19世紀イギリス、私はジョースター家長男として生まれました。
日本では江戸時代の後期及び末期(幕末)から明治時代にあたります。

私は世界史も日本史も専門ではないですが、一教師としてはどの教科も代行として教えられるほどには把握しているつもりです。
それ以降の時代背景についても・・・おっと、ここではそれはタブーですね。

現在5歳の身ではありますが、前世の記憶と言えばいいのか、生前は10年ほど中学校で「英語・数学」の教師として務めておりました。
そのため幼少の身からの語学力と計算能力に一時期天才児ともてはやされてしまいましたが、これはいけないと年齢に不相応な勉強は陰で行うことといたしております。
そうそう、私がなぜこのような世界にいるかといいますと、享年は35歳でしょうか、この歳になるとあまり年齢に固執はしないのですが、毎年担当になる可愛い生徒達が祝ってくださるもので。
受験間近で頑張る3年生の為に、放課後の特別授業を終えた私はその帰り道、雪道でスリップしたタンクローリーに轢かれ絶命。
孤児院育ちで両親も親戚もおらず、その時も一人身なので、この後国に御厄介になったと思うと心苦しいのですが、その事に気付いた時にはどなたかのお腹の中におりました。

そして、本日1868年4月4日。私に弟が生まれました。名は、ジョナサン。
おっと、私の名を言っておりませんでしたね、名前と申します。
出産時にお世話になった恩人の方の名だとか、偶然にも同じ名前で驚いております。
さて、話しを戻しましょう。

ここは19世紀イギリス、4月4日、父:ジョージ・ジョースターと、母:メアリー・ジョースターの間に生まれた、名門ジョースター家の男の子ジョナサン・ジョースター。
原作と違うと言えば、彼は二男であると言うことでしょうか。
まさか、タンクローリーに関係があるのか、しかしだとしたらロードローラーでもよかったかも知れませんね。
いやぁOVAのDVDをもう一度拝見できずに死んでしまった事が悔やまれます。


ジョージ「名前、君の弟だよ。これから二人でお互いに支え合い、助け合って生きていくんだ」

『はい、おとぅさま!名前・ジョースター、ジョナサンをかにゃらずやっりっぱなしんしにせいちょうさせます!』


しかし子供の口というのは難しい。発音を注意する側の身としてこれはいただけない。
お父様から丁寧な口調と子供らしからぬ発言に驚きながらも、お褒めのお言葉を頂きました。
その年、私は風邪をひいてしまいました。いえ、体調管理は万全なのですが、どうやら運命の神様はそう簡単には私の思惑通りに動いてはいただけないようです。
高熱で二人を引きとめる事が出来ず、ジョナサンだけを連れて旅行に行っていた両親は、落馬事故にあってしまいました。
ですが、この程度で諦める私ではありません。


ジョナサン「おにぃさまっ」

『ジョナサン、発音が少し可愛らしいですね?「お兄様」と言ってみてください?』

ジョナサン「おにっおにぃ、お兄様っ!!」

『はい、よく出来ましたジョナサン。素晴らしいです。
それで、私に何か御用があるのでしょうか?』

ジョナサン「うんっ!あのねっダニーとっ川に一緒に遊びに行こうっ!」

『そうですね・・・後この詩を全て写したいので、少しそこでこの絵本を読んで待っていていただけますか?
テーブルの上のパイも、よかったら食べてください』

ジョナサン「うん!でも絵本より、おにぃさっお兄様の詩のお歌を聞きたいな!」

『私のですか?ちょっと難しいかもしれませんが・・・書きながらでよかったら』


あの日から、私は再度決心いたしました。最終目標はジョナサンを救う事。
それに至る経緯としては、まずはディオとの決闘を阻止、そのためには石仮面を破壊するのが一番でもありますが、吸血鬼にならなかったとして彼が諦めるというような人間ではない事は明確。
そして、現段階で貧民街にいるはずのディオを探し出そうにも従者に頼んではいますがうまくいかず。

今私が出来る事は、ジョナサンがディオに苛められないように、お父様にいらぬご心配をかけぬよう紳士としてディオと同等に教養を身につけていただく事。
まず最初にジョナサンには語学力を身につけていただきたい。
現代国語ではなく、英語教師でよかったと思います。まずは文章を読み解く能力、これは数学は勿論どの科目にも必須です。
貴族としても発音は丁寧に、でこの歳からゆっくり身につけて、しかし苦手意識を植えこませないように。
思ったよりもジョナサンも興味を示していてよかった。私が読み上げるウィリアム・ブレイクの詩をジョナサンはパイを両手でかじりながら大人しく聞いてくれました。

・・・そうですね、紳士としてのマナーは私も学んでいる最中ではありますが。
これは・・・早めに教えてあげた方がいいかもしれません。
そうですね、まずはナイフとフォークで好きなように食べてもらう所から少しずつ。


ジョナサン「おにぃっおっお兄様!!終わったの?」

『はい、終わりました。さっそく行きましょうかジョナサン』


それよりもまずは、教えた発音で頑張って私を呼ぶ、可愛い弟との川遊びが優先ですね。


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