ジョナサン「晃・・・晃・・・・・・」

SW「ジョースターさんっ」

ジョナサン「晃っ・・・
こんな・・・こんなことって・・・君がっ、君がいなくなったら僕はっ!!
僕はっ・・・」

SW「ジョースターさんっこれ以上は行けねぇ!あんたまで塔の底に落ちちまうっ!!」


穴の地下深い闇に手を伸ばし続けるが、その手は空を切るだけで、涙が晃の落ちた暗闇へとこぼれて行った。
スピードワゴンに体を引っ張られて後ろに倒れ込む。


ジョナサン「晃・・・晃っ・・・くっぅ」

ツェペリ「ジョジョ・・・きさま・・・大バカ者が・・・。
悲しんどる場合か!今のおまえは!」

SW「ツェペリのおっさんの傷が・・・い、癒えている!?」


ツェペリさんの体を抱き上げると、足は切り離されてしまったものの、その切断面は繋がっており、出血もある程度は止まっていた。
だが、体の内部までの回復は出来ていないのか、喋った時に咳と共に吐血している。


SW「おそらく先程の黒い波紋の塊・・・晃の波紋エネルギーだ。
私達二人の為に、彼は、己の波紋を絞り出してしまったんだろう・・・」

SW「じゃ、じゃあ・・・あの時晃さんはすでにっ」

ジョナサン「!!」


晃は、僕らを助けるために・・・
また、僕を助けるために彼は・・・っ


ツェペリ「いや、あの後、一つは私が君に波紋を送り込み力尽きようとしていた時に私の体の中に入った。
が、もう一つ、君の体を旋回していた波紋はそのまま空中で消え去った。
おそらく、先に私の波紋が君に流れ込んだからだろうが、その消えたエネルギーが晃の体に戻ったのならもしくは・・・それに、彼はまだ赤子になるほど力を使いきったわけではない。助かっている可能性はある!」

SW「な、ならさっさと地下に晃さんを探しに行こうぜ!」

ジョナサン「ツェペリさんも一緒にっ・・!!?」

ツェペリ「気付いたかジョジョ・・・私はもう、波紋は・・・つくれない」

SW「なっ!?どういうことだ!?」


ツェペリさんから感じるのは、晃の波紋のエネルギーのみだった。
つまり、僕の体の中に感じるこの波紋は、ツェペリさんの全ての生命エネルギー。
今こうして彼がギリギリ生きていられるのは、晃のエネルギーのおかげと言っても過言ではない。
つまり、晃のエネルギーが切れた時、ツェペリさんの命も尽きるという事!!


ツェペリ「恐ろしい事に、晃のエネルギーには驚かされる。
今のところ、底が見えないが、おそらく、足を生やすよりも命をつなげるためにあの球体の波紋が持続的に流しているのだろう。
しかし、痛みが段々と戻ってきているジョジョ・・・私はどうやらここまでのようだ、これ以上は足手まといになる・・・私を置いて行きなさい」

ジョナサン「ツェペリさん!」


石仮面の為に、長い年月を波紋の修行につぎ込んだのだ。
体は生きていても、これでは戦士として死んだも同然・・・。
その体さえも、波紋で動いているギリギリの状況!
僕の波紋では、回復はおろかココまでの効果を補助する事も出来ないっ。


ツェペリ「さ・・・さあ早く行け、ディオを倒すのだ・・・石仮面を破壊するのだ!ゴボッ」

ジョナサン「ツェペリさん!やはり、肺や内臓は関知していない!!」

ツェペリ「わしは・・・自分の運命に満足しておるよ。
わしは・・・若いころ結婚していた。しかし、石仮面の為に家族を捨てた。
だけども、自分の運命に満足しておる・・・。
黒獅子が私の運命を切り裂いた。決められていた死の運命から・・・。
死の運命すら受け入れていた私を・・・それだけで十分だ・・・。
わしは最後に、自分の全てを伝えた・・・。ジョジョ・・・お前達はわしの希望だ!
まるで親友と息子を同時に持ったような気持ちだぞ。
そして、波紋戦士としてのわしは、これからお前達の中で生きるん・・・じゃ・・・」


そう言い終わると、ツェペリさんは意識を手放した。
家族を捨ててまで選んだ道、死を覚悟してまで突き進んだ道。
今度は僕が、その年月と精神を受け継ぐ!!

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