SW「今あの人は全くの孤独!ほんのちょっぴりでも与えてやりてぇ!生きる希望をよォ!
心だ、あの人には今心が必要なんだ」


昼間に訪れた時には、病室にいる看護婦に面会謝絶だと言われ一歩も中に入れてはもらえなかった。
伝言を一言だけ頼んではみたが、あの冷ややかな目をした女。美人だが、冷たい態度で、この顔の傷を見て貧民街育ちの俺を見下して締め出しやがった。
普段なら腕づくでも突破するところだが出直して・・・
夜、忍び込んで会うことにしたぜ!


SW「む!夜中の一時すぎだというのにジョースターさんの病室から明かりが・・・」


何かあったのかとドアを少し開けて中を見ると、そこには昼間のあの女!
こんな遅くまで、付きっきりの看護をッ!
それにしてもあの手、ふやけて血がにじんでいるっありゃ何百回何千回と冷水で火傷を冷やしているんだ!
ということは時間にすりゃ運び込まれてからずっと!


ジョナサン「うう・・・」

「はっ」
SW「(!!おお、意識を!)」

「よかった」

SW「(やったーッ意識を取り戻したぞッ!!)」

「峠を越しました。もう大丈夫」

ジョナサン「君がずっと・・・看病を・・・。
君は!君がここにいるなんて・・・。
面影がある・・・。い、いや、まさか。
そんなはずはない・・・すごく、似ているけど」

「似ているって誰に?エリナ・ペンドルトンに?」

ジョナサン「ああっ」
「お久しぶりです、ジョナサン・ジョースター・・・ジョジョ」

ジョナサン「エリナ!大きくなったね」

「まぁ、大きくなったですって?それは貴方の方ですわ!
でも・・・本当にしばらくです」

ジョナサン「ああ・・・」


二人は知り合いなのか・・・。
だからか、あの献身的な看護ぶりは・・・それに冷血女に見えたのは俺の間違いだった。あの時の険しい態度はあの女性の「必死」な気持の表れだったんだ・・・。


「貴方のお家の黒猫・・・彼も今獣医の元で治療を受けています。
驚きました、彼が貴方の手紙を持て現れた時は・・・。私も彼にお礼が言いたい」

ジョナサン「お礼?手紙のかい?」

「それもあります。でも彼はその前から、友達がいなかった私のただ一人の友人でした。
苛められている時は助けてくれ、泣いてる時は慰めてくれた。
ジョジョ、信じてもらえないかもしれないけど、あのとき貴方にお礼を持って行こうと言ったのは彼なのです。
彼が私に勇気をくれました」

ジョナサン「なんだって!!
(じゃあやっぱり、晃が僕とエリナを引き合わせてくれたと感じたのは僕の妄想じゃなかったんだ!!
晃は昔から猫になる事が出来ていた。隠していたのは悲しいけど、それでも猫の姿でも僕の為に動いてくれていたなんてっ)」


今はあんなに可愛らしく輝いている!あの女性がジョースターさんに心を注いだんだ!!
これなら、俺の伝言も必ず伝えてくれるだろう。


どうやら俺じゃ役者不足だったようだぜ。
出直すか。
スピードワゴンはクールに去るぜ・・・。



人の出会いってのは運命で決められてるのかもしれないな。



ジョナサン「エリナ、僕の体が治ったら君も一緒に行こう。
大切な、僕の弟も紹介したいんだ」

「はい、喜んで」



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