その後、急いで塔の最下層へとたどり着くと、そこには晃が捉えられていた檻と、身に着けていた衣服の残骸が落ちているだけだった。
黒猫になってしまったのではと、周りを探してみても姿は見えず、代わりに晃の血らしき血痕が、外へと続いている事に気付いた。

その結婚の先をたどれば、町の方へと続いており、その途中で血は途切れていた。
僕らはそのまま、ツェペリさんを近くの療養所まで運ぶと、そのまま町へと向かった。


SW「(ジョースターさんの顔つきが変わったようだ。晃さんとツェペリのおっさんの命の危うさから表情に影が濃くなった・・・。
俺だって同じよ・・・悲しみと怒りを必死にこらえている・・・。
だが、あのディオを倒すまでは、悲しんじゃいられねェ!)」

ジョナサン「おそらく、晃は生きている。
自分で動いたのか、何者かに連れ攫われたのかはわからないが、血の跡も注意しなければわからないほど少なかった」

SW「ツェペリのおっさんも、気を失ってはいるが、まだ息はあった!
町の入り口の療養所で見てもらていれば、まだ助かるかも知れねぇ。
それにしても町はいったいどうなっているんだ?
ディオのやつはさっき、一昼夜中にこの町を全滅させると言った!ゾンビはゾンビを生み、その早さはネズミ算だぜ!!
ウインドナイツロッドは、まだ生きているのか?」

ポコ「ねーちゃん達、大丈夫かな・・・」

ジョナサン「・・・うむ、急ごう」


町に行く途中でポコの知り合いである人物と出会う、町はまだ無事だとわかったのだが、その人物はすでにゾンビにされており、背後から襲いかかってくるところを波紋で仕留めた。
その後、新手のゾンビに襲われたと思いきや、相手は人間で、しかもツェペリさんの兄弟弟子だった。
僕に蹴りかかってきたのはツェペリさんから学んだ実力を試すためで、スローで独特な蹴りによって弾かれた両腕の代わりに、負傷覚悟で頭突きの攻撃したことを評価してくれたようだ。

ツェペリさんが石仮面の行方とそれを持つ者を書いた彼らに助けを求める手紙を出し、それを見た彼らがはるばるこの国へと応援に駆け付けてくれたらしい。


ストレイツォ「私の名はストレイツォ」

ダイアー「そして、こちらは我が師トンぺティ」

トンぺティ「よろしーく」

ジョナサン「貴方がツェペリさんの師匠、老子トンぺティ」


握手の為に差し出した僕の手をじっと見るトンぺティさんに不思議に思っていると、この習慣はなく、顔の前で手を合わせるという異国の挨拶を教えられた。
ツェペリさんについて聞かれ、今まで起こった事のありのままを告げる。


トンぺティ「そうか・・・ツェペリのやつ・・・。
我々が少し早く着いたとしても、同じ運命じゃったろう・・・。
いや、もし晃という若のもがいなければ、彼はここで死んでいた」

ジョナサン「老子トンぺティ・・・晃は、晃の波紋はいったいっ!
晃は・・・無事なのでしょうかッ・・・」

トンぺティ「わからぬ。このわしですらな。だが、効果や能力は波紋に酷似しておる。
直接見ればあるいは・・・。
よほど大切な弟のようじゃな・・・そこまで愛されているとは、君の弟も幸せだろう。
それにしても、そのディオとか言う男圧倒的かな!凄まじい悪の生命力を持つヤツよ!」


ちがう、愛されているのは僕の方だ。あの時消えたはずの晃の波紋を、今でも近くに感じている・・・。
これはきっと、晃が・・・最愛の弟がまだ生きていることを示しているのだと信じたい。




