、また名前の背中に戻る。
『え、言ってねーし』
ヴァニラ「お前!いい加減にDIO様に失礼だぞ!」
DIO「よいヴァニラ、それよりもその話、よく聞かせろ」
『え、聞いても面白くないって、なんか目の前で消えちゃったし』
「[ムキュウ!]」
何やらスタンドが胸を張って「俺がやりました!(エッヘン)」と主張しているように見える。
それをワールドが褒めるように頭を撫でてやれば、喜び、少ししてハッとなって照れくさそうにその手をはたいて名前の背に隠れてしまった。
DIO「・・・そろそろ、自覚さるか」
エンヤ婆にも洗礼を受けたこいつは、かなりのスタンド使いであるらしいが、当の本人にやる気もなければ自覚もない。
まぁ、目の前で美女が襲いかかろうが、腐敗した死体が襲いかかろうが、そしてそいつらが一瞬で消えようがこのありさまなのだから、ある意味ものすごい精神力ではあるのだろう。
暗黒空間に消し去る能力とは違って瞬間移動なので、何処かに飛ばされるだけなのだが、自覚して制御できるのならその違いも活用方法によってはかなり役に立つはずだ。
現にスタンド自体も己の意思で動いてはいるものの、本人に懐いているので命令には忠実に従うだろう。
だが、結局DIO様はなにもなさらず、こいつと夜の町へと繰り出して、翌日の朝飲みつぶれた名前を抱えてスタンドの瞬間移動能力で帰ってきた。
意識がなくてもスタンド能力が使えることにも驚いたが、どうやら本人でなくともDIO様の言うことを聞く事も出来るらしい。
そして、スタンド本人はその能力の制御が完璧にできるようで、DIO様の頭の上で胸を張っている。
DIO「ほぉ、本当に他人も移動できるのか、かまをかけてみて正解だったな。
さて、おきろ名前。テレンス、水を持てこい」
「[ムッキュ!ムッキュ!]」←俺凄いだろ褒めろよと言いたいらしい
『うー・・・飲みすぎた・・・』
DIO「あぁ、凄いな凄い凄い。おい名前ここで吐くなよ」
『凄い?えへー俺凄いー』
「[ムッキュー!]」←凄いーと言いたいらしい
まったくもって不思議な奴だ。
テレンスがもってきた水を飲んだ後、寝てしまった名前はその場からスタンドの能力で消えた。
またその日の夕方頃に起きては、スタンドに連れられてぼさぼさの髪で俺の前に現れるのだろうと思うと、あまり嫌な気分にはならなかった。