01
小学生時代のグルッペンは大人しく人見知りな性格で、クラスに馴染めないような少年であった。
彼は毎日外に遊びに行く同級生を見送って自身は持ち寄った本を読みふけるのである。
小学生らしくない小学生で、友達も少なかったが彼にとってそれは特段苦ではなかった。むしろ構われる方が苦痛なまでだった。
それでも優しい彼女は彼に声を掛ける。
「ねぇ、何読んでるの?」
そうしてグルッペンの生活に無理矢理踏み込んできたのが城谷唯衣である。
当初グルッペンは、それはもう鬱陶しいと言わんばかりに彼女の問いに簡潔に本のタイトルを言うだけに留めあとは聞く耳持たずであった。
だがそれでも粘り強くグルッペンに話しかける彼女にグルッペンはだんだん絆されていく。
「お前、なんで俺に話しかけてくるん」
「え? うーん……話したかったから!」
やっとこっち向いたぁ、と笑う彼女にグルッペンは初めて本を閉じて彼女に向き直った。
「……俺と話しててもおもんないで」
「そんなことない! ぐるくん、本いっぱい読むやろ? 教えてや!」
「そ、のくらいなら……」
──ああ、そんな頃もあったなぁとリビングのソファに座って昔の卒業アルバムを開きながら思い返していたグルッペンは思い立ち、スマホを手に取る。
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