リメイクレッドのイメージ。

栗色の髪をそっと起こさないよう撫でる。リビングのソファーでぐっすり眠ってるレッドを見つけては、物珍しさからつい手を出してしまう。
元より、自分の母の頼みで彼の母に用事があったので訪ねたのだが、来て早々彼の母は買い物へ行くつもりだったらしく成り行きで留守番を任されることになった。正直用事も物を渡すだけで、済んだらすぐ家に戻る予定だったけれど、珍しくレッドが家に戻っているのと尚且リビングで寝ているという滅多にない状況に遭遇したため留守番を受けることにしたのだ。
それしにても、実家だからかいつも見る表情より比較的穏やかな表情で眠っている。普段は険しい眉も今は緩やかな弧を描き、固く閉じた唇は隙間を開けているのだ。そんな稀な顔をじっくりと見てしまう。触ったらどんな感じだろうか。ふと悪戯心が芽生えてしまい、柔らかそうな髪に手を伸ばす。さらさらと指で掬っては、ぱらぱらと落ちていく。可愛い。ついつい声に出してしまい、慌てて口に手を覆うが、レッドは寝息を立てたまま。ホッとして頬に触れてみる。
「何してんの」
伸ばした手を捕まれては、こちらを眠そうな目で睨むレッド。おはよう、ございます。どもって挨拶してみても逆にレッドを煽るだけで握られた手に更に力が込められた。

「何で僕の家にいるの?」
手を解放されたが、本人は理由を聞くまでは離さないようでソファーに座るレッドの目の前で正座させられる羽目になった。経緯を答えて見るが、相手の不機嫌さは治らない。すみませんでした。しょぼくれた言葉で反省の色を示す。暫くしてはぁ、と長い溜め息をつかれてはレッドは口を開いた。
「あのさ、ここで寝ていたのが僕じゃなかったらしてた?」
責めたてようとする問いなのか。どうかな、とあやふやにして返すが、彼ははっきり言えと目を細めて伝える。流石に従わないと何か悪いことが起きそうだと想起させ、慌ててしないと言う。すると、鋭かった目は少し緩くなりどこか落ち着いた様子に変わっていく。
「それなら、まあいいけど。」
そう口にすると、急に腕を引っ張ってはレッドの隣に座らせられた。いきなりの展開に着いてこれず、驚いて変な声を出してしまう。そして肩にレッドの頭を乗せられる。少し息がかかってくすぐったい。どうしたの。言ってみても、別にとだけ返ってくる始末。
暫くして、ぼそりとレッドは言葉を溢した。
「これからずっと、そうしててね。」


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