「赤葦君ってすごく綺麗に食べるよね…」



食事中、妙に視線を感じると思ったらみょうじさんはこんなことを言った。



「そうですかね…?みょうじさんの方が綺麗だと思うんですけど」



確かに普段急いでる時よりちゃんと食ってるけど、目の前で食べてる彼女の方が一つ一つの動作に品があるし、エロい。



「ええ、それはないよ」



パスタに髪が入らないように、耳にかけるその仕草まで綺麗だと思った。





*





「本当にありがとう」



「むしろ礼を言うのはコッチですよ」



「私何もしてないよ」



「学生証拾ってくれたじゃないですか」



お陰でこんな綺麗な人と出会って飯まで誘えたわけだし、噂と違って謙虚な貴女なら「こんなところでのご飯代とか学生証再発行とかと…」とか言いそうだけど、俺からしたら「学生証落としてよかった!!!!!!」って叫びたい。



「それはまあ…ねえ」



「そこ濁すんですか」



「いいじゃない」



「わかりましたよ」



でもやっぱり、こういう所でスキンシップしてくるあたり、それなりに遊んでたりもするのかなって思う。



「みょうじさん…?」



突然止まったみょうじさんの目線は、ゲームセンターのUFOキャッチャーの前だった。



なんかフクロウとミミズクの割とクオリティの高いキーホルダータイプのマスコット。これはキャラものではないみたいだ。



それに俺も、みょうじさんに似たマスコットを見つけたから、普通に欲しくなった。



「みょうじさん、入ってみましょう」



「いいの?!」



なんか一瞬、彼女に犬のしっぽと耳が見えた。…気がした。



「こういうの久し振りなんで取れるか分かりませんよ」



「え、やってくれるの?」



「ちょっと俺も欲しくなったんで」



迷うことなく500円を投入し、ボタンを操作して目当ての物を取る。



「みょうじさん、こっちあげます」



「いいの?ありがとう」



ふにゃりと笑ったみょうじさんは、もう学校での近寄り難い雰囲気なんてなくて、とても可愛らしかった。



「ところで赤葦君、なんでこれだってわかったの?」



「みょうじさんの目線辿ったらそれだったんですよ。あと、俺の欲しかったやつの隣にいたんで」



「赤葦君は人を見るのが上手だね」



そんなの、みょうじさんだからに決まってる。



「でもみょうじさんがそれ欲しがってたのは意外でした。なんかもっとシロフクロウとか有名所かと思ってましたよ」



「確かにそれも可愛いけどさ、このフクロウの種類知ってる?アカアシモリフクロウっていうんだよ」



「…俺と似たような名前ですね」



「そうなんだよ。赤葦君に似てる上に名前も同じとか欲しくなるじゃない?」



その今まで見てきた中で一番嬉しそうな顔をしないでくれ。勘違いっていうか、自惚れそうになる。



「……あんた今さりげなく爆弾落としていきましたね」



「ん?」



「なんでもないです」



聞かれてなかったならよし。



「ところで赤葦君も取ったけど、なんの種類?」



「ヨーロッパコノハズク、みたいですよ。小さくてみょうじさんみたいだったんで欲しくなりました」



「…え、あ。赤葦君からしたら大体の子が小さくない?」



「…まあそれはそうですけど、みょうじさんに似てるじゃないですか」



「嬉しいような恥ずかしいような……」



右手で顔を隠すみょうじさんだけど、女子の小さな片手じゃいくら小さい顔でも全部は多い隠せないから、顔が真っ赤なのは丸見えだ。




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