名前
おはっす!!晃です!
なんか名前変換少ないね!って思ったら、そうだよ僕この少年に名前を教えてないよ!
それどころかこの少年の名前すらわかってないよ!
少年「おはよう、もう起きていたのか?」
『ミィイ(おはよー)』
一緒のタイミングで起きたのか、目の前の少年と互いに挨拶をすると、あくび交じりに伸びをする。
昨日のあのおとーさんが呼ぶ声で、で、でい?でお?
嗄れ声でわかんねぇよ、外国の発音の名前とか難すぃよっ。
でお君(仮)としよう。でお君も僕と同じタイミングで伸びをした。息ぴったりですなwww
さて、でお君にどうやって自分の名前を伝えるかだ!
何か書く?この前足で?治ったとしてもぷにぷにの肉キューではペンは持てないし文字はかけないだろう。
どうやらこの夢は昔のヨーロッパ風でPCや携帯が無い。もしくはこの家にはないだけか。
ブラインドタッチは諦めるがせめて意思疎通が出来ればっ。
でお「さぁ、飯にしようか。昨日と同じものでも大丈夫か?」
『ミュウ!(いやもう、貰えるだけありがたいです)』
でお「・・・ふん、もらえるだけでも有難いと思えよ」
『ミ(おお、でお君が猫に気を使ったことに今更はずかしがっとる)』
どうしようかなーなんて実は別に夢なんだから呼び方は「お前」でも「猫」でも不自由しないだろうに一生懸命考えるのはそう。
寝ても夢が覚めていなかったからだ。
夢の中で寝ると言う不思議体験アンビリ・・・げふん。
それどころかこの足の痛みはやっぱりリアルに痛いし、お腹も減ってくるしのども渇く。
でお「マナーがなっているな。昨日もそうだが、もっとボロボロボロボロ汚くこぼすものかと思っていたが」
『ミュウゥ(そりゃまぁね、人としてならこの食べ方はアウトですが)』
これは次にまた寝て起きたとしても夢から覚める可能性がわからない事と、
実際に喉が渇き、腹が減っているのと同じ感覚、そしてなにより痛覚までそのままと言う事は、
下手をすればそのまま心臓麻痺やショック死で自室のベットの上で見つかるかもしれない。
夢の中だからって侮れない。
ここまで感覚があるとなると、僕の脳内で死んでしまう可能性がある。
でお「さぁおいで、足の手当てをしてやろう」
『ミァウ(おおう、ごちそうさまでした。
それにしても急に抱き上げるのは心臓に悪いってばー)』
そう、ここは夢の中でも現実に自分が猫になったと考えて行動するのが最善だろう。
そうとなれば昨日の「逃げる」コマンドの選択は正しかったのだろう。
でお君は僕を膝の上に乗せると手際よく足の布を変えてくれた。
んー、後ろ左足の方が深く刺さっていたようだ。
まだまだ痛い。歩けるまで何時になるだろう。