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二度目の目覚め。次はもう、驚いたりしない。私は未だ、柏木くんの家にいて、柏木くんのベッドで寝ている。
起き上がり、時刻を確認する。午前7時。今日は日曜日だから仕事もない。柏木くんは…分からない。結局、現職は秘密にされたままだ。

「名前さん…あ、起きてたんですね」

軽いノックとともに、柏木くんが顔を出す。昨晩、このまま最後までいってしまうかと思っていたのだが、彼は優しく唇を何度か重ねた後、「おやすみなさい」と言って別の部屋に戻っていった。

「おはよう、柏木くん」
「体の調子、どうですか?お水、飲みます?」
「ありがとう…だいぶいいよ。多分、ほんとに酔ってただけだから。」

差し出されたお水を飲み、傍に立つ彼の顔を見上げる。柏木くんは一瞬視線を泳がせたあと、ベッドに腰掛けた。

「…あの、名前さん」

昨日も見せた神妙な面持ち。何事かと彼の横顔を見つめる。

「俺、名前さんに黙ってたことが2つあります」

柏木くんがこちらに向き合い、私の持つグラスをサイドボードに置いた。姿勢を直し、柏木くんは続ける。

「ひとつは、仕事のことで。俺…実は今、アイドルとして活動しています。デビュー曲も、もうすぐ出るんです」

グラスを持っていなくてよかった。少なからず動揺した。驚嘆の声を上げれば、柏木くんはまた困ったように笑う。

「名前さんには、知っていてほしかった。その上でもうひとつ、あります」

もう、分かっちゃいますよね。小さな声で呟いて、柏木くんは私の手を絡めとった。まるで、口づけを交わした昨晩のように。

「…ごめん、分かんない。」

そこから先は。先へは、行けない。少なくとも私からは。
心臓が大きく跳ねている。柏木くんの真剣な眼差しと手に感じる体温のせいで。

「じゃあ、分かってください。…拒むなら、今、ですよ」

最後の言葉はほとんど吐息で、それはすぐに私の口内へと押し込まれた。昨日の優しいキス。そこから、どんどん激しさを増してすぐに苦しくなる。貪るように唇を交わしながら、体は次第に傾いて、優しく押し倒される形になった。
ようやく解放された後、唇がいつ触れてもおかしくない距離で、柏木くんが囁く。

「…拒まないんですか?俺、勘違いしてしまいます…。」

その声色のあまりの切なさに、いとおしさが込み上げる。

「…柏木くん」
「…名前さん、俺、貴方が好きです」

ずっと、前から。言い終えるか否かのところで強く抱き締められる。分かっていた。分かっていたけど、できることなら、知りたくなかった。柏木くんは優しくて、綺麗だ。こんな私なんかとは、とても似つかないくらいに。

「…私、柏木くんに好きになってもらうようなとこ、ないよ…」
「いいえ。あります。俺は知ってます、名前さんのいいところも、好きなところも」
「彼氏に浮気されて後輩の優しさに甘えてるような、かっこわるい女でも?」
「名前さんには勿体ない人だったんです。これでやっと、名前さんを独り占めできますね。…違いますか?」



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