明晰夢
「なっなんだこの猫どもっ」
「うわっくっくくくくくるなぁあああ」
「俺の指がぁあああ」
仲間の叫び声に気付いた男が俺の上からどくと、猫に飛びかかられ、目玉を掻き出されていた。
転がり叫ぶ男がどいたことで自由になった上半身だけを起こし、俺もその声の方向へ目を向けた。
見慣れた小汚い猫どもが今まで俺を囲んでいた男どもを(おそらく隠れていた仲間も一緒に)襲っていた。
ありえない。今まで猫が人間を襲うことはまずなかった。
道端でのたれ死んでいるか、食い物を奪うことはあるにしろ、こんな大勢を一斉に・・・
まず、猫「ども」という時点でおかしい。
ここ猫は必要以上に群れるのを嫌っている!!この数は何だ!!
まるで町中の猫が縄張り関係なく集まって来たかのようなっ。
少年「っ!!!」
動かなくなった男を襲っていた猫がこちらを向き、血が滴っている何匹かと視線が合う。
少年「(やられる!!!)」
先ほど以上に戦慄を覚えると同時に、他の猫に気を取られていたのか、ポスッと腹に子猫が乗ってきたことが、重さを感じてから気付いた。
乗ってきたと言うよりは転んだようで、顔を打っているのかうずくまっている姿は人間臭い。
良く見れば、男どもを襲い終えた他の猫どもは、さきほどの光景から一変、この子ネコを貴族の猫のように大人しく、まるで指示を待つようにじっと見つめている。
少年「君が・・・助けてくれた・・・のか?」
『ミュ?』
自分自身何を馬鹿なことを口走っているのかと思う。
言葉を理解していないのか、首をかしげる姿はこの場に似合わず・・・
似合わず?
俺は・・・いったい何を・・・思った?
まぁいい。猫が人を助ける?ハッ、そんな馬鹿な。
きっと殴られて頭が混乱していただけだ。そうだ。こんな猫。
しかし猫は何を見ている?俺の・・・足?打たれた足・・・。
『ミュー』
少年「なっ、お前も、足を怪我しているのか!!」
俺の服に可愛らしい血の足跡ができており、まさかと思って子ネコの腕を上げれば肉球にガラスの破片がいくつも突き刺さっていた。
腹に乗っている子ネコを、赤子のようにそっと抱きあげると、まるで遠慮をするかのように子ネコは少しだけ身じろぎ、
俺が足からの痛覚で顔をしかめると急におとなしく俺の腕の中におさまった。
良く見れば毛並みもつややかで綺麗だ。触っていてとても心地いい。
ここの猫のようにとくべつやせ細っているわけでも、ぶくぶくに太っているわけでもない。
だが首輪も無い。
他の猫はじっと子ネコを見て、俺に襲ってくる様子もない。
誰かに捨てられたのならここに来る前にこいつらに食われるし、何よりこいつらを従えている事に説明がつかない。
なによりこんなに素晴らしい猫を捨てるものか。
それよりもむしろ驚くべきはこの生まれて間もないであろう子猫が、自分の何倍の体と、その凶悪な爪と牙をもった何匹もの猫を従えている事実。
指示を出して俺以外の人間を襲ったとしか思えないこの現実。
頭の中でこの状況を整理しようと試みるも、己の指の感触に手元の猫へと目線を戻すと、
俺の脚の傷へと視線を向けつつも、俺の指の怪我を舐める子ネコに不思議と痛みも和らいだ。
少年「ふん・・・。俺の心配より、まずは自分の足を治せ」
『ミィー』
普段ならば汚らしい猫がと地面にたたきつけるのだが(そもそも猫を抱きあげないが)、
なぜかとてもくすぐったい気持になったのは、猫特有の舌べろの感覚のせいだと思う。
「うわっくっくくくくくるなぁあああ」
「俺の指がぁあああ」
仲間の叫び声に気付いた男が俺の上からどくと、猫に飛びかかられ、目玉を掻き出されていた。
転がり叫ぶ男がどいたことで自由になった上半身だけを起こし、俺もその声の方向へ目を向けた。
見慣れた小汚い猫どもが今まで俺を囲んでいた男どもを(おそらく隠れていた仲間も一緒に)襲っていた。
ありえない。今まで猫が人間を襲うことはまずなかった。
道端でのたれ死んでいるか、食い物を奪うことはあるにしろ、こんな大勢を一斉に・・・
まず、猫「ども」という時点でおかしい。
ここ猫は必要以上に群れるのを嫌っている!!この数は何だ!!
まるで町中の猫が縄張り関係なく集まって来たかのようなっ。
少年「っ!!!」
動かなくなった男を襲っていた猫がこちらを向き、血が滴っている何匹かと視線が合う。
少年「(やられる!!!)」
先ほど以上に戦慄を覚えると同時に、他の猫に気を取られていたのか、ポスッと腹に子猫が乗ってきたことが、重さを感じてから気付いた。
乗ってきたと言うよりは転んだようで、顔を打っているのかうずくまっている姿は人間臭い。
良く見れば、男どもを襲い終えた他の猫どもは、さきほどの光景から一変、この子ネコを貴族の猫のように大人しく、まるで指示を待つようにじっと見つめている。
少年「君が・・・助けてくれた・・・のか?」
『ミュ?』
自分自身何を馬鹿なことを口走っているのかと思う。
言葉を理解していないのか、首をかしげる姿はこの場に似合わず・・・
似合わず?
俺は・・・いったい何を・・・思った?
まぁいい。猫が人を助ける?ハッ、そんな馬鹿な。
きっと殴られて頭が混乱していただけだ。そうだ。こんな猫。
しかし猫は何を見ている?俺の・・・足?打たれた足・・・。
『ミュー』
少年「なっ、お前も、足を怪我しているのか!!」
俺の服に可愛らしい血の足跡ができており、まさかと思って子ネコの腕を上げれば肉球にガラスの破片がいくつも突き刺さっていた。
腹に乗っている子ネコを、赤子のようにそっと抱きあげると、まるで遠慮をするかのように子ネコは少しだけ身じろぎ、
俺が足からの痛覚で顔をしかめると急におとなしく俺の腕の中におさまった。
良く見れば毛並みもつややかで綺麗だ。触っていてとても心地いい。
ここの猫のようにとくべつやせ細っているわけでも、ぶくぶくに太っているわけでもない。
だが首輪も無い。
他の猫はじっと子ネコを見て、俺に襲ってくる様子もない。
誰かに捨てられたのならここに来る前にこいつらに食われるし、何よりこいつらを従えている事に説明がつかない。
なによりこんなに素晴らしい猫を捨てるものか。
それよりもむしろ驚くべきはこの生まれて間もないであろう子猫が、自分の何倍の体と、その凶悪な爪と牙をもった何匹もの猫を従えている事実。
指示を出して俺以外の人間を襲ったとしか思えないこの現実。
頭の中でこの状況を整理しようと試みるも、己の指の感触に手元の猫へと目線を戻すと、
俺の脚の傷へと視線を向けつつも、俺の指の怪我を舐める子ネコに不思議と痛みも和らいだ。
少年「ふん・・・。俺の心配より、まずは自分の足を治せ」
『ミィー』
普段ならば汚らしい猫がと地面にたたきつけるのだが(そもそも猫を抱きあげないが)、
なぜかとてもくすぐったい気持になったのは、猫特有の舌べろの感覚のせいだと思う。