Ⅴ
＿＿また学校で会いましょうね！
そう言って去っていった少女＿シャラを、
マルフォイは思い馳せる。
彼女がスリザリンに来たら良い、と思いながらも、到底スリザリンには来そうにないと考えて首を軽く振った。
それを見ていた父、ルシウス・マルフォイは
はて、と記憶を掘り起こす。
あれは、自身がホグワーツに通っていた時にいた鷲寮の何年か後輩、ラン・ガルアッシュではなかったか。
今や呪師として魔法省にも名を馳せている、
呪文において天才肌の彼であろう、と。
しかし、娘がいるとは聞いていない。
周りの者も、そのような話はしていなかった。
……まあ、今後少し注意して見てみるか。
そこまで考えて、ルシウスは息子、ドラコに言った。
「ドラコ、彼女とはぜひ、仲良くしておきなさい」
そう言えば、息子は途端に嬉しそうな顔で頷く。
それを横目に、ルシウスは彼らの去った方を見遣った。