ジョナサン「晃・・・晃・・・・・・」

SW「ジョースターさんっ」

ジョナサン「晃っ・・・
こんな・・・こんなことって・・・君がっ、君がいなくなったら僕はっ!!
僕はっ・・・」

SW「ジョースターさんっこれ以上は行けねぇ!あんたまで塔の底に落ちちまうっ!!」


穴の地下深い闇に手を伸ばし続けるが、その手は空を切るだけで、涙が晃の落ちた暗闇へとこぼれて行った。
スピードワゴンに体を引っ張られて後ろに倒れ込む。


ジョナサン「晃・・・晃っ・・・くっぅ」

ツェペリ「ジョジョ・・・きさま・・・大バカ者が・・・。
悲しんどる場合か!今のおまえは!」

SW「ツェペリのおっさんの傷が・・・い、癒えている!?」


ツェペリさんの体を抱き上げると、足は切り離されてしまったものの、その切断面は繋がっており、出血もある程度は止まっていた。
だが、体の内部までの回復は出来ていないのか、喋った時に咳と共に吐血している。


SW「おそらく先程の黒い波紋の塊・・・晃の波紋エネルギーだ。
私達二人の為に、彼は、己の波紋を絞り出してしまったんだろう・・・」

SW「じゃ、じゃあ・・・あの時晃さんはすでにっ」

ジョナサン「!!」


晃は、僕らを助けるために・・・
また、僕を助けるために彼は・・・っ


ツェペリ「いや、あの後、一つは私が君に波紋を送り込み力尽きようとしていた時に私の体の中に入った。
が、もう一つ、君の体を旋回していた波紋はそのまま空中で消え去った。
おそらく、先に私の波紋が君に流れ込んだからだろうが、その消えたエネルギーが晃の体に戻ったのならもしくは・・・それに、彼はまだ赤子になるほど力を使いきったわけではない。助かっている可能性はある!」

SW「な、ならさっさと地下に晃さんを探しに行こうぜ!」

ジョナサン「ツェペリさんも一緒にっ・・!!?」

ツェペリ「気付いたかジョジョ・・・私はもう、波紋は・・・つくれない」

SW「なっ!?どういうことだ!?」


ツェペリさんから感じるのは、晃の波紋のエネルギーのみだった。
つまり、僕の体の中に感じるこの波紋は、ツェペリさんの全ての生命エネルギー。
今こうして彼がギリギリ生きていられるのは、晃のエネルギーのおかげと言っても過言ではない。
つまり、晃のエネルギーが切れた時、ツェペリさんの命も尽きるという事!!


ツェペリ「恐ろしい事に、晃のエネルギーには驚かされる。
今のところ、底が見えないが、おそらく、足を生やすよりも命をつなげるためにあの球体の波紋が持続的に流しているのだろう。
しかし、痛みが段々と戻ってきているジョジョ・・・私はどうやらここまでのようだ、これ以上は足手まといになる・・・私を置いて行きなさい」

ジョナサン「ツェペリさん!」


石仮面の為に、長い年月を波紋の修行につぎ込んだのだ。
体は生きていても、これでは戦士として死んだも同然・・・。
その体さえも、波紋で動いているギリギリの状況!
僕の波紋では、回復はおろかココまでの効果を補助する事も出来ないっ。


ツェペリ「さ・・・さあ早く行け、ディオを倒すのだ・・・石仮面を破壊するのだ!ゴボッ」

ジョナサン「ツェペリさん!やはり、肺や内臓は関知していない!!」

ツェペリ「わしは・・・自分の運命に満足しておるよ。
わしは・・・若いころ結婚していた。しかし、石仮面の為に家族を捨てた。
だけども、自分の運命に満足しておる・・・。
黒獅子が私の運命を切り裂いた。決められていた死の運命から・・・。
死の運命すら受け入れていた私を・・・それだけで十分だ・・・。
わしは最後に、自分の全てを伝えた・・・。ジョジョ・・・お前達はわしの希望だ!
まるで親友と息子を同時に持ったような気持ちだぞ。
そして、波紋戦士としてのわしは、これからお前達の中で生きるん・・・じゃ・・・」


そう言い終わると、ツェペリさんは意識を手放した。
家族を捨ててまで選んだ道、死を覚悟してまで突き進んだ道。
今度は僕が、その年月と精神を受け継ぐ!!

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