あれからすぐに召使を呼び、荷物を運ばせ、俺の部屋に案内させた。
自身の荷物の中身は触られたくなかったため、すぐに召使をひかせ、荷物を整理していく。
これらもすぐに新しいものを与えられるのだろう。晃と兼用で使う事はもう無いのかと思うと、その面に関しては少し残念だ。
どうやら俺の部屋は端で、あのジョジョと俺の間の部屋が晃の部屋のようだ。
おおかた年下の晃が寂しがらないような配慮だと思うが、部屋の造りはどうなっているのだろうか。
この部屋とは繋がっていないが、もしかしたらジョジョの部屋とドアで繋がっているのかもしれない。
・・・晃の荷物を渡しに行く時に部屋の中を確認しよう。


コンコンっ


『Σはっはひっ!!』

ディオ「クククっ、俺だ晃」

『おにーちゃん・・・』


鈍感と言うか、度胸はあるくせに変な所で神経質と言うか、緊張している晃に笑みがこぼれた。
俺に笑われて赤くなっている晃に本来の目的を忘れそうになったが、荷物を渡せばすぐに笑顔でお礼を言ってきた。


ディオ「荷物の整理は大丈夫そうか?」

『うん、おにーちゃん 自分のお部屋 整理しない でしょ?
僕 一人でできる!』

ディオ「そうか、ディナーの用意が出来れば使用人が呼んでくれるから、
その時は一緒に行こう」

『うん。あ、僕も じゅんび おてつだい する』

ディオ「晃、そんな事はしなくていい。俺たちは貴族の息子になったんだ」

『でも、おせわなる・・・』

ディオ「使用人みたいなことをするんじゃあない。恩人の息子にそんな事をさせたとあっちゃぁジョースター卿の名に泥を塗ることにもなる」

『そっか・・・』


こうして時々無知な事を言う。まるで無垢な赤子か天使のようだが、こういた面を見せられると何か違和感を感じた。


ディオ「じゃあ、何かあったらすぐ俺のところに来いよ?」

『うん!』

ディオ「寂しかったら俺の部屋にいてもいいし、なんだったらジョースター卿に頼んで一緒の部屋にしてもらおう」

『う、うん』


何かあればすぐにジョジョではなく俺を頼るように言い聞かせる。晃の返事に満足し、部屋を出ていく。
部屋のつくりはどうやら俺と同じようだ。部屋からテラスも見てみたが、特に繋がっている様子は無い。
家族とは言え必要以上にジョジョと接触させたくは無い。晃は一見人懐っこい性格ではないものの、興味を示したものには近寄っていく。
来るもの拒まず、去る者追わずな性格だが、問題なのは去る者が極端に少ない事だった。
靴磨きの客でさえ、晃目当てのリピーターが来るぐらいだ。




自身の部屋に戻り、荷物の整理が大体終わったころ、控えめな扉のノックオンが聞こえた。
使用人かと思い返事をすると、晃がドアから顔を出す。
どうやら食事の準備が出来たと伝えに来た使用人に変わって、俺を呼びに来たらしい。


ディオ「晃、さっき言ったばかりだろう、使用人の真似ごとは
『だって、はやくおにーちゃんにあいたかったんだもん』
・・・晃」


胸が何かで満たされるような感覚がし、愛らしい事を言う晃をすぐに抱きしめる。

晃の身なりを整え、一緒に手をつなぎ会場へと向かうと、先に席で待っているとジョジョと顔があった。
俺と晃の手を羨ましそうにも悔しそうに見ているジョジョに優越感を感じ笑ってやった。

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