「なまえ、この後駅前にできたカフェ行かない?」
「あー、ごめん。今日は堅治と待ち合わせてるの」
堅治は珍しく部活が休みらしく、午後から出掛けようって言われている。
友達は講義被るか休みの日なら大体遊べるけど、堅治の場合はそうはいかない。
「…堅治て、彼氏?」
「弟だよ、高校2年生の」
「え、あんた弟いたの?」
私結構弟のこと話してたはずなんだけどな。まあいっか。
「うん」
「途中まで付いていって見てもいい?なまえの弟めちゃくちゃ気になる」
「…あー、うん。それは全然いいよ」
むしろ自慢の弟だし見せびらかしたい。お姉ちゃんこんなポンコツだけど弟は身長高くてかっこいいんだぞってことを。
*
「なんか正門のところめっちゃ人いる」
キャンパスの正門から駅に向かおうと歩いていると、なんだか人が集まっているらしい。
「有名人でも来てるのかな?」
「それはないでしょ、カメラとか見当たらないし」
「そっかー」
まあ私達には全く関係ないことだと判断し、集団を通り過ぎようとすると、不意に自分の名前を呼ばれた。
「なまえ!!」
「…堅治?」
考えるよりも先に声に出た。
集団の中心にいたのは大好きな弟だった。
周りで黄色い悲鳴とか聞こえるけど知らない。堅治かっこいいから仕方ない。
「堅治なんでここにいるの」
「俺は性格までイケメンなんで可愛いなまえちゃんを迎えに来てあげたんですー」
このお姉ちゃん俺のこと褒めてくれてもいいんだぜ。みたいな感じ、もうたまらない。可愛い。
「待ってなまえほんとにその子弟なの?兄とか彼氏じゃなくて?」
「うん!!!うちの弟、かっこいいでしょ?」
「わかるよ、うん。確かにイケメンだ。ついでに髪の毛と目元がなまえとそっくりだよ」
友達にも認められるイケメンなんてますます嬉しい。そしてついでで私まで褒められた。
「この人なまえの友人さん?いつも姉がお世話になってます」
「いや、お世話なんて…あ、してるな」
「…されてるんだ。まあちょっと性格に難はありますけど、これからも姉と仲良くしてやってください」
「は、はあ」
しっかり私の友人にまで挨拶できるの素晴らしいと思う。私の弟可愛い。
「…なまえそろそろ行こうぜ」
「あ、うん。ゆうじんなまえまた明日ね」
「おー、気を付けてねー」
じゃあねー、と手を振るゆうじんなまえと別れて堅治と歩く。
さりげなく手を出して繋いでほしそうにする所とかすごく好き。
「結局今日はどこに行くの?」
「決めてないからフラーっと駅前散策しようぜ」
「最近新しい建物できたもんね。あ、堅治君もうお昼食べた?」
「まだ食ってない。姉さんと食べたかったから待ってた」
「嬉しいこと言ってくれるねー」
そっぽ向かないでよ、せっかく久し振りにちゃんと姉弟2人きりなのにな。
「…まあ、ほっとくとなまえ飯食わないだろうし」
「あれ、食べ忘れてたのバレてたの?」
「当たり前だろ。とりあえず腹減ったから最初に飯が食いたい」
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