2ぺーじ。


フードをかぶり直した少女は、すでに其の目に標的を映していた。
金色に輝く短髪に鋭く青い目は自分の容姿と似ている。

ただそんなことなど彼女にとっては心底どうでも良かった。ただ自分は言われた通りに、言われたことを遂行すればいい。そうして自分という個体が認められていると信じ込んで、彼女はグッと脚に力を入れた。


「何やっとるん?」


思わず身震いする程の殺気を感じて振り返ったが、自身が身を守るよりも速く其れは彼女の手からナイフを叩き落とした。
自身と同じくフードをかぶり、髪の隙間から微かに覗く殺人者の目。彼女は初めてだった。

自身が言われた事を守れなかったことなど。

そう言えば言われた事を出来なかったことなど無かったから知らないけれど、守れなかった場合はどうなるんだろう?

叩き落とされたナイフが床を滑るのを目で追いつつそんな事を考えた。

でも思考に生まれたのは、自身が今まで見向きもしなかった其れになっている様子で。
けれど怖いとか辛いとか、その逆の感情も無くて。


死ぬということに関しての実感など無い。


「何事だ、ゾム」


「グルッペン狙っとる奴が居ったから殺そう思って! でもよー見たら子供やねんなぁー。 俺子供殺すのは気が滅入ってまうからシッマ辺りに頼んで」


「ほぅ・・・ 子供が? あぁコイツか」


初めて聞くあの男達と悲鳴以外の声。
何処かそれは心地良く感じて、ふと視線を向けた。

自身よりもずっと高い場所に位置する金髪の彼としっかり目が合った。
すると彼はニヤリと笑ったのだ。

少女は首を傾げた。

すると彼が笑みを浮かべながら少女に言った。


「丁度いい。 逃げる気も無さそうだからちょっと罰でも受けてもらうゾ」


「え、グルッペンそういう趣味・・・」


「ちゃうわ!」
- 2 -


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