ジョナサン「ここは・・・もしかして」

『思ったより高いね・・・木も成長してるってことかな』


その木に二人で登ると、あの日の光景を思い出した。
初めて晃と遊んだ日だ。あの日、僕は小さい晃をこの木に登らせて、先に降りた僕を心配して、晃はこの高さから飛び降りようとして。


『懐かしいなぁ、ここでエリナと初めて会ったんだっけ』

ジョナサン「あの日・・・僕が晃を守ってあげるって誓ったんだ。
初めて僕が誰かを守りたいって思ったんだ」

『ジョナ兄さん?』

ジョナサン「なのに僕はっ、君をっ・・・守れなかった・・・。
結局、君は戦いに巻き込まれ、僕は、君の兄をこの手で・・・」

『ジョナ兄さん・・・』

ジョナサン「晃・・・辛いのなら無理をしないでっ
一人で抱え込まないでほしい、こんな事僕が言える立場じゃないのはわかってる・・・でもっ」

『僕達ってさ、似てるよね・・・』

ジョナサン「晃?」

『勉強が苦手で、それでも好きな分野だけは自身があって。天然だって言われたり、犬や動物が大好きで、エリナと一緒にいると幸せで。父さんに抱きしめられるとすごく安心する。
心配かけまいと気を張って、一人で抱え込んで、辛いのに我慢しているのはジョナ兄さんじゃないかっ』

ジョナサン「晃・・・」

『僕、ジョナ兄さんが一番つらいからって・・僕泣いちゃいけないって・・・。
でもっ、どうしてもっ・・・ごめっ・・・僕っ
自分で決めたことなのに、こんなことすら守れないっ』

ジョナサン「そんなっ、僕よりも晃のほうがッ!!
我慢なんてしなくていんだ、僕はずっと、君に謝らなければとっ。
僕のほうこそっ、君に涙を見せる資格なんて・・・なかったのにっ」


そういいながら、僕は必死に視界がかすんでいくのをこらえていた。
きっと、彼の目と同じように、僕の目も
悲しみがあふれだそうとしているのに、それをこらえる姿がそっくりだった
やはり僕らは、兄弟なのだと、安心できるほどに。


『っ・・・ジョナ兄さん、お願いがあるんだ・・・交換しよう』


晃の目には目一杯の涙が貯まって今にも溢れ出しそうで、僕の視界もそこで・・・


『僕はジョナ兄さんの代わりに泣くからっ、ジョナ兄さんは僕の代わりに泣いてくれないかなっ。
涙を・・・交換しようっ』

ジョナサン「っ・・・わかった・・・交換しようっ」


晃は僕に体を預け、僕は晃の体に体を預けた。


『うっふうっ、うあぁ・・・うあああああああ』
ジョナサン「ふぅっぐっ・・・うわあああああ」



その日、僕らは二人だけで人知れず泣いた。
お互いに、お互い以外には見せられない涙と叫びを、溜めこんでいた孤独な心を、お互いに寄り添わせた。

僕らが初めて兄弟になったこの木の上で、僕らは兄弟以上の関係になった気がした。

晃と、かけていた魂

この戦いでかけてしまった魂を

分かち合えた気がした。



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