『恭くん起きて、もう時間だよ?』

雲雀「ん…」


昨日、恭くんは委員会の仕事を遅くまでやっていたためか、なかなか起きてこなかった。
僕が起こしにいっても起きる気配がない。

『恭くんほんとに…』


遅刻するよと言おうとしたら、ゆすっていた手を引っ張られベットへと倒れてしまった。


『恭くん!?放して、って抱きしめるな!!僕まで遅刻しちゃうよ』

雲雀「…」

『あ、そういえばまだ朝ごはん作りっぱなし!!恭くん起きて恭くん!』

雲雀「……」


頭をペシペシ叩いてみたけど、それでも起きようとはしない。
よけいに強く抱き締めてくるし。


『まったく…。怒らないでよ?』


ドスッ


雲雀「っ!?ゲホッ、名前…鳩尾は酷いんじゃない?ι」

『恭くんが起きないからだよ。早く朝ごはん食べよ?』

雲雀「(起きてたんだけどね)うん、ありがと名前。(やっぱり力業で組敷くとかは無理かな)」


なにかブツブツ言い鳩尾を擦りながら着替えている恭くんを部屋に残して僕は朝食の準備へと戻っていった。


雲雀「あれ、名前のお弁当やけに小さくない?」

『なんかクラスの女の子達が調理実習だから今日の分のお弁当は少なくしてきてって言われて』

雲雀「(あぁ、あれか、)ふーん名前ってモテるんだね」

『違うよ、クラスの女の子全員言ってきたから皆に言ってるんじゃない?』

雲雀「!?…そうかもね(ぇ、それってクラスの女子全員名前に気があるってこと!?うそ、いつの間にそんな群れられてるの。名前が友達欲しいって言ってたし、できるか心配だって言ったからあんまり学校では一緒に居ないようにして、校内放送で呼び出すのも、一緒にお昼食べるのも、クラスに乗り込むのも、全校生徒の前で僕のもの宣言するのも我慢してたのに。今度から…しようかな)」

『恭くん?お箸止まってるけどどうしたの、なにか考え事?』

雲雀「いや、僕もおにぎり食べたいなって」

『僕のでよかったら明日のお弁当おにぎりにしよっか?』

雲雀「お願いするよ」


恭くんがまたブツブツと考え事をしていたので心配になったけど、おにぎり食べたくなったんだね。
今日はもう作っちゃったから明日作ろうと。実は僕も久しぶりに作りたかったし。


雲雀「じゃ、一緒に行こうか(とりあえず一緒に登校できる日は我慢しないで一緒に行くことにしよう)」

『うん、恭くんと一緒に登校なんて初めてだね!嬉しいな!』

雲雀「僕も嬉しいよ///」


初の恭くんとの登校はずっと手を繋ぎっぱなしでした///。恭くんは荷物を持ってくれてたけど、皆が見てきてちょっと恥ずかしいな。しかも微妙に…いや、かなり距離をとられてる気がするι。
でも、それを恭くん言ったらたぶん見ている人達はただではすまないので言うのはやめよう。


ヒソヒソ…
「雲雀さんと一緒に歩いてる…しかも手を繋いで…ι」
「あいつ何者だ」
 ヒソヒソ…
「俺、目がおかしくなったかな。雲雀さんが二人分の荷物を…ι」
「え、お前も?俺だけかと。しかも隣のやつ荷物持ってないよな…」
  ヒソヒソ
「ちょっと、あの子可愛くない?」
「ほんと!、でも雲雀さんと一緒にいるしι」
   ヒソヒソ…
「可愛いんだけどな」
「雲雀さんの知り合い…ι」
    ヒソヒソ…

雲雀「(これで名前に容易に近づく輩は少しは減るかな)」

『?』←聞こえていない




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