『ジョセフ、聞いてほしい事があるんだ』

ジョセフ「晃?」

『ディオ・・・は。僕の兄なんだ』


ジョセフ「・・・っは?」


どういう意味なのかという処理を脳内が拒否したため、俺はまぬけな声を出してしまった。
まってくれ、この状況で冗談を言える晃ではないのは俺が一番よく知っているし、
ポーカーフェイスなんてものとは無縁な素直な表情が物語っている。
しかし、この言葉をすべて真実だと受け入れられるほどの頭の柔らかさは持ち合わせていなかった。
吸血鬼だなんだですらエリナばあちゃんから聞かされるまでおとぎ話だと信じていたし、俺の力だって子供の頃は魔法だなんだと騒いではいたが、今では俺の中のただの特技の一つといった感覚だ。


『・・・どこから、話せばいいのか。でもっ・・・。
今から話す事はっ』

ジョセフ「晃」

『ジョセっにいさんっ、僕っぼくはっ君をっ・・・謝らないとっ
でもっ嫌われっ信じてくれなくてもっでもっ』


どうする、何を言えばいいっ!
大丈夫見棄てないと答えればいい?何があってもお前の味方だと安心させる?
いやちがう、晃が望んでいるのはっ!


ジョセフ「晃っ!!!」

『ヒッ!!!』

ジョセフ「俺はお前を信じる、だから・・・話してくれ」


望んでいるのは、なにも知らない俺なんかがただただ自分の気持ちを主張する言葉ではない。
俺が、その話を信じるかどうか。晃が望むのは俺が話を理解し、無知のまま巻き込まれぬように自衛できるように。
俺が憎もうが、悲しもうがそれを覚悟して言おうとしている晃に対し俺が今、言える言葉は・・・
今から発せられる言葉を真実だと受け止めるという、ただただそれだけしかできないっ。


『ありがとう・・・』


あぁ、今すぐ抱きしめてお前はきっと悪くない、俺は何があっても晃が好きだからと言えればどんなに楽だろう。
その言葉を言った瞬間に晃はきっと俺から離れて一人で何とかしようと出ていくだろう。
話をすべて聞いて、受け入れたとしてもそれは同じことだ。
だから俺は許すということを許されない。このまま俺に晃を縛り付けておくために。




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