なんとも気分が悪い。

最近では賭けチェスを覚え、何人もの大人を餌にしてきた。

子供だからと油断したと、何度も突っかかってくる馬鹿どもから絞れるだけ絞り取ってきた。
が、今目の前にいるこいつらはどうやらチェスがお目当てではないらしい。


「おまえか、最近ここいらでヒキョーなイカサマしてるガキってのは」

少年「イカサマ?ふん。お前らごときに一々策を練る必要があるとも思えないが」

「このっ!!大人を舐めがって!!」


無様にも金をよこせと言ってきた。俺が勝ちとったものだけではなく身ぐるみ全て置いて行け
、と。
こいつらのいう「大人」がどれほど偉いものなのか。
子供相手にゲームに勝てないからと仲間を引き連れて。6人・・・。
どちらが卑怯なのか理解できる頭は無いらしい。


少年「どけよ粗大ゴミが。この俺の服が汚れるだろう」

「あぁあああ!?」
「子供だと思って手加減してやりゃあ」


相手にするのも面倒なので、近くの男に一発。腹に決めればすぐ奇声を上げてうずくまる。
続いて近くの男が逆行して殴りかかるも、そののろい鈍亀の拳はかすることも無く、
顎に一撃を入れれば痛みで動きが鈍る。

さっさとその場から逃げだそうとしたその時、足に激痛が起こりバランスを崩す。
すぐさま目の前の男に顔面を殴りとばされ、吹っ飛ばされると、起き上がる間もなく馬乗りにされた。

さっきの激痛は何だ。その前に銃声が聞こえた。まさか撃たれたのか。
足だ。致命傷ではない。だがこの体制この人数。おそらく仲間もまだいる。


まずい。いくらごみとは言え大人と子供にこの人数。
体格差なんて可愛らしいものじゃない。


『フミュアー!!』


危機的状況に体が一瞬強張った時、この町の猫にはない、いや、この町には似合わない、
弱弱しい子ネコの、どこか勇ましく感じる鳴き声が聞こえた。

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