ジョースターさんは戦いに勝った。
しかし、父親はまだ意識不明、家も失った・・・。
弟は傷がなおっても黒猫になったまま目を覚まさず。
・・・そして兄弟だった男、ディオ。


三日前の惨事の後、この病院に担ぎ込んだが、その時、俺は野犬に襲われそうになった。

いや、あれは本当に襲いに来たのだろうか。

炎に包まれる中、ジョースターさんを担ぎあげようと黒猫を置いた瞬間、野犬や野良ネコが俺たちの周りに姿を見せて集まっていた。
普通、動物ってのは火をこわがって近づかないはずなのに、血の匂いにでも誘われたのかと、深手を負っているジョースターさんとまともに戦えねェ俺とでは動物相手でも苦しかった。

だが、この俺の考えは違っていた。動物たちが道を開けると、その先には馬が待ち構えていた。
ご丁寧に、その馬の近くには体を固定しやすいように長い布切れやシーツを加えている犬、
ご丁寧に鐙と頭絡、手綱、鞍。
凶悪そうな犬達はその場で伏せをし、その他の道具を持った犬は道具を置いてこちらに来る。
俺はジョースターさんを抱えていざという時の為に戦闘態勢を取ったが、その犬は俺らに目もくれず黒猫を子犬を咥えるように優しく持ち上げ、馬の方へと向かって行った。
俺は、ジョースターさんにその弟を頼まれた身なので、急いで追いかける。

しかし、その犬は俺を導き終えるとすぐさま黒猫を地面にそっと下ろし後ずさった。
結局どの一匹も襲ってくる事無く、馬にまたがり、ジョースターさんを体にくくりつけ、黒猫を布でくるんで腹に巻くと、馬は一人でに動き出した。


その後、この病院に到着、ジョースターさんはすぐさま運び込まれたものの、ここは人間用だと黒猫は断られた。
当然と言えば当然なのだが、これは人間だと言えば気がふれたのかと相手にしてもらえなかった。

その時、丁度病院に来ていた獣医が俺を見つけ、黒猫を引き取って行った。


「彼は私が見よう、君も怪我をしているようだ、ここで見て言って貰いなさい」

SW「あ、ありがてぇがそいつは普通の猫と違うんだっ」

「晃は人間になれる、のだろう?大丈夫、わかっているここで騒ぐな」


どういう意図でそう言ったのかは分からねぇが、俺はそいつに託すしかなかった。
敵かもしれない化け物とは言え、ジョースターさんがあそこまで大切に思っている弟なんだ。
これ以上、あの人を悲しませる事をしたくは無かった。
その後、病院に行けば獣医の居場所も教えてもらえた。
はやくジョースターさんに伝えてやりてぇ。

・・・だが、俺はまだあの黒猫を信用しているわけではない。
ジョースターさんの為にも回復したらはっきりと問いただす事にしよう。

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