真央霊術院を卒業して最初の配属先は四番隊だった。希望していた隊だけあってとても嬉しかった。よし、これから頑張るぞ!と気合いをいれて働いていたのは何か月前だろう。救護班としてまずは救護詰所に配属になった。怪我をしてくる隊員の多くが私と同期の人たちで治療中も和やかに時は過ぎていった。それまでは全然よかった。回道を使えるからこそ、ありがとうと感謝の声も多くやりがいを感じていた。しかし、ある日とある病室から怒鳴り声が聞こえてきた。何事かと野次馬のように病室に行ってみる。そこで見た光景は四番隊の先輩が他の隊士に怒鳴られているところだった。
「お前ら四番隊なんて護廷十三隊のお荷物部隊じゃねぇかよ!それに比べ俺らは十一番隊なんだよ!」
「は、はい…っ」
「こんなクソまずいメシが食えるかっつってんだよ!」
ばしゃっと病院食を床に落とす。
なんだこの光景は。先輩、と近くに行こうとしたら止められてしまった。
「関わらない方がいい」
「え、でも…!」
「ほら行くよ」
女の先輩に連れられその場を離れた。初めて見る光景だけに驚きが隠せない。
「十一番隊はガラ悪いのよ。私たちのことお荷物部隊だとか言ってくるし。確かに他の隊の雑用とかも押し付けられてるかもしれないけど!怪我を治してあげてるのは私たち四番隊ってこともっとわからせたいわ」
理由を聞けば先輩の愚痴が溢れ出た。な、なるほど…。まだまだ出てくる愚痴に圧倒され私はなにも言えなくなる。思っていたよりも護廷十三隊には格差があったらしい。
「あの、止めなくていいんですか?」
「いいの。いちいち気にとめてたら仕事出来なくなるのよ。あれ、日常茶飯事なんだから」
「そ、そうなんですか」
「隊長がいない時を見計らって荒ぶるんだから。本当に嫌になるわ」
苛苛しながら先輩は仕事場に向かった。その後ろ姿を見てこれから四番隊で頑張っていけるのが不安になってきた。
そんな出来事から数日後。あれから何かにつけてイチャモンをつけてくる十一番隊隊士らに何も言わず過ごしてきた。担当の先輩は少しげっそりしている。今日もまた怒鳴られるのかと思っていた矢先、先輩の焦る声が聞こえた。
「ちょっ、ちょっと!待ってください!まだ退院出来ませんから!」
「うるせぇな!もう怪我は治ってるだろうが!」
「治ったら退院していいんだよ!いつまでもこんなとこ居られるか!」
え、こんなことまで起きるの。
焦る私をよそに先輩は尽く怒鳴られる。肩を押され尻もちをつく姿を見て何もせずにはいられなかった。
「先輩!大丈夫ですか…?」
「あいつら止めないと」
「…私が行ってきます!」
疲れ果てている先輩の代わりに私は急いで外に出た。
この行動が私とあの人との出会いに繋がるなんて、今の私には知るよしも無かった。