「[王様!おはようごぜぇやす!]」

『[おおう、おはようー、今日もどらさんはモフモフで可愛いにゃー]』

「[てってれやすぜ〜///]」


日も落ちたころ、仕事らしいでお君を迎えに行きがてら町中を散歩していると、ここら辺一体のボスであるどらさんが現れた!
最初の頃は、何かの血で汚れた体と傷だらけの顔にこれでもかと言うほどビビりましたが、
次に会った時には降伏のしるしとして目の前でおなかを見せてゴロゴロしてくれました。

想像してみてくださいよ!いろんな種類のにゃん子が目の前でお腹を見せてゴロゴロしているところを!
もう萌えて悶えて心臓がやばかった!

ちなみに彼女(こんなしゃべり方だがレディだ)は僕の事を王様と呼ぶ。
他のボスには「ボス」だとか「帝王」だとか呼ばれる。どこのギャングだと思ったが、
降伏の姿勢で伏せていてまともに会話できないころに比べれば譲歩してもらえた方だ。
まぁこの呼びかたを今だにどこのセッターだよと思わない事も無いが、呼び方を嫌えばそれこそどこのセッターだよ状態。

「綺麗な毛色だね」と言ってからか、みんな体を洗うようにしてくれて、シャンプーとかはないからちょっとごわごわしてるけど、お互い毛づくろいしているようで最初の頃のあの威圧感が無くなったように思う。
やっぱモフモフはいいよねーと、お昼寝の際にはみんなで集まって丸くなるのでもうここが天国かと思う。


「[王様お伝えしたい事が]」

『[ん?]』


どらさんが何やら真剣な顔をして言ってくるので、内容を詳しく聞くと人身売買組織がこの町で何やら企んでいる事。
中には銃で試し撃ちなのか何匹もの猫たちが撃たれている事。
どうやら中には毛皮用に捕獲されているのではないかと言う事だった。
え、毛皮って猫使うの!?とか知識がない僕にはわからなかったが、どうやら数年前から流行っていて、庶民では犬猫も使うらしい。
ここら辺の猫は特に毛並みも綺麗だから狙われてしまったのかと思うと心が痛むが、どうやら僕がいる前からこう言う事は起こっていたようだ。


「[王様ならなんて事はねぇかもしれねぇですが、用心して下せぇ]」

『[うん、ありがとう。君たちも極力人間の前に出ないようにしてね。
銃相手じゃいくら君たちの足でも危ないし、]』

「[いや、ここら一体のボスとしては]」

『[こんな綺麗な毛並みが汚れてしまうのは僕としても悲しいから]』

「「「「[きゃーーーっ///]」」」」


そう言いながら頭を撫でると、どらさんが何故か固まって動かなくなった。
そっか、銃って想像するだけでも怖くて固まっちゃうよね。
どらさんの後ろにいたにゃん子ちゃんたちがキャイキャイ楽しそうでなによりだ。
なんにせよ銃を持った妖しい組織とは物騒な、でお君にも伝えておこう。
「銃gun」「組織smuggling」と、えー「町」「徘徊」「気を付けて」ぐらいの単語で伝わるかな。

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