終着する物語の幕間劇
−素に銀と鉄。 基礎に石と契約の大公を。 祖には我が大師シュバインオーグを。
降り立つ風には城壁を。 四方の門は閉門し、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環する。−
薄暗い部屋の中、粛々と言葉を紡ぐ。
−閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。−
密閉された部屋にかすかな風が生まれる。
−繰り返す度に五度。
ただ、満たされる時を破却する。−
翡翠の魔法陣は淡く輝きを放つ。
−セット。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の能力に。
運命の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。−
微風だった風が荒れる狂う風となり髪を激しく乱す。
−誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。−
閉じていた目を開き最後の節を叫ぶようにして唱える。
「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!!!」
その節を唱え切ると同時に眩い光が視界を一瞬にして奪い、ゆっくりと収束していく。その様子に呪文を唱えていた人物は唖然としながら魔法陣の中を凝視する。
「問ます。貴方が僕のマスターですか?」
こてんと小首をかしげながら魔法陣の上に鎮座する黒髪にオッドアイの愛らしい少年に召喚の儀式を行ってた−花京院名前は唖然とした。
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