成長
あの日からしばらくして、ジョセフ君に心配かないように彼が学校にいている間にストレイツォさんに僕の体を見てもらった。
あまり姿が変わっていなかった彼を見て少しほっとしたのは二人には内緒だ。
見てもらったとはいっても、波紋を流してもらって異常がないか見ただけだけど、波紋の流れもいつも通り特殊で、昔トンぺティ師匠に診てもらった通り波紋が練れるのが謎な呼吸法は健在ということだった。
ちなみに、ちょっと波紋が痛く感じるのは自分の中だけにとどめておくことにした。
普通の人も後天的に性別が変わることもあると言うことらしいが、僕の場合は完全に女の子になったようだ。
その後もスピードワゴン財団の医師達の精密検査を受けたのだが、皆が皆「元気で健康的な女の子です」という事のみだった。
ついでに猫化もできるのだが、そちらもどうやら医学的に普通の猫(♀)だった。
猫化の検査もできると言うのはさすが財団のトップだけはあると言うか、ワゴンさんいつの間に・・・石油って本当だったんだ;
しかも、体の年齢が下がると精神年齢まで下がってしまうのか、異様に絵本が面白い。
昔は論文とか読んでいたのに、今じゃ知識はあっても論理的思考が追い付かず理解が遅いように感じる。
・・・いや、まぁ、もともと頭いい方でもないけど。
あと、感情の突起が激しい気がするし、涙が我慢できないし、お昼寝の時間には眠くなるし。
これは脳の作りに関係あるのだろうか、うむ、わからん。
・・・やめよう、頭が痛くなる。そして眠い。
度重なる検査入院にジョセフ君は小さいころから心配してくれて、彼には僕が病弱でお医者様に治療してもらっているということになっています・・・が。
ジョセフ「なぁ晃、今日も病院か?」
『う・・・うん(一応;)』
ジョセフ「ふーん・・・晃の病気ってたしかさー後天的性転換だっけ?」
『うん・・・///;(近いですジョセ兄さん///)』
ジョセフ「それだけ?」
『それだけって?;(ううっ、この目は疑っている目だっ)』
ジョセフ君13歳、僕は戸籍と身体検査上11歳。
現在日課の一緒のジョセ兄さんとのお風呂タイム中です。
一緒にいられる時間を少しでも増やしたいと言うジョセ兄さんからの提案で、この時間はお互いその日のことを嘘禁止でお話しする。
結局戸籍上もエリザベスちゃん(事故で無くなってしまったらしい)の娘としてジョセフ兄さんの妹となった僕ですが、ワゴンさんの計らいもあり後天的に性別が変わったと言うことになっています。
まぁ、普段は普通の女性として過ごしているので、エリナにみっちりレディの教養を仕込まれたのですが、ダンスのステップの女性側とか化粧や身だしなみは難しいと言うか恥ずかしいところもあった。
まぁ、刺繍や料理はけっこう好きだし、お花とかピアノとかも楽しいからそこまで苦ではないのですけど。
ジョセフ「そーやって、俺の目からそらすときはー晃は嘘をついてないけど本当の事隠してる時なんだぜ?」
『Σなっ(なんとするどいっ、現実と逃避していればごまかせるかと思ったのにっ!)』
ジョセフ「お?今「するどい」って思っただろ?
俺晃の考えてる事なら何でもわかっちゃうんだよねーw」
『うぅっ・・・(目をそらしたらまた隠してることばれちゃうけど、こうやって目を合わせるとそれこそ心の中覗かれそうで;)』
それと、ジョセ兄さんとはあの日からずっと一緒のベッドで寝てます。
元々大きいベッドだから、二人で寝るとそれまで一人で起きれなくて起こされても寝起きに悪かったジョセ兄さんが僕の身支度を手伝うために起きるようになって、その他も僕と一緒だとテーブルマナーも覚えたし、悪戯も少なくなったと周りの大人が喜んでくれた。
どれだけ困らせていたのか;。
まぁ、時々僕もいたずらされるんだけど、僕もいたずら返ししたりするからおあいこか。
本当に学校に行っている間以外は僕と一緒じゃないとすぐに問題が起こるので、僕の診察時間もその時間に合わせていると言っても過言ではない。
家にいる時はほとんど一緒にいるおかげでジョセ兄さんは僕の感情を読むことにたけて、行動も先読みして色々な事をしてくれる。
洋服の準備やおやつの種類やお風呂の時間や遊びたいゲームまで全部僕に合わせようとしてくれる。
無理をしているのかと思ったら、本人も嬉しそうだからいいんだけど、時々こうして隠し事を見つけてくるので気が気ではない。
今まではワゴンさんやエリナが手助けしてくれたけど、この場では二人はいないし、ジョセ兄さんとの約束もあるから嘘がつけない。
ジョセフ「なぁ晃・・・二人で風呂に入ってる時は隠し事なしって約束したろ?
にーちゃんに話せないか?」
『・・・ジョセ兄さん(波紋のことを・・・話す?でも・・・)』
波紋のことを話してしまったら・・・
いるはずのないゾンビへの不安が付きまとう。
もし・・・ジョセ兄さんまで・・・
石仮面の戦いに巻き込んでしまったら・・・。
ジョセフ「じゃあ、にーちゃんから話すな」
そう言ったジョセフの体から、一緒に 浸かってる湯船の水面にあの波紋が、
ジョナ兄さんや師匠のような波紋が現れた。