激白
『ディオ兄さんは・・・きっと僕のことを恨んでいるし、ジョナ兄さんも・・・。
僕のせいであの船の事故が起こったんだ・・・みんな、僕のせいで・・・。
中途半端に皆を助けようなんてしたから・・・何もできないくせに・・・っ』
ジョセフ「・・・(悔しい。これは俺を信頼しての告白ではなく、切羽詰まった状況での否応なしに言わされている状態。
自分を救うためではなく俺を救うために、危険から回避させ逃がす為にする告白!!)」
『だから・・・今度は僕が戦わなくちゃいけない。
なぜ僕が生きているのかわからないけど、この命は君の為にっ』
ジョセ「晃・・・お前が助かってよかった」
『っ!!なんでっ』
無意識に口に出した言葉は本人の耳にも届かないほどだったのだろう。
本当はもっと安心させてやれるような言葉をかけたかった。全てを知り、そのうえで晃の心を少しでも軽くしてあげたかった。
しかし俺は知らなすぎる。そんな俺が何を許してやれるのだろう。晃の記憶の何を癒せるのだろう。
ジョセ「たった一人の兄弟なんだ、あたりまえだろ?」
『ジョセ・・・にいさっ』
ジョセフ「だから、その命は大事にしてくれ・・・俺の為に、な?
聞かせてくれ、現状から見るにストレイツォは石仮面ってのをかぶっているはずだ。
吸血鬼の弱点を・・・俺が出会わないという可能性は低いからな。
知っていて損はねぇだろう?」
だが諦めはしない。晃がまた俺を遠慮なく抱きしめられるように。
甘えて頼ってすがって、泣きつけるように。
一人でかかえないためにもあくまで「俺のため」と称して晃が俺にすべてを話して、そばから離れずサポートせねばと思わせるように。
『わかった、でも無理はしないで、必ず一人で戦わず逃げて帰ってきて』
ジョセフ「わかった」
晃に嘘をつくのは嫌だ。
冗談は言うし、晃が傷つかないとあれば周りの人間をだますことに何も思わない。
だけど晃には直接的な嘘をつきたくない。だから今までうまくはぐらかしたり、嘘ではないけど本当のことではないような断定的ではない言い回しをしたりと俺の中でルールができていた。
だからこれが、はじめて晃にはっきりとついた嘘だった。
俺の意思で初めて付いた嘘だ。いつものハグのように晃もきっと信じてくれただろうことに心を悼ませながら細い腰に腕を回す。
俺はとても強くなった。
だから俺一人になっても、晃を守ろう。