少女
二人とも出かけて、執事の人達も忙しそうなので、僕は久しぶりに猫になって屋敷の外へ出てみることにした。
猫としてはよく出かけるけど外に出ないようにおにーちゃんに言われているので、人の姿では出かけた事は無いが、猫の姿では最近は昼間も出かけている。
ここらへんで仲良くなった野良や飼い猫の子たちと御散歩していると、どこからか女の子の泣き声が聞こえてきた。
「「やーいやーい 泣き虫エリナー」」
少女「ぅぅっ」
気になって見に行けば、男の子二人と綺麗なブロンドの髪をした美少女がいた・
どうやら苛めっ子二人に本を取られたようで、美少女が泣きながら一生懸命取りかえそうとしている。
あれか、好きな子は苛めたくなるタイプか。だが泣かせるのはおにーさん感心しないな!
『フシャーっ(返してやれよっ紳士のする事じゃないぞっ)』
「うわっなんだこの猫」
「いってぇ引っ掻きやがってこのっ」
少女「!!」
二人係で僕を捕まえようとするも、少年たちの顔に蹴りを入れながらきれいに避ければ二人でお互いにぶつかってしまい倒れてしまった。
それでも僕が気にいらないようで拳をかまえてきたが、僕の後ろから5匹のにゃん子が威嚇しながらじりじりと迫ってくる姿を見て逃げ出してしまった。
『(そうだ、本、これどうぞっ)』
少女「Σビクッ」
地面に落ちた本を咥えて、座り込んでいる女の子の元に行けばめっちゃビビられた。
にゃん子ちゃん達には悪いけど、ちょっと木陰の方で休んでいるように言って、女の子にそっと近づく。
当たり前なのだがちょっとショックを受けると、ごめんなさいと謝ってきた。
少女「貴方、もしかして私の本取りかえしてくれたの?」
『にゃう(そうだよ?と言ってもわからないか)』
少女「まぁっ!私の言葉がわかるのねっ?
有難うっ!私、猫ちゃんとお話しするのもっ助けてもらうのも初めてだわっ」
少女の言葉にうなずいた僕にそう言うと、少女は恐る恐るだが、嬉しそうに僕の頭を撫でてくれた。
年齢はおにーちゃん達と同じか少し下ぐらいだろうか、ご丁寧に自己紹介をしてくれて、どうやらこの近所に住んでいるらしくまだ友達も少ないらしい。(エリナちゃん可愛いからすぐ友達増えるよ!)
僕に友達になってくれるかと聞かれたので返事をすれば嬉しそうに抱き上げてくれた。
どうやらちょっと天然と言うかメルヘンな感じで、この年代の女の子って皆こうなのだろうか。
僕が話す事も怖がらないし、なんかアリスみたいだと言って喜んで、纏っている空気がポワポワしている。
僕の時代の子はけっこうませてゲフンゲフン。
エリナ「前にも、あなたみたいに助けてくれた男の子がいたの。
返り討ちにあってしまって、私の代わりに男の子に殴られてしまったのだけれど、大切なお人形を取りかえしてくれたの。
名前も名乗らずに行ってしまった・・・。その子にね?何かお礼がしたいなと思って」
『みゅーう(おお、ジョースター卿ように紳士みたいな子がいるんだねぇ)』
エリナ「でも、彼受け取ってくれるかしら。私にお礼を言われたいから助けたんじゃないって言っていたから」
『にゃう(なにそれマジカッケーな!返り討ちにあっててもカッケーよ)』
それならばと、前回僕が実行した作戦「籠の中にお礼を入れて渡して去ってしまおうぜ」
を、爪で地面に書いてあげた。
正確には「籠にお礼と手紙を入れて 目の前に置く 走り去る」なので、正体を明かしてお近づきになろうぜと言うのが僕の目的だ。
エリナ「まぁ、文字が書けるのねっ!それにいいアイディアだわっ!」
ぐっ、ショタコンに続きロリコンの危機だっ、ぐぅかわっ。妹がいたらこんな感じかな。
今現在抱っこされてんの僕の方だけど。
本物のにゃん子ちゃん達との約束もあるので、この場で別れることになったが、また遊んでねと言う声に一鳴き返事をして散歩に戻っていった。