波紋
何もかも得体のしれない人物、でも腕の痛みが消えたのは奇怪だが事実。
あの後屋敷の裏にある川で、波紋についての説明をうけ、さらに実際に波紋を見せてもらった僕は、彼の言うことを信じることにした。
そして、その彼から衝撃的な言葉を聞いた。聞かせてしまった。晃に・・・。
ジョナサン「なんだって!?ディ・・・ディオが生きていると言ったのか・・・!!」
『ディオ兄さんが・・・生きてる・・・』
そう言った晃は、表情にはっきりと表れていた。
『嬉しい』『よかった』
彼は、あのあと警察や僕自身、スピードワゴンからもディオの事について聞かされていた。
あの惨劇の全てを。僕がディオを倒した事を
ましてや、きっと警察、スピードワゴンからはどんな残酷な事をしたのか、聞かされたに違いない。
それでも晃はディオの無事を喜んでいる。
その事が、晃の優しさであるからこそ、ディオを倒した自分に対し、そしてディオをまだ思っている晃に対し胸が痛くなる。
ツェペリ「私は何十年も探している、石仮面を破壊するために!石仮面をかぶったものを倒すために!」
『・・・』
ツェペリ「君たちはすでに石仮面と戦う運命にある!仙道を学ばなければならんさもないと死ぬ!君もこの全人類もッ!!」
僕の時のように、ディオ無事を喜んでくれている晃に、
今度は自分でその兄を倒せと言われているも同然な晃に、
その優しさゆえに、残酷な運命に飲み込まれていっている晃に
僕は、僕自身がディオが生きていることに感じた嬉しさを晃に隠すように、エリナを任せて先に帰ってもらった。
エリナ・・・晃・・・!
石仮面の話が出た今!ディオの話が出た今!
二人を巻き込んではいけない!二人だけは決して!!
この運命を背負うのは・・・僕だけで構わない!!
ツェペリ「(こ、これは!?は、花がッ!周りはすでに枯れているのにジョジョの触れているあの右腕の所だけがっ!
し・・・信じられん!腕の骨折を治した波紋エネルギーがまだ残っており、手を伝わって枯れかけた花が再生されたんだ!!
このジョジョと言う青年は、晃同様とてつもない才能と力を眠らせているのかも知れん。この青年達なら世界を救えるかも知れんぞ!!)」